過払い金請求の期限はいつまで?時効に注意してお金を取り戻そう!

過払い金請求の期限はいつまで?
この記事でわかること
  • 過払い金請求は期限までに手続きが必要
  • 過払い金請求の期限は最終返済日から10年
  • カードローンで途中完済していれば過払い金の金額が少なくなることがある
  • 過払い金の時効が迫っている場合には弁護士・司法書士に相談するのがおすすめ

消費者金融などの貸金業者に払い過ぎた利息がある場合、過払い金請求の手続きをすれば返金してもらえます。ただし、過払い金請求はいつまででもできるわけではなく、期限があります。

この記事では、過払い金請求の期限について詳しく説明します。せっかく過払い金があるのに時効で消滅してしまわないよう、いつまで請求できるのかを確認しておきましょう。

過払い金請求には期限がある!

「過払い金請求」には期限があります。手続きせずに放置していると、お金を返してもらう権利がなくなってしまうので注意しましょう。

過払い金は貸金業者から返してもらえる

2007年頃までは、多くの貸金業者は利息制限法を超えるグレーゾーン金利で貸付を行っていました。グレーゾーン金利は違法であることは明確になっており、過去に利息制限法を超過して払った利息は「過払い金」として返還してもらえます。

【グレーゾーン金利とは?】

グレーゾーン金利とは、利息制限法と出資法の上限金利の間の金利のことです。2007年頃まで、貸金業者は長年に渡りグレーゾーン金利による金利を設定し、違法な金利を債務者から取得していました(2010年より廃止)。

過払い金は時効になるまでに請求が必要

貸金業者に過払い金請求をするときには、期限に注意しておく必要があります。お金を払ってもらう権利(債権)には時効(消滅時効)が設けられています。過払い金も債権なので、時効が到来すれば権利自体が消滅します。

債権の消滅時効については、民法に規定があります。なお、民法の債権に関する規定は2020年4月1日改正され、消滅時効の期間も変更されました。改正前は10年でしたが、改正後は5年で時効となるケースがあります。

改正前(2020年3月31日以前)改正後(2020年4月1日以降)
権利を行使することができる時から10年債権者が権利を行使することができることを知った時から5年または、権利を行使できる時から10年

2020年3月31日以前に発生している過払い金を請求する場合には、改正前の民法が適用され、消滅時効が10年となります。以下、改正前の民法が適用される過払い金を前提に説明します。

過払い金の時効はいつから計算する?

貸金業者がグレーゾーン金利を撤廃したのは2006~2007年頃なので、今から10年以上前です。しかし、過払い金の時効はグレーゾーン金利が撤廃されたときから計算するわけではありません。時効の起算点は、人によって変わります。

消滅時効の起算点は「権利を行使することができる時」

民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する」(旧166条)とされています。過払い金については、過払い金請求権を行使できるときから時効を計算します。

カードローンは利用限度額の範囲内で借入と返済を繰り返すものなので、いつから過払い金請求権を行使できるのかがわかりにくく、時効の起算点についてもかつては争いがありました。現在は最高裁の判例により、時効の起算点が明確になっています。

カードローンでは最終返済日から時効がスタート

過払い金の時効の起算点について、最高裁は取引の終了時点(最終返済日)と判断しています。既にカードローンを完済している場合でも、最終返済日から10年を経過していなければ、過払い金請求は可能です。

まだ返済中のカードローンについては、時効の計算はスタートしません。返済中なら時効を気にすることなく過払い金請求ができます。

10年より前に発生した過払い金も取り戻せる

最終返済日から10年以内であれば、取引期間中に発生した過払い金すべての返還を請求できます。貸金業者に実際に払った日から10年以上経っていても関係ありません。

たとえば、消費者金融と以下のような取引があったと仮定します。

契約日最終返済日時効完成日
2005年4月30日2011年5月27日2021年5月27日

最終返済日である2011年5月27日から時効が完成する2021年5月27日までは過払い金請求ができます。この場合、契約日である2005年4月30日以降発生したすべての過払い金が返還の対象になります。

過払い金の額が大きく変わる「取引の分断」とは?

カードローンの取引期間中、途中完済があった場合には戻ってくる過払い金額が少なくなることがあります。過払い金額に影響を与えるのが、「取引の分断」があったかどうかです。

途中完済している場合には注意

消費者金融のカードローンを利用している場合、途中で完済になった後、再び借入を行うことがあります。

たとえば、次のようなケースです。

第1取引2003年3月5日契約・初回借入
2009年6月25日完済(途中完済)
【取引なし期間】
第2取引2010年1月10日借入
2012年9月25日完済(最終返済日)

この場合、最終返済日である2012年9月25日から10年を経過する2022年9月25日までは過払い金請求が可能です。

ただし、途中完済前の取引(第1取引)と途中完済後の取引(第2取引)を同一の取引と考えるか、別個の取引と考えるかで、取り戻せる過払い金額が変わってきます。

(1) 第1取引と第2取引を一連の取引と考える場合

2022年9月25日までは、2003年3月5日以降に発生したすべての過払い金の返還を請求できます。

(2) 第1取引と第2取引を別個の取引と考える場合

第1取引の過払い金は、途中完済日である2009年6月25日から10年を経過した2019年6月25日で時効消滅しています。第2取引で発生した過払い金については、2022年9月25日まで請求できます。

「取引の分断」があれば過払い金が少なくなることも

途中完済前の取引と途中完済後の取引が一連の取引か別個の取引かは、明確でないことが多くなっています。裁判になった場合には、取引の分断があったかどうかで判断されます。

たとえば、第2取引を行う際に新たに契約書を交わしていれば、取引の分断があったとされ、別個の取引とされる可能性が高くなります。第1取引も第2取引も1つの基本契約書にもとづき行われているようなケースでは、取引の分断はないとされる可能性があります。

取引の分断があり、先の取引の際の過払い金が時効になっていれば、戻ってくる過払い金額が少なくなってしまいます。

多くの過払い金を返してもらうには?

途中完済があっても、取引の分断と言えるかどうかは、簡単に判断できないことがあります。貸金業者側は返金額が少なくてすむよう、取引の分断を主張してくるケースが多いでしょう。

貸金業者に言われるままになってしまうと、戻ってくる過払い金が少なくなってしまいます。過払い金をできるだけ多く返してもらうには、弁護士や司法書士に相談して手続きするのがおすすめです。

過払い金の請求期限は延ばすことができる

過払い金の時効が迫っていて、過払い金請求の手続きが間に合わないこともあると思います。過払い金請求の期限を延ばす方法を知っておきましょう。

時効は様々な理由によって中断

「時効の中断」とは、進行していた時効の計算がリセットされ、ゼロに戻ることをいいます。民法では、時効は次の事由により中断するとされています(旧147条)。

①請求単なる請求ではなく、裁判上の請求(訴訟、支払督促など)を意味します。
②差押え、仮差押え又は仮処分債権者が債務者の財産に対して差押え、仮差押え又は仮処分の手続きを行うことを意味します。
③承認債務者が自らの債務を認めることを意味します。

過払い金についても、上記①~③のような事情があれば、時効が中断します。過払い金の時効が中断すれば、そこから10年を経過しないと時効にはなりません。

過払い金の時効が迫っているなら何をすべき?

過払い金の時効が迫っている場合には、裁判などの準備をしている時間もないと思います。この場合には、貸金業者宛に内容証明を送って期限を延長する方法があります。

内容証明の送付は裁判上の請求ではないので、時効中断事由の「①請求」には該当しません。しかし、民法上の「催告」に該当します。催告を行った後、6か月以内に裁判上の請求を行えば、時効を中断できる旨も民法に定められています(旧153条)。

内容証明は文書を送るだけなので、準備にそれほど時間もかかりません。まずは内容証明を送り、6か月以内に訴訟を起こすことを検討しましょう。

過払い金請求訴訟を起こすには?

貸金業者に内容証明を送った後、過払い金の時効を中断させるには、過払い金訴訟を起こす必要があります。訴訟をするには弁護士費用や印紙代などの費用がかかります。戻ってくる過払い金の金額が少なければ、費用倒れになってしまう可能性もあります。

訴訟をするよりも、弁護士や司法書士に交渉してもらった方が、手元に残るお金が多くなることもあります。時効が迫っている過払い金がある場合にも、自己判断で手続きを進めるのではなく、弁護士・司法書士に相談して対処方法を考えてもらうのがおすすめです。

まとめ

過払い金請求には10年という期限があります。カードローンでお金を借りたのが10年以上前でも、最後に返済した日から10年経っていなければ、過払い金が戻ってくる可能性があります。

過払い金請求で多くのお金を返してもらうには、専門家に依頼して対処してもらうのがおすすめです。時効が迫っている場合でも手続きをあきらめないよう、弁護士・司法書士に相談してみましょう。

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