銀行カードローンを債務整理するメリット・デメリットとは?解決事例とともに解説

銀行カードローンを債務整理するメリット・デメリットとは?解決事例とともに解説
この記事でわかること
  • 銀行カードローンも債務整理できる
  • 債務整理をすると銀行口座が凍結されることに注意が必要
  • 保証会社を巻き込む場合があることにも注意が必要
  • 債務整理をした銀行でローンを組むことはできなくなる

銀行カードローンは、消費者金融やクレジットカードのキャッシングよりも低金利で借りることができる上に、銀行が提供するサービスなので安心感もあります。総量規制も適用されないので、つい借りすぎて多額の債務を抱えてしまうこともあります。

借金問題は債務整理で解決できますが、銀行が相手では債務整理できないと思い込んでいる人が少なくないようです。

しかし、銀行カードローンも債務整理できます。ただ、消費者金融やクレジットカード会社の債務整理とは異なる注意点があることも事実です。

この記事では、銀行カードローンを債務整理するメリットとデメリットを分かりやすく解説します。解決事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

銀行カードローンも債務整理できる

銀行カードローンも債務整理の対象となります。まずは、債務整理や銀行カードローンについて基本的なことをおさらいしておきましょう。

債務整理とは

債務整理とは、支払いきれなくなった借金について、合法的な手段で減額、免除、返済期間の調整などを図り、解決する手続きのことです。具体的な手段として、以下の3つの手続きがあります。

  • 任意整理…債権者と直接交渉し、借金の減額や返済期間の延長を図る手続き
  • 個人再生…裁判所の決定により強制的に借金を大幅に減額する手続き
  • 自己破産…裁判所の決定により強制的に借金の返済義務をすべて免除してもらう手続き

多重債務を抱えたときは、状況に合った債務整理手続きを行うことで、借金問題を解決することができます。

銀行カードローンと消費者金融等からの借金の違い

銀行カードローンによる借入も、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング等と同じ「借金」です。無担保で限度額まで繰り返し借入ができることや、元金に金利を加えて返済していくことも共通しています。

しかし、両者は以下の点で異なります。

銀行カードローン消費者金融等からの借金
金利14.5%程度18%程度
利用限度額高額であることが多い低額であることが多い
過払い金発生しない発生することがある
保証会社必要不要
総量規制適用されない適用される

総量規制とは、年収の3分の1を超える貸付をしてはならないという規制のことです。銀行カードローンは法律上の総量規制の対象外なので、利用限度額が高めに設定されやすい傾向にあります。

もっとも、銀行による過剰融資が社会問題化したことから、多くの銀行が自主的に総量規制に準じた制限(年収の2分の1から3分の1まで)を設けています。それでも、自主規制の運用状況は不明であり、現在でも銀行カードローンは消費者金融等よりも借りやすい傾向にあるように感じられます。

銀行カードローンを任意整理するメリットは?

債務整理が必要となったとき、一般的にはまず任意整理を検討します。任意整理は債務整理の中でも最も手続きや費用の負担が軽く、柔軟な形で解決を図ることが可能だからです。

銀行カードローンで任意整理を選択するメリットは、以下のとおりです。

ほとんどの銀行が交渉に応じてくれる

任意整理は債権者と直接交渉する手続きですが、交渉に応じてくれるかどうかは債権者の意向次第です。

業者の種類を問わずほとんどの債権者が任意整理の交渉に応じますが、消費者金融やクレジットカード会社では経営状況の悪化などの影響により、和解条件が厳しくなりつつあります。そのため、状況によっては事実上、交渉に応じてもらえないこともあります。

それに対して、銀行は経営の基盤が安定しているため、交渉に応じてもらえないことはほとんどありません。

将来利息が免除される

任意整理では、基本的に将来利息をカットし、元金を3年~5年で分割返済していくことになります。

銀行カードローンは金利が低いため、任意整理をしても返済額が減らないと思われがちです。しかし、将来利息が免除されることで確実に返済額は減ります。

例えば、銀行3社から金利14.5%で合計200万円を借りているケースで任意整理をすると、返済額は82万円以上軽減されます。このメリットは大きいといえるでしょう。

一括返済を請求されている場合でも分割払いの交渉が可能

銀行カードローンでも消費者金融等でも、延滞が続くと一括返済を請求されてしまいます。しかし、裁判を経て差押え手続きを受ける前に任意整理を始めれば、交渉により分割払いを認めてもらうことが可能です。

「一括返済はできないけれど、分割払いに戻してもらえれば返済できる」という場合は、任意整理をするメリットがあるといえます。

銀行カードローンの任意整理の効果は?解決事例を紹介

実際に銀行カードローンを任意整理した場合、どれくらいの効果が得られるのかは気になるところでしょう。解決事例を挙げて、実際の効果をご紹介します。

【事案】

  • 借入先:銀行カードローン3社、消費者金融1社、クレジットカード会社1社
  • 借入総額:300万円
  • 返済回数:60回
  • 毎月の返済額:約7万2500円
【任意整理前の状況】
債権者残元金金利毎月の返済額
A銀行70万円14.5%16,469円
B銀行70万円14.5%16,469円
C銀行60万円14.5%14,116円
D消費者金融50万円18%12,696円
Eクレジット50万円18%12,696円
合計300万円72,446円
【任意整理の結果】
債権者残元金金利毎月の返済額
A銀行70万円0%11,666円
B銀行70万円0%11,666円
C銀行60万円0%10,000円
D消費者金融50万円0%8,333円
Eクレジット50万円0%8,333円
合計300万円49,998円

全体的に見て、毎月の返済額が約2万2500円減少しました。銀行3社だけで見ても、毎月の返済額が1万4000円近く減少しています。

銀行カードローンの金利は消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングよりは低いものの、14.5%という金利はやはり高いと考えて利用すべきでしょう。

なお、上記の解決事例はあくまでも一例ですので、個別のケースについては弁護士または司法書士に相談してみることをおすすめします。

任意整理をするときの一般的なデメリット

任意整理をすると、支払いを停止し、契約どおりに返済しないことになるため、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」に掲載された状態となり、一定期間は新たな借入やクレジットカードの利用などができなくなるというデメリットがあります。

このデメリットは、任意整理の相手が銀行であろうが、消費者金融、クレジットカード会社であろうが共通して生じるものです。

なお、個人再生および自己破産をした場合も事故情報が登録されますが、登録期間は以下のように異なります。

手続きの種類事故情報の登録期間
任意整理完済から5年
個人再生再生計画案の認可決定の確定から10年
自己破産免責許可決定の確定から10年

登録期間が経過すると事故情報が削除され、再び借入やクレジットカードの利用が可能となります。

任意整理が最も早く事故情報が削除される可能性があるので、最もデメリットが少ない債務整理手続きであるといえます。

銀行カードローンの任意整理に特有のデメリット

次に、銀行カードローンを任意整理する場合に注意すべき、消費者金融やクレジットカード会社の場合とは異なるデメリットについて解説します。

消費者金融の場合ほどには借金を減額できない

銀行カードローンの任意整理でも将来利息のカットにより返済額が減ります。しかし、消費者金融やクレジットカード会社の場合ほどには減額できません。

例えば、3社から合計200万円借りているとして、3社とも銀行の場合と3社とも消費者金融の場合とで、減らせる金額は以下のように異なります。

3社とも銀行3社とも消費者金融
残元金200万円200万円
約定の金利3社とも14.5%3社とも18%
任意整理による減額82万3363円104万7190円

20万円以上の差が出るので、家計の状況によっては、消費者金融・クレジットカード会社が相手なら任意整理できるけれど、銀行が相手では任意整理できないというケースもあるはずです。

銀行口座が凍結される

銀行カードローンを任意整理すると、その銀行で開設している預金口座が凍結されてしまいます。凍結後、銀行は口座内の預金を貸付金額の範囲内で相殺し、それでも貸付金が残っている場合は保証会社から代位弁済を受けます。

代位弁済が完了すると凍結は解除されますが、平均して1ヶ月~3ヶ月は口座が凍結された状態となります。その間は預金を引き出すことができず、引き落としも停止されるため、場合によっては生活に支障をきたすおそれもあります。

このような事態を避けるためには、任意整理前に預金を引き出しておき、給料の振り込みや公共料金の引き落としを設定している場合には別の銀行の口座に変更しておく必要があります。

保証会社も同時に整理しなければならないことがある

銀行カードローンを任意整理をすると保証会社が代位弁済を行うため、その保証会社が交渉の相手となります。

多くの場合、その銀行と同一系列の消費者金融やクレジットカード会社が保証会社となっています。それらの業者からも借入をしている場合は同時に任意整理をするという扱いになります。保証会社のクレジットカードを利用している場合は、そのカードも強制的に解約されてしまいます。

任意整理をする前に保証会社を調べ、その保証会社からの借入が同時に任意整理扱いとなっても問題ないかどうかを確認しておきましょう。

ブラック解消後もその銀行のローンは組めなくなる

信用情報機関から事故情報が削除された後も、任意整理をした債権者の社内には事故情報が残り続けるため、その債権者のローンは利用できなくなります。このことを「社内ブラック」といいます。

銀行カードローンを任意整理した場合には、その銀行の住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなども利用できなくなります。任意整理をする前に、将来の生活設計も検討しておく必要があるでしょう。

銀行カードローンを任意整理で解決できないときの対処法

任意整理で減額できるのは基本的に将来利息の部分だけなので、借金額や家計の状況によっては任意整理で解決できないこともあります。

そんなときは、以下の対処法を検討しましょう。

個人再生を申し立てる

個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金総額を大幅に減額できる手続きです。借金総額を原則5分の1、最大10分の1にまで減額することが可能ですので、安定収入があれば多くの場合は個人再生で解決可能です。

一定の要件を満たせば「住宅ローン特則」を利用することができ、マイホームを残しつつ他の借金のみを整理することも可能です。

自己破産を申し立てる

自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務をすべて免除してもらうことが可能な手続きです。無職で無収入の人も利用できます。

原則として財産を処分する必要がありますが、意外に多くの財産を「自由財産」として手元に残せますので、多くの場合は自己破産をしても特に生活に影響はありません。

自己破産に対してマイナスのイメージを持っている人も多いですが、最終手段として検討するとよいでしょう。

銀行カードローンの債務整理で弁護士・司法書士ができること

銀行カードローンを債務整理するためには、専門的な法律の知識が要求されます。そのため、弁護士または司法書士という法律の専門家に相談・依頼して手続きすることを強くおすすめします。

専門家に相談・依頼することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 最適な解決方法を提案してもらえる
  • 受任通知の送付により督促や取り立てをすぐに止めてもらえる
  • 任意整理の交渉を代行してもらえる
  • 個人再生や自己破産の複雑な手続きも任せることができる
  • 手続きに失敗する心配がほとんど不要

結果として、納得のいく形で借金問題を解決することが可能となるでしょう。

まとめ

銀行カードローンも債務整理の対象となりますし、メリットもあります。

ただし、任意整理では減額の効果が比較的小さいことや、銀行口座が凍結されること、保証会社との問題、将来的にも銀行のローンが組めなくなることなど、注意すべき点も少なくありません。

可能な限り納得のいく形で銀行カードローンを債務整理するためには、弁護士・司法書士の力を借りることがおすすめです。

専門家のサポートを受けて、銀行カードローンの債務整理を成功させましょう。

トップへ戻る
24時間365日・全国対応・無料相談債務整理に強い
弁護士・司法書士はこちら
タイトルとURLをコピーしました