個人再生の手続き完了までにかかる期間は?できるだけスムーズに手続きをすすめる方法も解説

個人再生の手続き完了までにかかる期間は?

監修 青木芳之
/弁護士法人オールイズワン浦和総合法律事務所 代表

早稲田大学法学部卒業後、平成18年に第二東京弁護士会に弁護士登録。
埼玉県内の法律事務所に勤務後、平成26年に浦和総合法律事務所を開設し、 平成29年、弁護士法人オールイズワン浦和総合法律事務所を設立する。
債務整理から交通事故、相続などの分野に強みを持ち、さらに総合的な法律サービスを提供。

早稲田大学法学部卒業後、平成18年に第二東京弁護士会に弁護士登録。 埼玉県内の法律事務所に勤務後、平成26年に浦和総合法律事務所を開設し、 平成29年、弁護士法人オールイズワン浦和総合法律事務所を設立する。 債務整理から交通事故、相続などの分野に強みを持ち、さらに総合的な法律サービスを提供。

この記事でわかること
  • 個人再生の手続き完了にかかる期間は全体で7ヶ月
  • 弁護士に依頼してから手続きを開始するまで1ヶ月かかる
  • 裁判所へ申立てをしてから手続き完了までは6ヶ月かかる
  • 手続きをスムーズに進めるためには弁護士に依頼すると良い

「個人再生」は、裁判所を通して借金を大幅に減らすことが可能な債務整理の一種ですが、手続きが完了するまである程度の期間を要します。

これから個人再生をお考えの方は、手続きの期間中に今後の生活プランの設計をたてることになりますから、期間と手続きの流れを理解しておくことが重要です。

この記事では、

・個人再生の完了までにかかる期間
・個人再生の流れ
・手続きをできるだけスムーズにすすめる方法

以上3点を解説します。

弁護士への依頼から裁判所への申立てまでに約1ヶ月

個人再生の申立てを弁護士に依頼してから、再生計画案が認可され手続きが終了するまでは、どの裁判所を通しても約6〜7ヶ月かかることが一般的です。

なお、東京地方裁判所(立川支部を含む)では、個人再生の申立てから再生計画認可決定まで、約25週間の標準スケジュールが用意されています。この記事ではこの標準スケジュールをもとに解説を進めていきます。

まずは、弁護士に依頼してから裁判所へ申立てを行うまでの1ヶ月を順を追って解説します。

個人再生の手続きを依頼する

個人再生の手続きには複雑な面が多いため、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。債務整理を専門に取り扱っている事務所であれば、即日相談にのってもらえる場合があります。また、スムーズに相談を行うためにも、事前に相談予約をとるようにしましょう。

なお、費用に心配がある方でも、現在では債務整理に関わる相談は無料の事務所が大変多くなっていますから、特別心配する必要はありません。

最初の相談では、貸金業者との取引期間や現在の残高、借入状況などを弁護士に相談し、個人再生が可能かどうかを判断することになります。

受任通知の送付・取引履歴の開示請求

相談の結果、弁護士に個人再生の手続きを依頼することになった場合、弁護士は「受任通知」を債権者へ送付します。受任通知は、委任契約締結の日に送付されます。

受任通知とは、「弁護士が債務者の代理人となり債務整理の手続きを行います」ということを債権者に知らせるための通知です。これにより、債権者は直接の取り立てを債務者に対して行うことができなくなります(貸金業法二十一条)。

第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
【参考】:貸金業法
また、同時にこれまでの借金の金額や内容などを知らせてもらうために、取引履歴の開示請求も行われます。

利息制限法による上限金利への引き直し計算が行われる

取引履歴の開示請求によって債権者から提出された取引履歴をもとに、法定金利に基づく引き直し計算が行われます。この手続により、現在抱えている借金の額が確定されます。

貸金業者から取引履歴の提出がされるまで約1ヶ月かかります。

また同時に、過払い金が発生している場合には貸金業者に対し過払い金の返還請求を行います。

必要書類の準備を行う

裁判所に提出する書類など、申立書類の準備には依頼者自身が行うものもあります。弁護士や事務員の方のサポート受けながら、必要書類の準備を行います。

不備がないように入念にチェックを重ねますから、引き直し計算と併せておおよそ1ヶ月程度かかります。

裁判所への申立てから手続き開始決定まで約1ヶ月

弁護士と準備を整えた後、裁判所へ手続きの申立てを行います。裁判所へ申立てを行い、手続きの開始決定がなされるまでは、約1ヶ月を要します。

順を追って解説します。

裁判所へ申立てを行う

必要書類が揃った後、弁護士が裁判所に個人再生の申立て書類を提出し、本格的に手続きが開始されます。

この際には、同時に裁判所により個人再生委員が選定されることになります。

個人再生委員との面接を行う

個人再生の申立ての後、債務者は個人再生委員との面接を行います。この面接は、弁護士同席のもと行われますから心配する必要はありません。

「個人再生委員」は、手続きが円滑に進むよう債務者と債権者に対してアドバイスを行う役割を担います。個人再生委員は選出されない場合がありますが、東京地裁では原則選出されます。

この面接では、借金の内訳や抱えることになった理由、これからの返済の見込みなどについて質問を交わします。

申立手続きの開始が決定される

裁判所に対する個人再生の申立て手続きから約1ヶ月の後、特に問題がなければ裁判所により「再生手続開始決定」がなされます。

開始決定から再生計画案の認可まで約5ヶ月

裁判所によって再生手続開始決定がなされると、次に「再生計画案」の作成と認可が必要になります。再生計画案とは,個人再生により減額された借金を、今後どのように返済していくかを記載した書面のことです。

再生手続開始から再生計画案の認可までの5ヶ月を順を追って解説します。

債権の届け出がなされる

再生手続開始決定の後、裁判所から「再生手続開始決定」が各貸金業者に送付されます。

各債権者は、申立時に作成した債権者名や借金の額が記載された書類を確認し、借金の額(債権額)に問題がないかを確認します。この確認には、おおよそ1ヶ月かかります。

再生計画書の提出と認可

ここまでの手続きに問題がなければ、弁護士は各債権者によって提出された債権届出書の内容に従い「再生計画案」を作成し、裁判所へ提出します。

再生計画案について各債権者から異議がなければ、再生計画案が認可されます。

ここまでの期間をまとめると、個人再生を裁判所へ申し立ててから借金の返済を開始するまで、約6ヶ月かかります。

支払いを開始する

再生計画認可決定が確定した翌月から、債務者は返済計画に従い返済を開始します。

債務者は、再生計画案にしたがって減額した借金を3年間かけて返済していくことになります。

個人再生の手続きをスムーズに進める方法とは

個人再生にかかる手続きはできるだけ早く終わらせたいものです。スムーズに手続きをすすめることで、借金に悩まされる生活から開放されます。

個人再生の手続をスムーズに進める方法を解説します。

申立手続きを確実に成功させる

申立手続きを確実に成功させることは、スムーズに返済へと移るために最も重要なポイントです。

例えば、申請書類の提出などに不備があればその都度担当の弁護士や裁判所とのやり取りが必要になりますから、それだけ余計な手間と時間がかかります。

申立書類の中には自分で作成が必要なものもあります。もし、申立手続きでわからないことがあれば、担当弁護士に惜しまず尋ねるようにしましょう。

履行テストを問題なくパスする

東京地方裁判所では、個人再生の手続き期間中に「履行テスト」が行われます。

履行テストとは、再生計画案の確定がなされる前に、債務者が本当に返済ができるかどうかを確認するためのテストになります。このテストでは、予納金の支払いや積み立てを行い、返済能力のチェックがなされます。

履行テスト中に問題があった場合は、手続きがそこで中断されることになります。もし、履行テスト中に問題が多くあり、個人再生後の返済が不可能と判断された場合には個人再生の手続そのものが失敗してしまうケースがあります。

手続きをスムーズに進めるためにも、履行テストには必ず問題なくパスするようにしましょう。

まとめ

個人再生の手続きには複雑なものが多く、債権者との交渉も必要になりますから弁護士や司法書士などの専門家に依頼するようにしましょう。

専門家に依頼することで、手続きをスムーズに進めることにより期間の短縮にも繋がります。

専門家のサポートを受けながら個人再生を成功させましょう。

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