払えない住宅ローン問題を解決できる自己破産とは

払えない住宅ローン問題を解決できる自己破産とは
この記事でわかること
  • 住宅ローンは自己破産で解決できる
  • マイホームは手放す必要がある
  • 今の生活を仕切り直したい人におすすめの債務整理の手続きである
  • 裁判所を介するため手続きが煩雑。弁護士や司法書士に依頼するのが得策である

支払い不能に陥った住宅ローンは、自己破産で解決することが可能です。自己破産を行うとマイホームは失うことになりますが、行き詰まった生活を仕切り直すことができます。

自己破産を行うためには、申請するための条件や煩雑な手続きがあることから、弁護士や司法書士に依頼することが得策です。

この記事では、

・自己破産の基本情報
・住宅ローンで自己破産する場合のメリットやデメリット
・住宅ローンを自己破産する場合のよくある疑問

以上3点をわかりやすく解説します。住宅ローンを自己破産で解決したいとお考えの方の参考になれば幸いです。

自己破産とは

「自己破産」とは、債務者(借主)に支払い能力がないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の返済義務を免除してもらう制度です。自己破産は任意整理や民事調停などの借金整理法と異なり、支払い義務を免除してもらうことで借金をゼロにすることができるという点が最大の特徴です。

そのため、自己破産は、債務者がこれまでの行き詰まった生活を仕切り直し、新たに再出発をしたい場合におすすめの債務整理の手段といえます。

ただし、自己破産は自分の財産を手放す代わりに、借金の支払い義務を免除してもらう制度です。マイホームや自動車などの高価な資産は失うことになります。そのため、申請をする場合には弁護士や司法書士と相談の上、慎重に検討するようにしてください。

質問自己破産とは
特徴借金を帳消しにできる。ただし資産は失う。
返済は一部租税を除きなくなります。
どこで裁判所を介して手続きをおこないます。
誰に相談すれば弁護士・司法書士に依頼するのが一般的です。
費用は20万〜40万円
期間は半年〜1年
仕事は影響なく仕事を続けることができます
バレない官報に載るが周囲にバレる心配はほぼありません。

自己破産をするための条件

自己破産の申立を行う場合には、債務者に「破産原因」が存在することが必要です。破産原因とは、債務者が支払い不能であるかどうか、という点です。

支払不能の状態とは、わかりやすく説明すると「誰がどうみても、債務者がこれから借金を弁済返済する見込みがない状態」を指します(※破産法2条11項)。

「どの程度の債務があったら自己破産が可能ですか?」という疑問を持たれる方も多いと思われますが、債務がそれほど多くない場合であったとしても、家や車などの資産がなく、今後の収入が見込めない状態であれば自己破産が認められる可能性があります。

逆にある程度のまとまった債務があったとしても、債務者の信用や労力次第で返済が可能と認められた場合には、自己破産が認められない可能性があるのです。

支払不能の状態かどうかは、債務者の負債の額や収入、資産の状況等から総合的に判断します。

なお、支払不能の状態であったとしても、借金の原因がギャンブルや浪費である場合は「免責不許可事由」があるとされ、免責が許可されないことがあります。

※破産法第2条11項
“この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。”

自己破産にかかる費用の相場

自己破産にかかる費用の相場は、おおよそ20万円から40万円程度が通常です。

費用の内訳は、

 

 

・着手金(弁護士に依頼する場合の手付金)

・実費(自己破産そのものにかかる費用)

・成功報酬(自己破産が成功した場合に弁護士に支払う報酬)

 

 

以上3つにより構成されています。ただし、弁護士事務所によって自己破産にかかる相場はさまざまです。また、弁護士事務所によっては、自己破産の費用が賄えない方に対して、分割での支払いを認めている場合もあります。そのため、依頼する場合には、弁護士と費用のことをよく話し合うことが必要です。

自己破産するメリット

自己破産は煩雑な手続きを伴いますが、その分債務者が得られるメリットも大きいのが特徴です。

ここでは、自己破産のメリットについてご説明します。

借金がゼロになる

自己破産が認められると、すべての債務の返済義務がなくなるため、住宅ローンを含めすべての借金がゼロになります。

自己破産は、本来であれば支払わなければならない借金を支払う義務がなくなるわけですから、この効果は、他の債務整理と比べてこれ以上なく強い効力を持ちます。

人生を1からやり直すことができる

債務整理を行うことで、すべての債務をゼロにすることが可能なわけですから、人生を1からやりなおすことができます。

通常、自己破産を考えられている債務者の方は、住宅ローンだけではなく他の債務に追われ、生活が行き詰まっていることが多いでしょう。そのため、自己破産にて債務をまとめて整理し、新たに自分の道を歩むきっかけとすることが可能です。

債権者からの取り立てが停止する

債務整理の手続きを開始する際に、弁護士が受任通知を送付することで、債権者である貸金業者や債権回収会社からの直接の取り立てを停止することができます。

さらに、破産手続きを開始すると、債権者による個別の取り立てが禁止されるため、すべての債権者からの取り立てが停止します。

昔のような恫喝や暴力的な取り立ては近年見られなくなりましたが、取り立ての連絡に追われることによる精神的な苦痛は計り知れないものです。自己破産をすると、そのような苦痛から開放され、落ち着いた生活を送ることができるというメリットがあります。

自己破産するデメリット

借金の返済義務をなくし、人生を一からやり直すことができるといったメリットが魅力な自己破産ですが、以下に挙げるようなデメリットも存在するため注意が必要です。

ここでは、個人再生のデメリットについて具体例を挙げてご説明します。

官報に載る

自己破産をしたことは、官報に掲載されて公告されます。官報とは、日本政府が一般国民に知らせる事項を編集し、毎日刊行する公告文書のことであり、インターネットでも閲覧することが可能です。

官報には氏名や住所が掲載され、この掲載を止めることはできません。ただし、官報を日常的に購読する人はほんの一部の人だけですから、周囲の人に知られてしまうリスクは、通常はあまり心配する必要はないでしょう。

ブラックリストに登録される

自己破産を含めて債務整理に共通するデメリットに、信用情報に事故情報として登録(いわゆるブラックリスト入り)されることがあげられます。

ブラックリストに登録されると、その期間は新たに借り入れをしたり、ローンを組んだりすることは非常に難しくなります。また、家を借りる場合にも、保証会社がクレジットカード系の保証会社である場合には、賃貸保証の審査に通りにくくなることがあります。

自己破産の場合には、通常破産開始の手続きから10年は登録されることになりますので覚えておいてください。

手続き期間中就けない仕事がある

自己破産を申請すると、いくつかの職業に就くことができないというデメリットがあります。この制限を受ける期間は、破産手続き開始から、復権を得るまでの間となっているため、自己破産をすると永久に資格が剥奪されるわけではありません。

ただし、現在それらの職業に従事している場合は、一時的に仕事ができなくなる可能性があるため注意が必要です。

以下は資格が制限される代表的な資格の一覧ですので、参照してください。

【自己破産の手続き中に就けない職業】
  • 弁護士、税理士、司法書士
  • 宅地建物取引士
  • 旅行業務取扱管理者
  • 金融商品取引業
  • 貸金業者、質屋
  • 警備員
  • 一般建設業、特定建設業
  • 特定非営利活動法人の役員

住宅ローンと自己破産のよくある疑問

住宅ローンを自己破産で解決する場合に、債務者が特に気になる疑問として、

  • 自己破産後のローンや持ち家の行方
  • 必要な財産は残せるのか
  • 住宅ローンは組めるようになるのか

などがあげられます。それぞれの疑問に以下で解説します。

自己破産をするとローンと持ち家はどうなるの?

自己破産の申立を行い、免責が認められれば、住宅ローンの返済義務もなくなります。ただし、自己破産をした場合、住宅ローンが残っているか完済しているかにかかわらず、持ち家を残すことはできません。

自己破産という債務整理の方法を選ぶことは、持ち家を手放す必要があるということは覚えておいてください。

必要な財産もすべて手放す必要があるの?

ドラマなどの影響から、自己破産をすると家の中の必要な家財などがすべて没収されてしまうイメージを持たれている方もいると思われますが、原則として必要な生活必需品の没収はされませんので安心してください。

手放さなくて良い財産には以下のようなものがありますので参考にしてください。

【自己破産をしても手放す必要のない財産】
  • 99万円以下の現金
  • 残高が20万円以下の預貯金
  • 見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金
  • 処分見込価額が20万円以下の自動車
  • 電話加入権
  • 家財道具
  • 居住用家屋の敷金債権

自己破産後に住宅ローンは組めるの?

自己破産をすると信用情報がブラックリストに載ってしまいます。そのため、最低でも5年から10年は住宅ローンを組むことは難しいと覚悟しておいたほうが良いでしょう。

ただし、制限がなされるのは自己破産した本人だけであるため、家族や配偶者が住宅ローンを組むことは問題がありません。住宅ローンを自己破産後に組み直したい場合には、家族や配偶者が保証人とし、慎重に検討するようにしてください。

自己破産したい場合はどこに相談すべきか

自己破産をすると決心された方、もしくは自己破産をしたいけれどなにから始めてよいのかわからないという方は、弁護士や司法書士に相談すると良いでしょう。特に債務整理に詳しい弁護士や司法書士であれば、自己破産を確実なものへと導いてくれます。

また、市町村役場が設置する無料相談センターや、各弁護士会が設置する法律相談センターでは、借金問題に関して無料で相談することも可能です。

まとめ

自己破産は、自分の財産を差し出す代わりに、借金をゼロにして新たに人生を仕切り直すことができる債務整理の手段です。ただし、自己破産の手続きの中には煩雑なものが多いため、法律の専門家である弁護士や司法書士に依頼すると良いでしょう。

専門家に相談することで、

・自己破産のアドバイスを受けられる
・自己破産以外の債務整理の提案
・必要な手続きの代行依頼

といったサポートを受けることができます。専門家の力を借りて、自己破産を成功させましょう。

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