遅延損害金とは?借入れ状況別の計算方法と対処法について解説

遅延損害金とは?借入れ状況別の計算方法と対処法について解説

監修 蒲谷 博昭
/弁護士法人ユナイテッドローヤーズ/シン・イストワール法律事務所 代表

弁護士法人ユナイテッドローヤーズ/シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

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この記事でわかること
  • 遅延損害金の基本概要
  • 遅延損害金を計算する方法
  • 遅延損害金を放っておくと発生するデメリット
  • 遅延損害金を返せない場合の対処法

この記事はこのような方にオススメです!
・遅延損害金のしくみとは何か?について理解したい方
・遅延損害金の計算方法について知りたい方
・「遅延損害金計算機」でご自身の損害金を計算したい方

債務を滞納することで発生する遅延損害金の負担は借金をしている多くの人が抱えている悩ましい問題です。

遅延損害金はあっという間に増えてしまうため、自分が今いくらの損害金を支払わなくてはならないのか分からなくなっている方もいます。

そこで、この記事では遅延損害金とはどのようなものか?利息との違いや計算方法、返済できない場合の対処法について解説します。

記事の後半では【遅延損害金計算機】をご紹介します。自分の遅延損害金がいくらなのかを計算することができますのでご活用ください。

まずは遅延損害金のしくみを含めた計算方法を確認していきましょう!

遅延損害金とは

まず、遅延損害金とはどのようなものなのかを知ることから始めましょう。

遅延損害金とは、債権者との間で合意した返済期日を過ぎた後も借金を滞納した場合に加算される損害賠償のことです。

いわば、返済が遅れたことに対する罰金のようなもの、だと理解してください。遅延損害金は、一般に「延滞利息」とか「遅延利息」といった名前で呼ばれることもあります。

遅延損害金に関する規定は、貸金契約を締結した時点で契約の内容に盛り込まれていることがほとんどです。

遅延損害金と利息の違いは何か

「遅延損害金」と「利息」は一見同じように見えますが、全く似て非なるものです。

遅延損害金は、借金を滞納したことに対するペナルティという意味合いを持ち、返済期日の翌日を起算点として加算されます。

一方で、利息は、資金を融資したことに対して債権者が受け取る利益という意味合いを持ち、借金をした日を起算点として加算されます。つまり、両者は債権者にとって異なる性格を持つものであると言えます。

遅延損害金と利息は同時に発生しない

遅延損害金と利息は同時に発生しないという特性があります。

仮に返済が遅れたからといっても、通常の借入利息と遅延損害金が、返済日まで同時に発生し続けることはありません。

あらためて2つの違いを確認しておきましょう。

【利息と遅延損害金の起算日の違い】

  • 1. 利息:借入から返済予定日まで
  • 2. 遅延損害金:返済予定日から返済日まで

遅延損害金と利息の違い

このように遅延損害金と利息の支払いは二重に発生しているわけではなく、返済予定日までの利息と、返済日以降の延滞日数に応じた遅延損害金が別々に発生しています。

計算する際は起算日に違いがあることにご注意ください。

ただし、債権者からは、この2つの合計金額を請求されることになるため、返済が遅れることで出る損失は、大きくなるということを覚えておきましょう。

遅延損害金の状況別の計算方法

遅延損害金は遅れている支払い額に対して発生するものですが、状況によって計算の仕方が少し異なります。

まずは基本的な計算方式をみてみましょう。

【遅延損害金 = ①返済予定額(②借入総額) × 遅延損害金利率 × 遅延日数 ÷ 365日(年換算)】

契約内容によって年率は異なりますが、上記の計算式に必要事項をあてはめることで、現在発生している遅延損害金額が割り出せます。

ここで気をつけておきたいのが、遅延損害金には2つの発生条件があるということです。

【遅延損害金の発生する事由】

  • 1. 「返済できていない予定額」に対して発生するケース
  • 2. 「借入総額」に対して発生するケース

分割払いの返済が遅れたことで発生する遅延損害金は、基本的に「返済予定額」に対するものになります。

しかし、一定の条件に該当するときは、借入額の総額に対して発生することもあるのです。

この2つの異なる状況での計算方法について、ここから詳しくお伝えしていきましょう。

①返済予定額に対して遅延損害金が発生するケース

まずは毎月の返済予定額に対して遅延損害金が発生するケースの計算方法になります。

一般的なローンでは、多くの場合に分割返済をおこないますが、毎月の支払いが遅れた状態での計算は次のようになります。

【返済予定額 × 遅延損害金利率 × 遅延日数 ÷ 365日(年換算) = 遅延損害金額】

返済が1ヶ月遅れた状態ならば、分割予定額を上記の計算式の借入額にあてはめるだけとなります。

わかりやすいモデルとして、以下の内容で具体的な金額を算出してみましょう。

【返済条件】

  • 返済契約:毎月5万円
  • 遅延損害金利率:20%
  • 遅延日数:30日間

『計算式:5万円 × 20% × 30日 ÷ 365 = 約821円』

以上のような内容になりますが、1円以下の端数については、多くの場合に切り捨てられます。

2ヶ月以上の滞納に対する遅延損害金の計算方法

2ヶ月以上にわたって延滞した場合は、少し厄介な計算となります。先程のモデルと返済の条件は変わりませんが、延滞日数を60日間にすると、次のような計算に変わります。

【返済条件】

  • 返済契約:毎月5万円
  • 遅延損害金利率:20%
  • 遅延日数:60日間

『計算式:(5万円 × 20% × 30日 ÷ 365) + (10万円 × 20% × 30日 ÷ 365) = 2,464円』

未払いのまま支払い日を2回経過してしまうと、上記のように、返済予定額は「2ヶ月分の計10万円」となります。

遅延損害金は未払いの予定額に対して発生するため、1ヶ月目の821円とは別に、10万円に対して1,643円が必要になるのです。

分割返済が遅れたときは、単純に単月の返済予定額に対してのみ発生するわけではないことも、あらかじめ知っておきましょう。

②借入総額に対して遅延損害金が発生するケース

借入金の総額に対して遅延損害金が発生するケースとは、主に一括での返済が前提のときの計算方法です。

一括返済の契約で支払いが遅れたときは、元金に対して遅延損害金が発生するため、以下のような計算式になります。

【元金 × 遅延損害金利率 × 遅延日数 ÷ 365日(年換算) = 遅延損害金額】

それでは、借入総額に対する計算方法について、具体的な返済モデルをみていきましょう。

【返済条件】

  • 元金:50万円
  • 遅延損害金利率:20%
  • 遅延日数:30日間

『計算式:50万円 × 20% × 30日 ÷ 365 = 8,219円』

元金に対して発生する場合は、遅延損害金そのものも高額になります。

住宅ローンに関する遅延損害金

遅延損害金の計算でとくに気をつけたいのは、住宅ローンや車など元金が高額な借入の場合です。

住宅ローンは原則として分割返済ですので、1ヶ月遅れた程度では元金に対して遅延損害金が発生することはありません。

しかし、遅れが続いてしまうと、期限の利益を喪失してしまうことで、元金の一括返済を迫られる可能性もあるのです。

そのような状況になったときには、住宅ローンの元金に対して発生することになります。

住宅ローンの年率設定は、一般的に14〜14.6%となりますが、具体的にどのくらいの金額になるのかモデルでみてみましょう。

【返済条件】

  • 住宅ローン残高:2,000万円
  • 年率:14%
  • 延滞日数:30日間

『計算式:2,000万円 × 14% × 30日 ÷ 365 = 230,136円』

住宅ローンの一括返済が対象となると、上記のように1ヶ月遅れてしまうだけでも、かなりの遅延損害金が発生してしまいます。

こうなってしまうと個人の手には負えなくなるため、早めに弁護士・司法書士へ相談するようにしてください。

遅延損害金の計算における上限利率の法的根拠とは

遅延損害金の利率の上限を定めているのは、利息制限法という法律になります。

利息制限法のなかでは、遅延損害金に関して次のように取り決められているのです。

第4条1項(賠償額の予定の制限)
金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第1条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

【引用元】:利息制限法

この条文では、利息制限法の規定する率の1.46倍までは、遅延損害金の利率として認められることになっています。

単純にあてはめて計算したときには、遅延損害金の上限利率は以下のようになってしまいます。

借入額利息制限法の利率遅延損害金(1.46倍)
10万円以内20%29.2%
10万円超100万円以内18%26.28%
100万円超15%21.98%

しかし、上記の条項では「消費貸借上」と限定されているため、金融業については言及されていません。

では消費者金融や銀行ローンに関してはどうなるのかというと、以下の条文が適用されることで上限が20%となるのです。

第7条1項(賠償額の予定の特則)
第4条第1項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

【引用元】:利息制限法

つまり、貸金業における遅延損害金の上限利率は、元金の大きさに関わらず、最大で年2割(20%)までと決まっているのです。

もし、年率で20%を超える条件で記載されていて、仮に借主が契約書で合意していたとしても、法的には支払う必要はありません。

誤って支払っていたときには、元金の返済分としてみなされ、引き直し計算の対象となります。

【遅延損害金計算計算機】で遅延損害金の額を計算する

「遅延損害金計算計算機」で、あなたが支払った遅延損害金の額を計算してみましょう。

{{item.kijitu}}

{{item.hensaibi}}
(返済していない場合は未入力)


{{item.hensaigaku}}万円
{{item.riritu}}
(年利を定めていない場合は未入力)
%
貸し手
遅延損害金:{{entaikin | comma}}円
※ 結果は目安です。計算方法次第で上記と異なる金額になります。

【使い方】

  1. 空欄に必要な年月日・金額・年利などの情報を半角で入力してください。
  2. 分割払いの場合は「追加」ボタンを押して、追加情報を入力してください。
  3. 貸し手の「貸金業者」と「個人」のうち当てはまる方を1つ選択してください。
  4. 「計算する」をクリックしてください。

遅延損害金計算機の計算式

当計算機では、遅延損害金を以下のように計算しています。

遅延損害金 = 遅延日数 × 返済金額 × 年利 ÷ 年間日数

特約を定めていない場合の法定利率は以下の割合です。

遅延発生日貸し手法定年利
2020/03/31以前個人5%
業者6%
2020/04/01以降個人・業者3%

借金の滞納を続けるとどうなるのか

期日を過ぎても借金の返済を滞納し続けると、遅延損害金が加算されること以外にもデメリットが生じます。

ブラックリストに載る

借金を滞納すると、それが「事故情報」として信用情報機関に登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」ということです。

金融会社やクレジットカード会社は、顧客と信用取引をする際、相手に返済能力があるかどうかを確認するために信用情報機関を参照します。

ですから、ブラックリストに載っていると会社の審査に通らなくなり、取引はできなくなります。例えば、次のようなことが難しくなります。

  • クレジットカードの発行
  • 貸金業者からの新たな借り入れ
  • カードローンの発行
  • 各種ローンを組むこと

明確な基準はありませんが、借金の滞納がおよそ2〜3ヶ月間続いてしまうとブラックになることが多いと言われています。

激しい督促が来る

借金を滞納すると、滞納先の金融機関や貸金業者から督促状が届きます。

督促がひっきりなしに来ると、借金のことを意識せざるを得ず精神的に圧迫されます。また、借金をしていることを同居の家族に隠している場合、督促状が届くことによってそのことがバレてしまうこともよくあります。

遅延損害金を払えない場合の対処法

遅延損害金は高額になりやすいので、借金を滞納しており経済的に余裕がない人にとってみれば追い討ちとなり、支払えないことも多いです。そのような場合の対処法を紹介します。

債務整理をする

遅延損害金が重なって借金が支払えないほどに多額になってしまった場合、「債務整理」をすることが効果的です。

債務整理に着手すれば、借金額を減額したり、0にしたりすることができ、返済の負担が大きく軽減されます。債務整理には、大きく3つの種類があります。

1.任意整理

債権者と交渉することで借金の利息などをカットし、残額を分割返済する債務整理です。裁判所を介さず、強制力が働かないため、上手くいくかは交渉次第ですが、比較的簡単に手続きを行うことができ、家族にバレずに行うこともできます。

2.個人再生

裁判所の手続きを通すことで借金を減額し、残額を返済計画に従って3〜5年で返済する債務整理です。手続きが煩雑であり、着手が許可されるには一定の条件もありますが、借金額を大幅に減額することができます。

3.自己破産

裁判所の宣告によって借金を帳消しにする債務整理です。必要最低限度の生活必需品と現金以外は没収されてしまい、破産後は職業制限も課されますが、借金がいくらあっても0にできるという点で実効性は圧倒的に高いです。

いずれの方法にもメリット・デメリットがあるので、専門家と相談して、現在の自分の借金状況に見合ったものを選ぶことが重要です。

債権者と和解する

借金返済の目処がつかず厳しそうだと感じたら、債権者と話し合って、遅延損害金をカットしたり分割払いにしたりと、新たな和解をするという方法があります。

一見このような和解を成立させることは難しそうですが、債権者としても、債務整理などによって融資金が回収できなくなっては困るので、和解を持ちかけるとそれに応じてくれることも案外多いです。

まとめ

遅延損害金は契約の内容とされていないこともあり、借金をするに際してあまり意識していない方も多いです。しかし、利率が非常に高く短期間で金額が増えてしまうため、気づいた時にはどうしようもない状態になってしまうケースも見られます。

しかし、そのような多重債務問題を解決する方法はあります。債権者と交渉をしたり、法的手段を用いたりすることで、借金から解放されて新たな生活をスタートさせることはできますし、実際にそれに成功した方も多いです。

そして、そのためには、弁護士や司法書士といった借金問題に強い専門家の力を借りて、自分に最適なルートを選択することが重要です。まずは専門家に相談してみることから始めてみましょう。

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