自己破産は2回目でもできる?必要な3つの要件と基準・注意点について詳しく解説

自己破産は2回目でもできる?必要な3つの要件と基準・注意点について詳しく解説

過去に自己破産をした方の中には、再び借金を抱えてしまい2回目ができないか?とお悩みの方がいます。

その結論を申しますと、過去に自己破産をしたことがある人でも、再び手続きをおこなうことは可能です。しかし、2回目の自己破産をする場合、どんな条件や注意点があるのか不安になることでしょう。

そこで今回は、2回目の自己破産を検討している方に向けて、費用の違いや基準・注意すべきポイントについてご説明していきます。

もし免責が許可されなかったときの対処法についても、詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってください。

自己破産は2回目でもできる?最低限必要な3つの要件

破産法という法律には自己破産ができる回数について制限は記されておらず、法的には2回目はもちろんのこと、3・4回目も不可能ではありません。

とはいえ、条件はかなり厳しいものとなることは確かで、以下の3つの要件は最低限の要件として満たしている必要があります。

3つの要件

  • 前回の自己破産より7年以上経過している
  • 1回目の自己破産とは理由が異なる
  • 理由が免責不許可事由に該当しない

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

前回の自己破産より7年以上経過している

2回目の自己破産の手続きは、前回の免責決定から7年以上経過していなければなりません。

先述したように、自己破産の回数に制限はありませんが、手続きできる期間には決まりがあります。

短期間に何度でも自己破産を認めてしまうと、債権者にとっても不利な状況になり、悪用される恐れもあるためです。

7年という期間については、自己破産の手続で「免責許可できない条件」を示した下記の条文が理由になります。

次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日

【引用元】破産法第252条(免責許可の決定の要件等)

2回目の自己破産の手続きをおこなうときは、前回の免責許可から「7年以上経過していること」が最初の条件です。

1回目の自己破産とは理由が異なる

2回目の自己破産でもスムーズな免責許可を期待するには、手続きに至った理由が1回目と異なることが重要です。

1回目に免責許可を受けた理由と、2回目に自己破産に至った経緯がおなじときには、免責許可が受けられる可能性はかなり低くなります。

後述の免責不許可事由に該当する内容はとくにですが、理由がおなじだと「過去の自己破産での反省が無い」と判断されるからです。

同じ理由で繰り返し債務免除を希望していては、ただ債務逃れをしているだけとも捉えられます。

自己破産の手続きは、あくまでも国が用意した正当な借金問題への救済措置であることを、よく理解してから利用しましょう。

理由が免責不許可事由に該当しない

2回目の自己破産では、1回目以上に「破産法第252条(免責許可の決定の要件等)」に示される「免責不許可事由」に該当してはいけません。

【免責不許可事由の例】

  • 1. 虚偽・偽装による報告や説明
  • 2. 浪費・ギャンブルによる散財
  • 3. 株・FX・仮想通貨投資の失敗
  • 4. クレジットカードの現金化
  • 5. 特定の業者への偏った返済
  • 6. 返済の見込みのない新規借入 など

たとえ1回目と2回目の自己破産の理由が異なっていたとしても、内容が免責不許可事由に該当する場合はかなり厳しくなります。

免責不許可事由があっても免責許可が受けられるのは、裁判所で判断される「裁量免責」だけが唯一の方法です。

機械的や規則によるものではなく、裁判官や管財人の意見によって判断されるものですので、おなじ理由では心証的に良くありません。

このため、原因が免責不許可事由であるならば、2回目の免責許可は絶望的な状況となるでしょう。

2回目の自己破産における免責許可の判断基準とは

2回目の自己破産ではどのような点を基準にし、免責許可の判断をされるのかということは、やはり気になるところでしょう。

2回目の自己破産の手続きでは、次の2点が重視される傾向があります。

  • やむを得ない理由であること
  • 深く反省していること

それぞれの内容を詳しく説明します。

やむを得ない理由であること

自己破産の理由が「やむを得ない」と思える内容ならば、2回目でも免責許可を受けられる可能性は高いといえます。

「本人の責に帰すべき状況にない特別な事情」の例として、以下のようなケースは誰にでもあり得ることではないでしょうか。

【やむを得ない理由の例】

  • 業績悪化や転職による減収の影響
  • 両親の介護が必要になり定職に就けない
  • 失業してしまい収入が無くなった
  • 病気・事故・災害の影響
  • 離婚で慰謝料や養育費が発生した
  • 家族の借金が原因で生活難に陥った

免責不許可事由に該当しないことはもちろんですが、前回の自己破産後に生活環境が大きく変わり、予期せぬ状況に陥ってしまうこともあります。

それによって発生した状況により、自己破産に至ることも少なくありません。

そうした「やむを得ない理由」であるときには、裁判所も前回とは別のものとして判断し、免責許可される可能性は大いにあります。

深く反省していること

2回目の自己破産では、前回よりも反省の状況は重視されます。

自己破産の手続きでは多くの関係者に迷惑をかけることになり、裁判所としても債権者の感情を無視するわけにはいきません。

裁判所や管財人との審尋による面談や反省文については、前回の自己破産のとき以上に内容に気を配る必要があります。

【反省を示すポイント】

  • 自己破産に至った経緯への反省
  • 現状の申し訳ない気持ちでの謝罪
  • 今後の生活についての考え方

2回目の自己破産では、前回をふまえた内容をもとにして、裁判官との面談では反省の意思や姿勢を書面や態度でも伝えましょう。

2回目の自己破産で注意すべき3つのポイント

2回目の自己破産で注意すべきポイントをまとめてみました。

【注意すべきポイント】

  • 1. 管財事件になりやすい
  • 2. 費用や手間がかかる
  • 3. 裁量免責は期待できない

また、ほかにも官報に載ることや特定の職業で資格制限があることなど、1回目の自己破産と基本的なデメリットは変わりません。

ここからは、とくに2回目の自己破産で注意すべきポイントについて、それぞれの内容をみていきましょう。

①管財事件になりやすい

自己破産の手続きには大きく3つの方法がありますが、2回目は主に管財人が付く管財事件として扱われることがほとんどです。

本来は、処分できる財産(破産財団)があり、換金後に債権者へ弁済の一部として分配するときに用いられるのが管財事件です。

その資産の内容・価値の調査をおこなうのが管財人ですが、役割には「申立人が破産に至った経緯の調査」というのもあります。

1回目では同時廃止で済んだ状況でも、2回目の自己破産の手続き進行には、管財人による状況調査が必要になるのです。

自己破産の手続きの違いについては、下記の表をご覧ください。

自己破産手続き概要主な対象
同時廃止破産手続き開始と同時に破産決定される手続き
  • 処分対象となる財産がない
  • 免責不許可事由に該当しない
管財事件裁判所が選任する管財人により、財産の処分や破産までの過程調査がおこなわれ、最終的な免責許可は裁判所と管財人の意見で判断される
  • 財産を所有している
  • 免責不許可事由に該当している
  • 経緯について調査の必要がある
少額管財管財人の役割を、依頼した代理人が部分的におこなうことで、管財人選任費用を抑えるやり方
  • 少額管財事件対応の裁判所での手続き
  • 管財事件対象で代理人がいる

②費用や手間がかかる

2回目の自己破産では、前回よりも費用や手間がかかるようになります。

理由としては、先述したように費用や手間の面で有利な同時廃止事件が選ばれにくく、管財事件として扱われることが多いためです。

管財事件になるということは、裁判所にかかる費用に管財人選任費用が発生することや、調査や審尋の手間も増えることになります。

財産の有無に関わらず、裁判所が必要と判断すれば管財人がつくため、申立人が自己破産の手続き方法を選ぶことはできません。

③裁量免責には期待できない

2回目の自己破産の原因が免責不許可事由に該当するときは、裁量免責にあまり期待できません。

裁判所としても、たとえ原因が1回目とは異なる内容であったとしても、免責不許可事由を連続して認めにくいというのはあるでしょう。

1回目と違うから大丈夫というのは考えにくいため、裁量免責に頼るしかない場合は、別な手段も視野に入れるべきかもしれません。

自己破産2回目だと費用はどのくらいかかる?

2回目の自己破産にかかる費用の目安は、おおよそ50万円程度からとなり、状況によっては100万円を超える可能性もあります。

これは2回目の自己破産は管財事件になることが多いためですが、前回が同時廃止だった人は費用の違いに驚くのではないでしょうか。

ここでは「2回目の自己破産にかかる手続き費用の違い」について詳しくお伝えします。

自己破産の手続き費用の違い

自己破産の費用の違いについてまとめてみました。

少額管財の場合は、裁判所費用が多少安くなりますが、おおむね下記のイメージが費用の目安となります。

手続き方法同時廃止管財事件
裁判所費用2〜3万円程度20〜50万円程度
弁護士・司法書士報酬30〜50万円程度30〜70万円程度
合計目安額30〜60万円程度50〜100万円超

管財事件の費用が高いのは、裁判所で管財人選任費用が発生するためです。

これにより、裁判所にかかる費用が大幅に上がるだけでなく、対応する弁護士・司法書士も手間が増えることで報酬に違いが出てきます。

2回目の自己破産にかかる費用は50万円〜100万円超と、1回目よりも費用が高額になりやすいというのは覚えておきましょう。

2回目でも法テラスの利用はできる?

過去に自己破産で法テラスを利用したことがある人も、2回目の相談や民事法律扶助制度が利用できます。

法テラス利用や民事法律扶助制度には、回数による制限はありません。あくまでも利用対象条件を満たしているかどうかだけが判断基準となります。

前回の自己破産で利用した人でも、経済的に費用捻出が難しいときは、法テラスの活用も検討してみてください。

2回目の自己破産が失敗したときの対処法

1回目よりも失敗するリスクが高い2回目の自己破産では、もしものときの対処法も知っておかねばなりません。

2回目の自己破産がうまくいかなかったときには、次の方法ですぐに対応できるようにしておきましょう。

【対処法】

  • 1. 即時抗告
  • 2. ほかの債務整理をおこなう

それぞれの内容についてご説明していきます。

即時抗告

免責不許可の決定を知ってから1週間以内であれば、高等裁判所に対してあらためて自己破産手続きの申し立てをおこなうことができます。

破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

【引用元】破産法第33条(抗告)

受け取った決定書にある免責不許可の理由に対し、対抗できると思われるときは即時抗告すべきでしょう。

ただし、即時抗告しても必ず認められるとは限りません。

依頼した弁護士・司法書士と、かかる費用も含めてよく相談して決めましょう。

ほかの債務整理をおこなう

免責の不許可理由が覆せないものであっても、ほかの債務整理によって借金の問題は解決できます。

個別に和解交渉する任意整理や、借金の大幅な減額に期待できる民事再生によって、無理のない返済ができないか考えてみましょう。

債務整理方法概要特徴
任意整理裁判所を介さずに、個別で貸金業者と和解交渉するやり方。元金は減らないものの、分割期間の延長・利息や遅延損害金の免除には期待できる。
民事再生裁判所に提出する再生計画に基づいて、減額された債務を3〜5年で分割返済する手続き。債務額が5分の1〜10分の1まで減額され、分割返済後には差額の返済義務がなくなる。

それぞれかかる費用やデメリットにも違いがあるため、依頼した弁護士・司法書士とよく相談して決めてください。

まとめ

自己破産は回数の制限がなく、期間さえあければ2回目でも可能ですが、対象となる条件やかかる費用はかなり厳しいものになります。

最後に、今回の内容を振り返ってみましょう。

  • 前回から7年以上経過していることが条件
  • 過去の自己破産と2回目の原因がおなじだと厳しい
  • 免責不許可事由に該当するときは難しい
  • やむを得ない理由や反省の状況は判断基準となる
  • 2回目はほとんど管財事件となり費用と手間がかかる
  • 手続きに失敗ししてもほかの債務整理で解決できる

2回目の自己破産は、ほとんどが管財事件となることで、費用面での負担も大きくなります。弁護士・司法書士とよく相談しながら、適切な方法で手続きを進めましょう。

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