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債務整理中でも借入れ可能!でも借入れしてはいけない理由とお金が必要なときの解決策

債務整理中でも借入れ可能!でも借入れしてはいけない理由とお金が必要なときの解決策
この記事でわかること
  • 債務整理中の借入れは不可能ではないが、やってはいけない
  • 債務整理中に借入れをすると債務整理が失敗しやすくなる
  • 債務整理中にお金が必要なときは借金以外の方法で解決すべき

債務整理中は基本的に借入れが難しくなりますが、生活費が不足したり、突発的な出費などでお金が必要になることもあるでしょう。そんなとき、借入れをする方法がないわけではありません。

しかし、返済できなくなった借金を整理するために債務整理を開始した以上、新たに借入れをして借金を増やすことは控えるべきです。

どうしてもお金が必要な場合には家族を頼ったり、公的支援を活用しましょう。

この記事では、債務整理中の借入れは可能ではあるものの、借入れをしてはいけない理由と、お金が必要なときの解決策をわかりやすく解説します。

債務整理中に借金をすることは望ましくない

そもそも債務整理とは、返済しきれなくなった借金を合法的な手段で減額または免除してもらい、債務の消滅を図る制度のことです。

具体的には、借金の減額が可能な手続きとして「任意整理」と「個人再生」があり、借金の全額免除が可能な手続きとして「自己破産」があります。

いずれの手続きを選ぶ場合でも、まずは現在抱えている借金総額を確定しなければ、適切に手続きを進めることは難しくなります。

そのため、債務整理の開始後に借入れをして借金を増やすことは、そもそも望ましいことではありません。

債務整理中に借入れできる?

債務整理を開始すると、基本的には借入れができなくなるものの、一切の借入れができないというわけではありません。

ブラックリストの影響で通常は借入不可

債務整理をするということは、契約どおりには借金を返済しないことを意味します。そのため、債務整理を開始した時点で信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。このことを俗にブラックリストと呼びます。

通常、金融機関や貸金業者は、借入れの申し込みを受けると信用情報機関に照会し、申込者の信用情報を確認します。このとき、事故情報が登録されていると返済能力に問題があると判断されるため、審査を通過することができません。

つまり、債務整理中は「ブラックリスト」に掲載された状態となるので、一般的な金融機関や貸金業者から借り入れることはできなくなります。

法的には借入れ可能

ただ、債務整理中の人にお金を貸してはいけないという法律の決まりがあるわけではありません。

そのため、一部の貸金業者はブラックリストに掲載されている人に対してもお金を貸すことがあります。

また、金融機関や貸金業者以外の人や組織から借入れをすることも可能です。

債務整理中も利用可能だが、やってはいけない借入方法

債務整理中に借入れをする手段はいくつかありますが、以下の方法はいずれもデメリットが極めて大きいので、決して利用してはいけません。

  • 中小の消費者金融から借りる
  • 闇金などの違法業者から借りる
  • SNSなどでの個人間融資を利用する
  • 名義借り(名義貸し)で借りてもらう
  • 債務整理の対象外としたクレジットカードで借りる

中小の消費者金融から借りる

中小規模の消費者金融の中には独自の審査方法で融資を行っていて、ブラックリストに掲載されている人にもお金を貸すところがあります。

しかし、中小の消費者金融からの借入れは大手の場合よりも金利が高いことが多く、返済を滞納したときの取り立ても厳しいのが通常です。

大手と中小の金利比較表
業者名 金利(実質年率)
大手 アコム 3.000~18.000%
プロミス 4.500~17.800%
SMBC 1.500~14.500%
レイク 4.500~18.000%
アイフル 3.000~18.000%
中小 セントラル 4.800~18.000%
フタバ 14.959%~19.945%
フクホー 7.300~20.000%
アロー 15.000~19.940%
いつも 4.800~20.000%

調査日:2023/05/19

債務整理を開始して返済を停止しているにもかかわらずお金が足りないという場合、高金利の借入れをして返済することは難しいでしょう。

返済できなければ借金問題が悪化してしまうので、中小の消費者金融を利用すべきではありません。

闇金などの違法業者から借りる

闇金業者は、むしろブラックリストに掲載されている人を狙ってお金を貸してきます。

しかし、闇金業者から借入れをすると法外な利息を要求され、支払えなければ厳しい取り立てや悪質な嫌がらせを受けてしまいます。

借金が莫大に膨れ上がるだけでなく、人間関係も破壊されてしまうので、決して闇金に手を出してはいけません。

また、以下のような業者も実態は闇金業者であり、利用すると深刻な被害を受ける可能性が高いので要注意です。

  • 給料ファクタリング業者
  • 後払い、ツケ払い現金化業者
  • クレジットカードの現金化業者

SNSの個人間融資を利用する

SNSなどで業者ではなく、個人的な融資を持ちかけてくる人もいますが、これも実態は闇金業者であることがほとんどです。

女性の債務者に対しては融資と引き換えに、あるいは返済できなかったときのペナルティーとして、肉体関係を迫る「ひととき融資」を持ちかけられることもあります。

個人間融資でも深刻な被害を受ける可能性が極めて高いので、決して利用しないようにしましょう。

名義借り(名義貸し)で借りてもらう

本人の名義で借入れができない場合に、親族や友人の名義を借りて融資を受ける人もいます。

この行為のことを「名義借り(名義貸し)」といいますが、これは違法行為です。名義を偽って金融機関や貸金業者からお金を受け取るのですから、最悪の場合は詐欺罪として罪に問われます。

警察沙汰にならなかったとしても、名義を貸してくれた人と返済を巡ってトラブルになる可能性が非常に高いので、名義借りはやめておきましょう。

債務整理の対象外としたクレジットカードで借りる

任意整理を選んだ場合、手続きの対象外としたクレジットカードは当面の間は利用できます。

1回払いでショッピングや各種料金の支払いに利用する分には、さほどの問題はありません。しかし、キャッシングや分割払い、リボ払いでのショッピングの利用は借金問題の悪化につながる可能性が極めて高いので、控えておきましょう。

なお、クレジットカード会社は定期的に途上与信審査を行っているので、債務整理の開始から長くても6か月内には全てのカードが強制解約となり、利用できなくなります。

債務整理中に借入れをしてはいけない理由

上記の他にも親族や友人・知人などから借りるという方法も考えられますが、そもそも債務整理中は以下の理由で借入れをすべきではありません。

  • 債務整理手続きに支障をきたす
  • 任意整理後の返済が苦しくなる
  • 依頼した弁護士・司法書士が辞任する可能性がある

債務整理手続きに支障をきたす

自己破産中の借入れは「返せないと知りつつ借金をした」ことになるので、免責を受けられなくなります。自己破産をしても免責が受けられなければ、借金はそのまま残ってしまいます。

個人再生を選んだ場合も、手続き中に借入れをすると返済額が増える可能性があるだけでなく、裁判所から「再生の見込みがない」「誠実な申立てではない」とみなされ、手続きが途中で打ち切られる可能性が高くなります。

任意整理の場合は比較的問題は少ないですが、場合によっては債権者から誠実に返済する意思がないと判断され、和解を拒否されるおそれもあります。

任意整理後の返済が苦しくなる

任意整理で和解が成立した場合でも、手続き中に新たな借入れをしていると、その後の返済が苦しくなります。

例えば、任意整理によって毎月の返済額を5万円から3万円に減額できたとしましょう。しかし、新たな借入れの返済分が月1万5,000円加わると、結果として任意整理による減額効果が月5,000円しかなかったのと同じことになります。

これでは、任意整理後の返済に支障をきたすおそれが高くなるでしょう。

依頼した弁護士・司法書士が辞任する可能性がある

通常、弁護士や司法書士に債務整理を依頼する際には、「もう借入れをしない」ことを約束するはずです。約束を破ったのでは、弁護士・司法書士との信頼関係を維持することは難しくなります。

また、手続き中に借入れをすると債務整理に失敗する可能性があるのですから、依頼を受けた弁護士・司法書士は専門家としての責任を果たすことができません。

こういった理由で、依頼した弁護士・司法書士が辞任する可能性があります。

その後は、債権者から再び取り立てや督促を受けるようになり、それに自分で対応しなければなりません。

債務整理をやり直すためには別の弁護士・司法書士を探す必要があり、依頼費用も別途必要となります。

債務整理中にお金が必要なときの解決策

債務整理中に生活費が不足したり、急な出費が生じたりしてお金が必要になったときは、借入れをするのではなく以下の対処法をおすすめします。

  • 親族等に援助を依頼する
  • 債務整理を依頼した弁護士・司法書士に相談する
  • 財産を売却する(自己破産の場合は不可)
  • 公的な支援制度を活用する
  • 生活保護の受給も視野に入れる

親族等に援助を依頼する

親族や友人・知人などで頼れる人がいる場合は、一時的に援助してもらうことが一番の対処法です。

このとき、返済が必要な「借入れ」の形をとると債務整理手続きに支障をきたすおそれがあるので、返済不要な「援助」の形をとる必要があります。

どうしても返済したい場合は、債務整理手続きが全て終了してからにしましょう。自己破産や個人再生をした場合でも、裁判所での手続きが終了した後であれば返済しても法的な問題はありません。

債務整理を依頼した弁護士・司法書士に相談する

弁護士や司法書士への依頼費用を分割払いにしている場合は、その弁護士・司法書士に相談してみることです。多くの弁護士・司法書士は債務整理を成功させるために、可能な限り柔軟に対処してくれるはずです。

分割払いの月額を減らしてもらえたり、数ヶ月であれば支払いを待ってもらえたりすることが期待できます。

無断で費用の支払いをストップすると信頼関係が破壊され辞任される可能性が高いので、支払いが厳しいときは必ず相談するようにしてください。

財産を売却する(自己破産の場合は不可)

換金可能な財産がある場合には、処分してお金を作るのも一つの方法です。任意整理の場合は、手続き中に財産を処分しても何ら問題はありません。

個人再生の場合も財産の処分は可能ですが、裁判所から財産隠しを疑われる可能性があるため、処分前の評価額と売却価格、そのお金を何に使ったのかを正直に申告する必要があります。

自己破産の場合は、申立て直前や手続き中に財産を勝手に処分してはいけません。ただし、弁護士や司法書士への依頼費用に充てるために財産を処分することは可能です。その場合は、依頼した弁護士・司法書士の指示に従って処分するようにしましょう。

公的な支援制度を活用する

低所得などで経済的に困窮している場合は、以下のような公的支援制度を利用できる可能性があります。お住まいの自治体の役所や社会福祉事務所に相談してみましょう。

  • 医療費の減額、免除
  • 住居確保給付金
  • 児童扶養手当等、ひとり親家庭への支援制度
  • 国民年金保険料の免除
  • 税金の納付猶予

なお、「生活福祉資金貸付制度」(緊急小口資金および総合支援資金の貸付)を勧められることがありますが、注意が必要です。

この制度を利用すれば無利子でお金を借りることができますが、あくまでも返済が必要な借金に当たります。債務整理に支障をきたす可能性があるので、手続き中に借りることは望ましくありません。

生活保護の受給も視野に入れる

このままでは経済的に生活を続けることが難しい場合は、生活保護を受給することも視野に入れましょう。生活保護を受給することは国民の正当な権利ですので、必要であれば遠慮することはありません。

債務整理で借金問題を解決し、自力で生活費を賄えるようになれば、生活保護を打ち切ることが可能です。

なお、生活保護を受給する場合、債務整理では基本的に自己破産を選択する必要があることにご注意ください。

債務整理後に借入れができるのはいつから?

債務整理手続きが終了し、一定の期間が経過した後は、再び金融機関や貸金業者からの借入れが可能になります。

ここでは、その期間や注意点をご説明します。

債務整理の種類に応じて5~7年後

債務整理手続きの終了後、一定の期間が経過すると信用情報機関に保有された事故情報が削除されるので、その後は借入れが可能となります。

その期間は、債務整理の種類に応じて以下のように異なります。

  • 任意整理の場合…完済から5年程度
  • 個人再生の場合…再生手続きの開始決定日から7年程度
  • 自己破産の場合…破産手続きの開始決定日から7年程度

【出典】CICJICC全銀協

ただし、信用情報機関(CIC、JICC、全銀協の3種類)によって事故情報の登録期間が異なるため、上記の期間はあくまでも目安となります。

実際に借入れを申し込む前に、各信用情報機関に対して情報開示請求を行い、事故情報が削除されているかどうかを確認しましょう。

ブラック解消後もしばらくは審査が厳しいことがある

「ブラック解消」とは、信用情報機関から全ての事故情報が削除された状態のことをいいます。

ブラック解消直後は、事故情報は登録されていませんが、金融取引の履歴も一切登録されていません。

現代では、普通に生活していると何らかの金融取引の履歴が残っているのが通常です。信用情報が真っ白の状態であると、「事故情報が削除された直後である」ということがわかります。

そのため、業者ごとの方針にもよりますが、しばらくは借入れを申し込んでも審査が厳しいことがあります。

まずはキャッシング機能なしのクレジットカードを作成するなどしてクレジットヒストリーを積んでいけば、徐々に審査に通りやすくなっていきます。

社内ブラックは半永久的に続く

信用情報機関から事故情報が削除されても、債務整理の対象とした業者の社内データには事故情報が残り続けます。そのため、ブラック解消後もその業者からの借入れは基本的に利用できません。

それだけでなく、金融機関や貸金業者はグループを形成していることが多く、関連業者のサービスも基本的に利用できないことに注意しましょう。

例えば、プロミスからの借入れを債務整理した場合は、SMBCグループに所属する三井住友銀行やSMBCモビットなどの借入れやクレジットカードは半永久的に利用できないと考えておくべきです。

債務整理中の借入れはNG!困ったときは弁護士・司法書士に相談を

結論として、債務整理中には借入れをすべきではありません。ただ、借金生活が長引いていると、「お金が足りないときは借入れで賄おう」と考えてしまいがちです。

このようにして借金癖が付くと、借金が大きく膨らんで容易には解決できなくなるおそれがあります。借金の返済が苦しくなったときは、早めに対処することが重要です。

これから債務整理をお考えの方は、早めに弁護士・司法書士に相談し、適切な債務整理手続きを開始するなどして、借金に頼らない生活スタイルを身につけるようにしましょう。

債務整理中の方は、困ったことがあれば依頼している弁護士・司法書士にすぐ相談し、債務整理の成功を目指すようにしてください。

まとめ

債務整理は、借金問題から解放されるための救済手段です。その債務整理中に借金を増やしてしまうと、問題解決が遠のいてしまうということがおわかりいただけたことでしょう。

まずは、抱えてしまった借金を債務整理でなくすことに全力を注ぐ必要があります。

困ったことがあれば、弁護士・司法書士に相談して債務整理の成功を目指すことをおすすめします。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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