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個人間融資の掲示板が危険な理由とは?利用するリスクについて解説

個人間融資の掲示板が危険な理由とは?利用するリスクについて解説
今井 亨

監修今井 亨
/グリフィン法務事務所 代表

グリフィン法務事務所は闇金や違法金融に注力する司法書士事務所です。闇金の解決実績は国内ではトップクラスです。

この記事でわかること
  • 個人間融資掲示板は詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクが高い
  • 個人間融資掲示板には個人を装った闇金が多く潜んでいる
  • 貸し手が個人であっても違法金利ならば闇金と同じである
  • 相手が闇金だった場合は弁護士・司法書士に相談すること

個人間融資は個人間で気軽にお金の貸し借りができるネット時代ならではの新しい融資の仕組みです。そこで広く使われているのが個人間融資掲示板です。

近年、ネット上には個人間融資の掲示板がたくさん存在し、借りたい人と貸したい人たちの書き込みであふれており、利用者は増えています。

個人間融資掲示板は、貸し手と借り手が簡単にマッチングできるため、一見便利なシステムのように思えますが利用するには多くのリスクがあることも事実です。

この記事では、個人間融資掲示板とは何か?掲示板を利用する危険性やリスクについて解説していきます。

そもそも個人間融資とは?

個人間融資は、金融機関を通さずに「個人」と「個人」の間で直接お金の貸し借りをすることです。個人間融資という言葉の定義は広く、他人だけではなく、家族間・友人間のお金の貸し借りも含まれます。

昨今の個人間融資は、ネットサービスを利用して、まったく見ず知らずの他人との間でお金の貸し借りがおこなわれるというケースが一般的です。

個人間融資で、借り手と貸し手が出会う場所として、大きく2つがあります。

  • 個人間融資掲示板
  • SNS(Twitter、LINEなど)

この記事では、利用者が多い個人間融資掲示板について具体的に解説していきます。

個人間融資掲示板とは?

個人間融資掲示板の特徴

個人間融資掲示板とは、個人のお金を借りたい人と貸したい人がマッチングできるネットの掲示板サービスのことです。

それぞれの掲示板によって使い方・利用方法は違いますが、以下のように誰でも利用できて、簡単に相手を探すことができます。

  • サイトへの登録は不要
  • 匿名で利用できる
  • 利用料は無料
  • 借りたい人のみが投稿できる
  • プロフィール、居住地、借金状況、融資希望額などを投稿して貸し手からの連絡を待つ
  • 貸し手から連絡が来たら、その後は個別に交渉をする

個人間融資掲示板は、そのほとんどが利用者からお金を取らず、広告掲載料でサイトを運営しています。

【代表的な個人間融資掲示板】
レンタルキャッシュ、キャッシュハブ、くじら、コロンビア、ライフネットジャパン、銭友

※なお、国内最大級の掲示板サイト5ch(旧2ch)にも個人間融資に関するスレッドは立っていますが、こちらはマッチング掲示板ではなく、情報共有のための掲示板ですので、個人間融資掲示板には該当しません。

個人間融資掲示板を利用する流れ

個人間融資掲示板は、サイトによって使い方は多少違いますが、借りたい人が利用する場合は以下のような流れになります。

  1. 掲示板上で、お金を貸してくれる相手を募集
    「今すぐ融資してくれる方を探しています!」などのメッセージを投稿
    融資希望額、簡単なプロフィール、提供できる個人情報などを書いて、相手を募集します。
  2. 貸し手との交渉
    貸し手からメールが来たら、金額、金利、返済日、返済回数などを交渉します。
    交渉がまとまれば契約を交わして振込口座などの情報を伝えます。
  3. 指定口座へ振り込み
    銀行口座に貸し手から契約で決まった金額が振り込まれます。
  4. 指定口座へ返済
    契約で決められた返済期日までに振り込みを行います。
    利息・元本を含めた全額を完済すれば、個人間融資の取引が終了します。

個人間融資掲示板の利用者とは?

個人間融資掲示板の利用は基本的に誰でも可能です。個人間融資では、貸付時に信用機関の審査がないため、金融事故がある人や金融機関の信用度が低くて借入れができない以下のような人が主に利用しています。

  • 金融ブラックの人
  • フリーター
  • 水商売の人
  • 専業主婦
  • 学生など

一方、貸す側は貸金業登録をしていない無免許の貸主です。法律的にはグレーゾーンですが、個人が金融業で利益をあげる目的で、以下のような人が貸主として利用しています。

  • サラリーマンの副業
  • 個人間融資で金融業を専業にする人

個人間融資掲示板には、このような個人の貸主だけでなく、闇金業者が多いのも特徴です。個人を装って、お金に困っている人に簡単に接触することができるためです。

さらには、詐欺業者や女性の体目当ての悪質な個人の貸主もいるので利用する際は注意しなくてはなりません。

個人間融資の禁止事項

個人間融資掲示板には、前述したように悪質な闇金業者に法外な利息を取られたり、詐欺業者にお金を盗み取られるトラブルが多発しています。

そのため、掲示板運営側も以下のような禁止事項を設け闇金・詐欺業者対策をおこなっています。

  • 「貸します」など、貸主の投稿
  • 同一人物のキャラ使い分け
  • 不特定多数への融資の持ちかけ
  • 連投による勧誘
  • 捨てメアドの利用

さらには、サイト内で法定利息の説明をしたり、闇金や詐欺師の情報掲示板を設けて被害を防ぐなどの取り組みをおこなっている掲示板もあります。

しかし、巧妙な闇金や詐欺師はIPアドレスやキャラを使い分けるなどして、貸し手に接触するため、運営側は完全に防ぎきれていないというのが実情です。

そのため、個人間融資掲示板を利用するにあたっては、個人が悪質業者に対して用心することが何よりも肝心です。

個人間融資の掲示板が危険だといわれる7つの理由

個人間融資掲示板が危険な理由

お金に困っている人は、個人間融資掲示板を利用すれば、「親切な貸し手に巡り会えるだろう」「簡単に融資に応じてくれる個人を探せるだろう」と安易に考えるケースが多いようです。

しかし、個人間融資掲示板はほとんどが、登録必要なし、匿名(ハンドルネーム)で利用できます。貸し手は見ず知らずの相手です。善意の貸主ばかりではありませんので、利用するにあたって、様々なリスクが待ち受けています。

個人間融資の掲示板について、7つのリスクを確認していきましょう。

①融資詐欺の被害に遭う

申込みをした際に、「お金を貸す前に手数料・保証金を先に振り込んでください」と言われて要求通りに振り込んだものの、その後相手と連絡が取れなくなるというケースがあります。これは「先振込み」と言われる個人間融資に多い詐欺手口です。

個人間融資掲示板は、利用にあたって個人情報の登録は不要ですので、相手の連絡先はメールアドレスしか分からず、お金を取り戻すことは極めて困難になります。掲示板運営者も基本トラブルには介入しません。

このような『融資詐欺』と呼ばれる犯罪行為をおこなう詐欺師が個人間融資掲示板には潜んでいますので、引っかからないように注意が必要です。

②ひととき融資の被害に遭う

女性の借り手に対して、「お金を貸してあげる」「金利を安くする」などを条件に、性行為を強要されることがあります。これは女性の体を狙った「ひととき融資」という個人間融資に多い悪質な手口です。

女性がそれに応じると、裸の写真や性行為の動画を撮ったりして、「ネットにばらまくぞ」「親に送信するぞ」、などと脅してお金を支払わせるような悪質な貸し手もいます。

このように女性が個人間融資を利用する危険性は、男性よりも高いと考えておく必要があります。

③個人の貸し手から厳しい取立てを受ける

個人の貸し手なら、「多少返済が遅れても待ってくれるだろう…」「厳しい催促はしてこないだろう…」と甘く考えがちです。

しかし、個人の貸主も利益を上げるためには必死です。そのため、支払いが遅れたりすると、闇金まがいの厳しい取立てをする貸し手は多いというのが実情です。

個人間融資においても、お金を借りる際には住所や名前、勤務先、IDセルフィーなどの個人情報の提出を要求されます。これは、貸金業者と同様に個人情報をたてに借り逃げされないようにするためです。

支払いが遅れたりすると、家族や職場に電話されるリスクがあることは肝に銘じておくべきでしょう。

④超高金利の貸付けで返済に行き詰まる

利息制限法では、貸金業者の上限金利は、年利15%~20%です。また、個人間でのお金の貸し付けの場合、出資法では年利109.5%が上限金利となっています。

しかし、個人間融資では、個人が闇金のように年利300%以上もの高金利で貸付けをするケースが多く見られます。

そのような超高金利でお金を借りると、多くのケースで返済に行き詰まります。返済できなければ、個人の貸し手も給料の差し押さえ、家族への取立てに動く可能性はあり得るでしょう。

お金を借りる場合には、事前に必ず金利と年利をチェックして、違法な貸付けでないかを確認する必要があります。

⑤闇金業者に追い詰められる

個人間融資の貸し手の中には、かなりな割合で闇金業者がいます。個人間融資掲示板には、お金に困った人たちが毎日大勢がアクセスしてきますので、闇金にとっては貴重な狩り場なのです。

最初は親切な個人の貸主を装おうため、判別するのは難しいですが、以下のような手口を使う業者は闇金の可能性が高いですので注意しましょう。

  • 「ブラックでもOK」「すぐに入金します」など、魅力的な宣伝文句で勧誘する
  • 返済周期が短い(支払期日は7日、10日後)
  • 金利が異常に高い(7日で3割、10日5割など)
  • 申込時に詳細な個人情報を提出させる(家族や知人の携帯番号など)
  • 融資の条件に携帯電話、銀行口座の提供を求めてくる

個人に見せかけた闇金は、返済が遅れたり連絡をしないと、態度を豹変させます。執拗な取立てや家族・職場に嫌がらせの電話をかけてきます。

闇金業者に関わってしまうと、社会生活が破綻に追い込まれるリスクがあります。相手が闇金だと思ったら、できるだけ早めに弁護士・司法書士に相談して解決しましょう。

⑥個人情報を名簿屋に売られる

個人間融資掲示板には、俗に言う“名簿屋”も潜んでいます。たくさんの個人情報を抜くには掲示板の利用者はもってこいのカモだからです。

名簿屋は条件のいい貸し手を装ってメールで接触してきて、借り手に詳細な個人情報を提出させます。個人情報を提出した後には、ぱったりと連絡が取れなくなるというのがよくあるパターンです。

抜かれた個人情報は、闇金などに高値で売られます。そのため、しばらく経った後、携帯電話、メール、SMS、LINEに闇金からの勧誘がひっきりなしに来るようになります。

個人間融資であまりにも良い条件を提示してくる貸し手に対しては疑ってかかる必要があります。

⑦犯罪行為に加担させられる

個人間融資掲示板には、お金が無い利用者を狙った特殊詐欺グループが紛れ込んでいるケースもあります。お金に困っている人に融資を条件に「闇バイト」「違法行為」に勧誘してきます。

具体的には下記のような犯罪に巻き込まれるケースが考えられます。

  • 銀行口座の譲渡を要求される
  • 携帯電話の譲渡を要求される
  • 返済する代わりに闇バイトを強要される

銀行口座の譲渡は「犯罪収益移転防止法違反」、また、通話可能な状態の携帯電話を無断で譲渡すると、「携帯電話不正利用防止法違反」となります。

また、「返済する代わりに簡単な仕事を手伝ってほしい…」といわれた場合には注意が必要です。知らないうちに、詐欺や犯罪に加担させられる可能性があります。

個人間融資掲示板で実際にあったトラブル事例

個人間融資にはリスクがあるとお伝えしましたが、実際に国民生活センターに寄せられている個人間融資のトラブル事例を紹介します。

【事例1】生活費が不足し、個人間融資の掲示板サイトにお金を貸してほしいと書き込みをした。
返事をしてきた相手と直接会って計15万円を借りたが、これまでに50万円以上返済し、さらに400万円を支払うよう連絡がきた。

【事例2】インターネットの個人間融資を利用して15万円の融資を依頼した。
相手に写真を送れば利息を免除してくれるというので、要望されるままに下着姿や裸の写真などを送ってしまった。
しかし、実際には融資を受けられず、こちらからの連絡にも返事がこなくなった。

【引用】:SNSなどを通じた「個人間融資」で見知らぬ相手から借入れをするのはやめましょう!|国民生活センター

このようなトラブルにあってしまったら、弁護士、司法書士などの専門家に早めに相談しましょう。

そもそも個人間融資は違法なのか?

個人間融資は違法かグレーゾーンか線引きが難しいですが、金融庁は「個人であっても、反復継続する貸付けは貸金業に該当する」と警告しています。

・ 個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業に該当します。
・ 不特定多数が閲覧可能なSNS等で「お金を貸します」、「融資します」などと書き込んで、契約の締結を勧めることは、貸金業法の規定に抵触する場合があります。

【引用】:SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!|金融庁

つまり、個人間融資掲示板の貸主のように、無登録で見ず知らずの他人に何回も貸付けをする行為は貸金業法に違反する違法行為であるとしています。

現時点で、個人間融資掲示板を利用してお金を借りたことにより、罰せられたというケースはありません。しかし、「闇金被害」「詐欺被害」「犯罪」に巻き込まれる可能性があるため、金融庁や警察は利用しないように呼びかけています。

個人間融資掲示板を利用する前に検討すべきこと

個人間融資掲示板を利用すれば、簡単にお金の貸し借りができるように思えますが、その反面、大きなリスクがあることはすでにご説明しました。

急にお金が必要になっても、リスクが高い個人間融資は利用せずに別な方法を検討することをおすすめします。ここからは、代替え手段と対処法についてご説明します。

中小の貸金業者を利用する

個人間融資を利用する方のほとんどは、大手消費者金融やキャッシングが利用できないでしょう。しかし、大手ではなく中小の貸金業者ならば審査に通る可能性があります。

中小の貸金業者は大手よりも審査を緩くしていますので、融資を受けられるかもしれません。

ただし、中小の貸金業者は大手よりも金利が高めで、滞納した場合、取立ては厳しいです。しかし、違法金融ではありませんので、融資・督促は法律の範囲内でおこなわれますので、安心して利用できます。

公的な支援制度を利用する

低所得者や失業中などでお金に困っている場合は、国からの融資制度を利用することも可能です。

公的な融資制度の一例には下記のようなものがあります。

公的融資制度 特徴
生活福祉資金貸付制度 低所得者、高齢者、障害者世帯を対象に、生活費、住居費、教育費、介護費などの貸付
緊急小口資金貸付 一時的に生活が困難な状態になった人に少額の貸付
求職者支援資金融資 職業訓練受講給付金の受給対象者への貸付制度
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 20歳未満の児童を扶養していて、配偶者のいない人への貸付制度

自分が対象になっている場合は、公的融資制度の利用も検討してみましょう。

借金返済が困難な状況なら債務整理を検討すること

借金が膨れ上がってどこからも借入れできずに、「もはや個人間融資しか頼る場所がない…」といった場合、早めに債務整理を検討するべきでしょう。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」と大きく3種類に分けられます。任意整理は将来利息のカット、個人再生は借金を5分の1~10分の1程度まで減額、自己破産は借金の全額免除と、それぞれ借金の減額幅や手続き方法が違います。

債務整理は弁護士・司法書士などの専門家に依頼して手続きをおこなうのが一般的です。自分に合った債務整理の方法について提案してもらうと良いでしょう。

個人間融資の相手が闇金だった時の対処法

個人間融資で最も多いトラブルが闇金です。親切な個人だと安心してお金を借りたら法外な利息を請求されたり、支払いが少しでも遅れたら、親や職場に嫌がらせの電話をかけてくるなどの事案が頻発しています。

もしも闇金との問題が発生してしまった場合、ご自身のケースに照らして適切に解決しましょう。

警察に相談する

闇金に厳しい取立て・嫌がらせを受けているなら、警察に被害届を出して取り調べを要請しましょう。ただし、警察は「民事不介入」の原則で、事件性が低いと判断したら捜査に動いてくれない可能性があります。

その場合、弁護士・司法書士という法律の専門家ならば、警察に働きかけてくれることが可能ですので、一度相談してみるとよいでしょう。

弁護士・司法書に相談する

弁護士・司法書士に依頼すれば、法律を盾に闇金に対して強い圧力をかけてくれます。それにより、「取立てストップ」「返済不要」「関係解消」という結果を得ることができます。

できるだけ早く闇金への対処をしたいならば、法律の専門家に依頼することがベストです。ただし、弁護士・司法書士も得意分野がありますので、闇金に強い経験豊富な事務所を選ぶことが重要です。

まとめ

個人間融資掲示板は、信用できる貸し手は少なく、利用するリスクのほうが高いというのが実際のところです。どうしてもお金をすぐに借りたい場合、別な手段で用立てすることをおすすめします。

また、すでに個人間融資の掲示板を利用してトラブルに巻き込まれている場合、できるだけ早期に弁護士・司法書士に相談することが得策です。

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