給料ファクタリングの多くは闇金業者?給料前払いという新手の違法金融に注意すべき理由

給料ファクタリング業者の多くは闇金業者!絶対に借りてはいけない理由と被害に遭った際の相談先とは
今井 亨

監修今井 亨
/グリフィン法務事務所 代表

グリフィン法務事務所は闇金や違法金融に注力する司法書士事務所です。闇金の解決実績は国内ではトップクラスです。

この記事でわかること
  • 給料ファクタリングとは給料の前払いをうたった高利貸し
  • 給料ファクタリング業者は闇金が多いため借りてはいけない
  • コロナ渦で給料ファクタリング被害者は増えている
  • 被害に遭ったら弁護士・司法書士へ相談すること

新型コロナウィルス拡大の影響により経済的に苦しまれる方が増えています。そのような人をターゲットに、給料を現金化すると称した「給料ファクタリング(給与ファクタリング)」と呼ばれる新種の違法金融業者が存在します。

この給料ファクタリング業者の実態は違法な闇金業者が多いため、利用は避けるべきです。この記事では、給料ファクタリングとは何か?お金を借りてはいけない理由と被害に遭った場合の対処法について解説します。

給料ファクタリングとは

「給料ファクタリング」とはどのようなサービスなのでしょうか。給料ファクタリングファクタリングのルーツである「ファクタリング」という金融取引から順を追って確認します。

給料ファクタリングは、2019年頃から増え始めた違法金融です。警察の摘発により業者数は減少しましたが、2022年の今でも当サイトには被害を受けた方から相談があります。気を付けましょう!

「ファクタリング」とは事業者向けの金融サービス

ファクタリングとは、事業資金が必要な法人や事業者が、「売掛金」などの債権をファクタリング業者に買い取ってもらうことによって、資金を調達する用意する方法のことです。

要するにファクタリング業者に請求書など売掛金を提示して、それを担保に融資をしてもらう方法です。

このファクタリングと呼ばれる金融取引の法定性質は、売買契約に基づく債権譲渡でであるため、金銭の貸し借りにはあたりません。したがって、貸金業の登録は必要ありません。

なお、ファクタリングは基本的に事業者向けのサービスですから、サラリーマンなどの個人が利用する機会はほとんどありません。

【引用】:『ファクタリングとは?』日本ファクタリング協会

「給料ファクタリング」は給料の前借りをうたった個人向けの金融サービス

「給料ファクタリング(給与ファクタリング)」とは、前述のファクタリングの仕組みを応用したものです。「会社から受け取る給料をファクタリング会社に売却することで、給料日より前に現金化するサービス」のことです。

利用者は上記の売掛金の代わりに、会社から給料をもらう権利の全額もしくは一部を業者に買い取ってもらうことで、給料を実質前借りできることができます。

ファクタリング業者は買い取った給与債権から一定の手数料を引き、その残りを利用者へと渡します。利用者は給料日にファクタリング業者から前借りした分のお金を返済します。

このように給料日前にお金が必要になった際に、自分の給料を簡単に現金化できることから利用者は増加しました。しかし、給料ファクタリング業者のほとんどが闇金であるため、様々なトラブルが起きています。

【参照】『給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!』金融庁

給料ファクタリングを利用してはいけない理由

給料ファクタリングは、一見すると金融取引のように見えますが、その実態は悪質な闇金であることが多いため、利用することは避けるべきです。その理由を解説します。

金利ゼロは間違いで実は超高金利

給料ファクタリング業者の多くは金利ゼロをうたい、あたかも優良な金融サービスのように見せかけていますが、実質は手数料でその分を徴収しています。この手数料を金利に見直すと法外な超高金利であることがわかります。

手数料20%の給料ファクタリング業者に、給料債権を買い取ってもうらうケースで解説します。

・利用者は、1ヶ月後に会社から受け取る給料10万円の債権を業者に買い取ってもらいます。
  ↓
・業者は、無金利をうたいながら手数料として給料債権の20%を差し引いた8万円を利用者に渡します。
  ↓
・利用者は給料日に業者に債権を買い取ってもらったということで10万円を業者に支払います。

業者は利用者に8万円を渡して1ヶ月後に10万円を受け取りますので、これを利息計算すると月の利息額は2万円です。月利に直すと25%、年利の場合は300%という超高金利です。

貸金業法では年利20%を超える融資は認められません。明らかな違法金利と言えます。

給料ファクタリング業者のほとんどが闇金である

給料ファクタリング業者のほとんどは貸金業法という法律を違反している闇金業者です。手数料は法定金利を遥かに超えており、しかも金融庁に無登録で貸金業を営んでいるためです。

貸金業法には、「貸金業を営むには、国や都道府県に貸金業として登録をする必要がある」としています。また、貸付利率も利息制限法で制限されており、上限金利年15%〜20%を下回る範囲で貸さなければならないことになっています。さらに、年109.5%を超える金利を定めると契約自体が無効となります(貸金業法42条)。

このような規定があるにもかかわらず、給与ファクタリング業者は「給料債権の売買であるため貸金業ではない。」「貸金業法や利息制限法が適用されない。」などと主張しています。

この主張に対して、先述したように金融庁は給料ファクタリング業者は貸金業であるとの見解を示しています。給料ファクタリング業者の多くは高金利かつ無届けであり、貸金業法に接触していますから違法な闇金業者です。

闇金業者からお金を借りると、強引な取り立てや個人情報の流出などの被害に遭います。したがって、絶対に闇金業者からお金を借りてはいけません。

【給料ファクタリングが闇金である根拠】

  • 手数料が法外で高額(年利20%以上)
  • 貸金業の登録なしで融資をおこなっている
  • 違法な取立てをおこなう①(深夜早朝の電話・メール)
  • 違法な取立てをおこなう②(脅しや嫌がらせ)
  • 違法な取立てをおこなう③(家族や会社への連絡・催促)

給料ファクタリングを利用してはいけない理由

給料ファクタリング業者は最初は親切な対応を装おって安心させますが、正体は闇金ですから利用すると様々なトラブルに巻き込まれます。できるだけ早く関係を断ち切る必要があります。

給料ファクタリングでこんな被害を受けていません?違法行為とトラブル例を見ていきましょう。

支払いが遅れると厳しい取立てをおこなう

給料ファクタリングは闇金業者ですから、支払いが遅れた利用者に対して厳しい取立てをおこないます。朝晩の電話・メールでの暴言や嫌がらせは日常茶飯事です。

頼んでもいない宅配や出前が着払いで送られてくるなどの嫌がらせを受けることもあります。

家族や会社に取立ての連絡が行く

支払いできない相手に対して闇金が必ず脅し文句として用いるのが「家族や会社に取り立てるぞ」というものです。単なる脅しだけで済まずに実際に取立てが行われることもあります。

「家族に迷惑をかける」「会社に居づらくなる」などの2次的な被害がみまわれることになります。

法外な手数料で借金地獄から抜け出せなくなる

給料ファクタリングの手数料は実際には利息にあたります。年利計算するとトイチ・トサンのような法外な金利です。支払いができないと勝手に利息が膨れ上がっていきます。

そうなると完済することはおろか、毎月利息だけを支払い続ける生活を強いられ、借金地獄から抜け出せなくなります。

違法行為に加担させられる

給料ファクタリング業者の実体は平気で違法行為をおこなう反社会勢力や裏稼業が大半です。支払いができなくなると、犯罪に加担させられるようなこともあります。携帯電話の貸し出しを求められたり、新規で携帯を契約させられるのはよくあるケースです。

また最悪な場合、「女性は風俗店で働かされる」「男性は闇金の仕事の手伝いをさせられる」などがあります。

給料ファクタリングでお金を借りる前にできること

違法な闇金である給料ファクタリング業者からお金を借りる前にとれる対策は必ずあります。

給料ファクタリングでお金を借りる前にできることを解説します。

国の貸付制度を利用する

生活に困窮しており生活費が必要な場合には、国の貸付制度である「生活福祉資金貸付制度」利用すると良いでしょう。

この国の貸付制度では、「生活を立て直すための一時生活費」「住居確保のための家賃補助」「進学にかかる費用」など多岐にわたる支援を行っています。

また、新型コロナウイルスの影響による収入減のサポートも行っていますから、一度相談してみることをおすすめします。なお、貸付金利は無金利のものが多いため、闇金から借りることの善し悪しは比べるまでもありません。

【参照】『生活福祉資金貸付制度』厚生労働省

債務整理を行う

給料ファクタリング業者でお金を借り、それを借金の返済に充てようとお考えの場合には債務整理をおすすめします。

債務整理とは、借金の返済が困難な状況にある人を救済するための国が認めた法的手段です。任意整理や自己破産といった手段を用いることで、借金の減額は返済そのものを免責してもらうことも可能です。

仮に給料ファクタリングで借金を返済していたとしても、そのうち高金利のファクタリングにより生活が成り行かなくなります。そうならないためにも、早めに専門家に相談するなどの対処をしてください。

給料ファクタリング被害に遭った場合の相談先

給料ファクタリング被害相談(警察、弁護士・司法書士)
給料ファクタリング被害に遭ってしまった場合には早急に専門家に相談することが重要です。

給料ファクタリング被害に遭った場合の相談先を紹介します。

警察へ相談する

強引な脅迫まがいの取り立てなど、事件性のある場合には警察へ相談してください。刑事事件として受理してもらえれば、迅速な対応が望めます。

事件性のあるトラブルとは、主に以下のようなものになります。

  • 詐欺被害や脅迫被害、性犯罪に遭った場合
  • 年利が出資法違反である場合(金融業者の場合:年20%を超える利率、非金融業者の場合:年109.5%を超える利率)

ただし、給料ファクタリングのトラブルは、事件性がないと判断されてしまうことがあり、なかなか警察が動いてくれない場合があります。また、警察も他の事件で忙しいなどを理由に対応を後回しにすることがあります。

そのような場合には、闇金問題に詳しい弁護士に相談すると良いでしょう。

弁護士・司法書士へ相談する

給料ファクタリングの被害お困りの方は、闇金問題に詳しい弁護士や司法書士などの専門家へ相談しましょう。専門家に相談することで、以下のようなメリットを受けることが可能です。

  • その場で取り立てがSTOPになる
  • 闇金との関係を断ち切ることができる
  • 今後の生活設計のアドバイスをしてくれる

弁護士・司法書士事務所の多くは無料で相談できる場所も多いため、費用にお困りの方も安心して相談することができます。

以下の記事で「闇金 弁護士・司法書士」について詳しく解説しています。

給料ファクタリングのトラブル事例

給料ファクタリングについてのQ&A

給料ファクタリングについて詳しく知るためには、実際の利用者の口コミや体験談を聞くことが有効です。Yahoo知恵袋に寄せられた給料ファクタリング利用者のQ&Aをまとめました。

質問
友達が給料ファクタリングに手を出して高額な請求を求められてます。
支払わないと職場に電話して回収する。殺すぞ。身分証をネットにばら撒くなどの脅しを受けています。
正直、脅しが怖く支払いするべきなのか、弁護士などに相談してするのか迷っています。
どうしたらいいのでしょうか。

回答
ファクタリングは債権の売買です。給与は債権ではないのでファクタリング契約は出来ません。業者の対応から見ても本当にファクタリング業者なのか疑問です。変な話闇金では無いのですか?高額な請求とありますので。

【引用】:YAHOO!知恵袋

質問
よくある給料ファクタリング会社が違法なのは主に貸金業法(無登録営業)違反と出資法(高金利等)違反だからですよね?
逆に言えば利率を守り営業許可を得てれば給料ファクタリングということ自体に違法性はないということですか?

回答
金融庁の見解によると、給与ファクタリングを行う者は貸金業の許可が必要との事です。
給与ファクタリングという行為そのものは、賃金債権を貸金業者に譲渡するというものですが、原則として労働者本人に支払わなければならないので、債権者が直接雇主に賃金を請求する事はできません。(直接払いの原則・労働基準法第24条)

【引用】:YAHOO!知恵袋

質問
最近給料ファクタリングが捕まるニュースがありましたが、警察に届ければ捕まる類のものなんでしょうか。
闇金は捕まらないと聞いてましたが…

回答
『給与ファクタリング』は、ファクタリングを称しているものの、実質的には個人向け融資であるとされています。
したがって、ファクタリングと称して給与債権を買い取った業者が貸金業法に基づく登録を行っていない場合、貸金業法違反で検挙される可能性があります。
また、給与の支給額(手取額)と給与債権の売買額との差額は実質的には利息であり、年率に換算した割合によっては、利息制限法違反あるいは出資法違反として検挙される可能性もあります。

【引用】:YAHOO!知恵袋

質問
後払いファクタリングという給料前借りのようなサービスを利用しました。
借金もあるので、そこでしか借りられなかったのですが、結局利息が高額でキツイです。自己破産はしたくないし、家族にも知られたくないしで、どうしたらよいかわからなくなっています。

回答
後払いやファクタリングは違法性があるものも多いです。弁護士に相談しても、必ずしも即自己破産ということではありませんよ。過去の借金なども合わせて、法律事務所に助けを求めてみてください。↓があなたの問題に一番適しているかもしれませんね。

【引用】:YAHOO!知恵袋

給料ファクタリングの事件・ニュース

2019年頃から「給料ファクタリング」の事件が増えて社会問題化しました。警察も積極的に摘発に乗り出したことで、様々な事件がニュースに取り上げられるようになりました。その一部をご紹介します。

給料を担保に高額な手数料で現金を貸し付ける新手のヤミ金を営んだとして、大阪府警は29日、貸金業法違反(無登録営業)の疑いで、東京都の業者ら4人を逮捕した。

「給料ファクタリング」と呼ばれる手口で、警察による摘発は全国初。

給料ファクタリングは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で困窮する人を中心に利用者が急増。実態は法外な利息を求める業者が多く、金融庁などが警戒を呼び掛けていた。

逮捕容疑は、共謀して今年3~6月の間、国や東京都に貸金業の登録をせず、兵庫県の契約社員の40代男性と、新潟県の土木作業員の20代男性に計20万円を貸し付けた疑い。

【参照】『給料ファクタリング業者初の逮捕 Dライン』日本ファクタリング業協会

中小企業に法外な金利で金を貸し付けたなどとして、警視庁は、一般社団法人「ハートフルライフ協会」(東京都中央区)の幹部ら男6人を貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(超高金利)の疑いで逮捕し、5日発表した。企業が未払い料金を取引先から受け取る権利(売り掛け債権)を安く買い取る「ファクタリング」業者を装っていたが、同庁は営業実態から、事実上の「ヤミ金」業者とみて調べている。

【引用】:中小企業狙い「ヤミ金」容疑 ファクタリング業者を逮捕 | 朝日新聞DIGITAL(2021/02/05)

 福岡県警察は28日、貸金業法違反(無登録営業)などの疑いで、無職の清田朋章氏(41)ら男女4名を逮捕した。博多警察署、春日警察署、南警察署、博多臨港警察署、福岡県警察生活経済課の合同捜査によるもの。

 福岡県警察によると、逮捕された男女4名は、貸金業の登録を受けずにルネディオ(株)(福岡市中央区)の商号で貸金業を営み(2021年1月7日閉鎖)、神奈川県横浜市在住の男性(47)ほか9名に対して、法定0.3%(1日当たり)を超える金利で計63万7,000円を貸し付け、27万9,100円の利息を受け取っていた。

 個人が勤務先に対して有する給与(賃金債権)を、給与の支払日前に一定の手数料を徴収して買い取り、給与が支払われた後に、個人を通じて資金の回収を行う「給与ファクタリング」の手口を使用していた。

【引用】:給与ファクタリングで男女4名逮捕、ルネディオ(株)の商号で活動 | NetIB-News(2021/01/29)

給料を受け取る権利を客から買い取り、現金を貸し付ける「給料ファクタリング」を無登録で営んだうえ、法外な利息を得たとして、警視庁は、給料ファクタリング大手「ZERUTA(ゼルタ)」(東京都新宿区)の社長、足立慎吾容疑者(34)=東京都新宿区四谷4丁目=ら男女7人を貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(超高金利)の容疑で逮捕し、14日発表した。

【引用】:給料ファクタリング、全国2例目の摘発 容疑の7人逮捕 | 朝日新聞DIGITAL(2021/01/14)

「給料を支給日前に受け取れる」などとうたい無登録で金を貸し付けたとして、大阪府警生活経済課は29日、コンサルタント会社「SONマネジメント」(東京都)の社員、岩田俊一容疑者(29)=山形市=ら男女4人を貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕した。府警によると「給料ファクタリング」と呼ばれる新たな手口で、摘発は全国初。

【引用】:給料ファクタリング初摘発 貸金業法違反疑いで業者4人逮捕 | 日本経済新聞(2020/07/30)

給料をもらう権利を業者に売り、前借りのような形で支払いを受ける「給料ファクタリング」の実態は貸金で、不当に高い手数料に基づく契約は無効として、利用者9人が13日、東京都内の業者に計約436万円の返還などを求めて東京地裁に訴えを起こした。

【引用】:「給料ファクタリング」で集団提訴 契約無効求める 東京地裁 | 日本経済新聞(2020/05/13)

債権を買い取って回収を代行するサービス「ファクタリング」を装ったヤミ金融が横行し、警察当局が取り締まりを強めている。大阪府警は今年、回収業務と称して高金利での貸し付けを繰り返したとされるグループのメンバーを逮捕。摘発の動きは各地に広がりつつある。手形割引に変わる資金繰りの手段として利用する企業が増えるなか、サービスへの法規制を求める声も上がる。

【引用】:ファクタリング、ヤミ金が装う 違法貸し付け、大阪などで摘発 | 日本経済新聞(2017/08/30)

まとめ

給料ファクタリングは、SNSを使ったりホームページを活用するなどして、公然と利用者を勧誘しています。そして、「金融ブラックOK」や「無金利」といった甘い言葉で利用者を誘惑します。給料ファクタリングは、この記事で紹介したように非常に悪質な違法金融です。

法外な手数料を請求されて、支払えなければ取立て・嫌がらせを受けることになります。実態は闇金ですので利用しないようにしましょう。もしも、トラブルに巻き込まれた場合には速やかに弁護士・司法書士に相談して解決を図ることをおすすめします。

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