闇金に通帳やキャッシュカードを渡すのは犯罪?絶対に渡してはいけない理由とは

今井 亨

監修今井 亨
/グリフィン法務事務所 代表

グリフィン法務事務所は闇金や違法金融に注力する司法書士事務所です。闇金の解決実績は国内ではトップクラスです。

この記事でわかること
  • 闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことは犯罪行為である
  • 闇金に通帳やキャッシュカードを渡すと口座が凍結される
  • 通帳やキャッシュカードを闇金に渡すと相手の思うつぼになる
  • 闇金による被害や借金問題は専門家に相談することで解決できる

闇金から脅迫されて、あるいは騙されて通帳やキャッシュカードを渡してしまったという人は少なくありません。しかし、闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことは立派な犯罪行為なので、絶対に行ってはいけません。

「自分は通帳やキャッシュカードを取られた被害者なのに、なぜ犯罪者扱いされるのか」と疑問に思う方も多いことでしょう。その理由をひとことで言えば、あなたが渡した通帳やキャッシュカードが闇金によって不正利用されているからです。

この記事では、

・闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことが違法となる理由
・その行為によって問われる罪と刑罰
・闇金に通帳やキャッシュカードを渡してしまったときの対処法

以上3点を中心にわかりやすく解説していきます。闇金の被害に遭った上に罪に問われてしまうことがないよう、しっかりと確認していただければ幸いです。

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すのが違法となる理由

誰しも、自分から進んで闇金に通帳やキャッシュカードを渡す人はいません。闇金の方から何らかの理由を付けて要求され、やむにやまれず渡しているはずです。

それなのに、通帳やキャッシュカードを渡すだけで犯罪が成立するような違法行為となるのでしょうか。その理由は以下の2点です。

そもそも第三者への譲渡や交付が禁止されている

銀行の預金通帳やキャッシュカードはその口座の名義人のみが利用できるものです。第三者に譲渡するなどして利用させることは、各銀行の約款で禁止されています。

家族などに入出金を依頼するために渡す場合は「第三者に利用させる」という要件を満たさないため合法ですが、闇金に通帳やキャッシュカードを渡す行為は譲渡または貸与に当たるので違法となります。

闇金による犯罪を助長することになる

闇金が顧客に対して通帳やキャッシュカードの提供を要求する理由は、融資や返済の取引に自分の口座ではなく他人の口座を使いたいからです。法外な金利を伴う闇金の取引はそれ自体が犯罪行為なので、自分名義の口座を使うと警察に発覚しやすく、検挙される可能性が高くなります。

他人名義の口座を使えば闇金は自分の名義を明かすことなく取引ができるので、警察による監視の目をかいくぐって暴利を得ることが可能となります。

つまり、闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことは、闇金取引という犯罪行為を助長することになるのです。そのため、この行為は後でご説明する犯罪に該当するものとして取締の対象とされています。

闇金から通帳やキャッシュカードの提供を求められるケース

どのようなときに闇金から通帳やキャッシュカードの提供を要求されるのでしょうか。主に考えられるのは、以下の3つのケースです。もし闇金から以下のような要求を受けたとしても、絶対に応じないようにあらかじめ心がけておきましょう。

融資の条件として提供を求められる場合

第一に、借り入れの申し込みをした顧客に対して、融資する条件として通帳やキャッシュカードの提供を求めてくるケースが挙げられます。通帳とキャッシュカードを「担保として預かる」と言われることも多いです。

「預かられるだけなら問題ない」と考えて通帳とキャッシュカードを渡してしまう人が多いですが、渡した時点で犯罪が成立するので絶対に渡してはいけません。

闇金は「完済後に返却する」と言うかもしれませんが、渡した通帳とキャッシュカードはすぐに悪用されてしまうので、無事に戻ってくることはまずありません。

融資も返済も借り手の口座で行われる場合

2つめに、「融資も返済も借り手の口座で行う」と言われるケースもあります。この場合は通帳のみを闇金に渡し、キャッシュカードは顧客の手元に残されるのが一般的です。

通帳を渡した後、その口座に融資金が入金されます。顧客に対しては決められた金額をキャッシュカードで引き出すように指示され、返済金も決められた期日までにキャッシュカードでその口座に入金するように指示されます。

闇金は「振込手数料がかからないから」と言ってこの方式を勧めてくるため、顧客もメリットを感じて通帳を渡してしまいます。しかし、実際には闇金が他人名義の通帳を入手するための手口にすぎません。

返済の代わりに提供を求められる場合

3つめに、返済が厳しくなった顧客に対して闇金が、通帳とキャッシュカードを提供すれば返済を免除または猶予すると提案してくるケースもあります。

返済に窮した顧客は願ってもない助け船とばかりに通帳とキャッシュカードを闇金に渡してしまい、知らずのうちに犯罪に手を染めてしまうことになります。

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことで問われる罪と刑罰

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すのは犯罪行為であることは既にご説明しましたが、具体的に何罪に問われ、どれくらいの刑罰を科されることになるのでしょうか。

犯罪収益移転防止法違反

闇金があなた名義の通帳やキャッシュカードをあなたになりすまして使用することを知りながら提供した場合には、犯罪収益移転防止法違反の罪として1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます(同法第28条2項前段)。

ただ、実際には闇金が通帳やキャッシュカードをどのように使うのかを知らずに渡してしまうケースがほとんどでしょう。その場合でも上記と同じ刑罰が科せられる可能性が高いことに注意が必要です。

この場合には、犯罪成立の要件として次の2点が加わります(同項後段)。

・通常の商取引または金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないこと
・有償で提供すること

闇金のケースで言うと、貸金の条件や返済方法として通帳やキャッシュカードを貸し手に渡すことは、「通常の商取引または金融取引」とは言えず、渡すことに正当な理由は認められません。

また、通帳やキャッシュカードを渡すことで融資が受けられたり、返済の免除や猶予が得られる場合には経済的メリットがあるといえるので、「有償で」提供していることになります。

闇金が不正利用する目的を有していることを知らずに通帳やキャッシュカードを渡した場合、可能性としてはこれらの要件を満たさず罪に問われないこともあり得ます。

しかし、ほとんどのケースでは上記の解説のとおり要件を満たすはずであり、実際に処罰された人も既に数多くいます。したがって、どのような事情があっても闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことは絶対に控えるべきです。

詐欺罪

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すために新たな口座を開設した場合は、銀行に対する詐欺罪が別途成立します。なぜなら、闇金に提供するという目的を銀行が知っていれば口座の開設に応じないはずだからです。

申込者はその目的を隠して銀行から通帳とキャッシュカードを騙し取ったという意味で、詐欺罪が成立するのです。詐欺罪の刑罰は10年以下の懲役です。犯罪収益移転防止法違反の罪よりも格段に重く処罰されることがあるので、くれぐれも注意が必要です。

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すと口座が凍結される?

闇金に通帳やキャッシュカードを渡すと罪に問われるだけでなく、銀行口座が凍結されることもあります。

なぜなら、闇金の取引は出資法に違反する犯罪行為であり、その取引使用される口座は「犯罪利用預金口座」となるからです。このことが発覚すると、銀行は闇金被害をそれ以上増やさないために口座を凍結することとされています。

口座の使用方法に犯罪性が認められた場合には、その口座だけでなく他の銀行の同一名義の口座まで凍結される可能性が高くなります。そうなると引き落としや給料の振り込みなども一切利用できなくなり、生活に支障をきたしてしまうでしょう。

このように、闇金に通帳やキャッシュカードを渡すことには重大なデメリットがあるのです。

闇金に通帳やキャッシュカードを渡してしまったときの対処法

もし闇金に通帳やキャッシュカードを渡してしまったときは、一刻も早くその口座を解約するに尽きます。闇金に不正利用される前に解約できれば実害が発生しないため、犯罪が成立しても厳重注意や不起訴処分となり処罰を免れる可能性もあります。

既に不正利用されてしまった後でも、解約するのは早ければ早いほど望ましいです。早期に解約することによって、

・実害が小さくなる
・処罰を免れるか刑罰を軽くすることにつながる
・口座の凍結を回避できる可能性が高まる

というメリットが得られます。

闇金による被害や借金の悩みは専門家に相談を

闇金に手を出してしまうと法外な金利を要求され、厳しい取り立てを受けるという被害に遭うだけでなく、罪に問われたり口座を凍結されるというリスクも負ってしまいます。

このような闇金には関わらないのが一番ですが、もし闇金と関わって困った事態に陥ったときは弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。

・闇金への返済が苦しい
・厳しい取り立てを受けている
・闇金から通帳やキャッシュカードの提供を要求された
・通帳やキャッシュカードを闇金に渡したことで警察から呼び出しを受けた
・口座を凍結されてしまった
・そもそも借金の返済が厳しい

このような場合は、すぐに専門家に相談しましょう。状況に応じて最善の解決策をアドバイスしてもらえるはずです。問題解決を依頼すれば、闇金や警察への対応から口座凍結の解除依頼、債務整理まで必要に応じてサポートが受けられます。

まとめ

闇金からお金を借りると金利のために金銭的な被害に遭ったり厳しい取り立てを受ける上に、通帳やキャッシュカードを渡せば罪に問われ、口座を凍結されてしまうなど多大なデメリットを受けることになります。

借金を抱えて返済が苦しい方は、闇金に手を出す前に弁護士・司法書士に相談して債務整理で解決しましょう。

もし闇金に手を出し、通帳やキャッシュカードの提供を要求された方や、既に渡してしまった方はできる限り早く弁護士・司法書士にご相談の上、適切に対処しましょう。

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