- 街金はどのような貸金業者か
- 闇金・サラ金となにが異なるのか
- 街金と闇金の見分け方
- 街金でトラブルに遭った場合の対処法
街中やインターネットでは、馴染みのない中小規模の貸金業者の看板や広告を目にすることがあります。それらの多くは「街金」と呼ばれる貸金業者です。
街金の多くは適法の範囲内で営業をしているため、お金を借りることに問題はありません。ただし、中には「闇金」と呼ばれる違法な貸金業者が街金を装い紛れ込んでいる場合があります。そのため街金からの借り入れを検討中の方は、街金に関する正しい知識を身につけ、闇金の被害に遭わないよう気をつける必要があります。
この記事では、以下3点について詳しく解説します。
- 街金とはどのような貸金業者なのか
- 街金と闇金・サラ金の違い
- 街金と闇金を見分ける方法
街金とは
「街金」とは、銀行や大手消費者金融を除いた中小規模の貸金業者のことです。地域に根づいた経営をしていることが多いため、主に地元の方々を顧客に営業をしています。また、審査基準が大手消費者金融と比較して緩い傾向にあるため、他の消費者金融で審査を断られた方が利用する場合もあります。
街金は中小規模で経営していることが多いため、大店舗を通り沿いに構えて営業していることは少なく、多くの場合街中のオフィスビルに店舗を構えています。そのことから「街金」という呼び名がついたとも言われています。
街金と闇金・サラ金の違いは?
街金と闇金・サラ金を同じものとして認識している方がいますが、これらは全くの別物です。街金と闇金・サラ金の違いを以下で解説します。
闇金とは違法な貸金業者
「闇金」とは、貸金業法の登録の有無に関わらず、出資法違反の超高金利で貸し付けを行う違法な貸金業者のことです。闇金は、銀行や消費者金融など、正規の貸金業者から借入ができなくなった債務者をターゲットに融資を行います。
闇金の運営母体は暴力団などの反社会勢力であることが多く、一度借り入れてしまうと執拗な取り立てや嫌がらせにより生活が破壊されます。したがって、闇金からは絶対にお金を借りてはいけません。
サラ金とは大手の消費者金融
「サラ金」とはサラリーマン金融の略称であり、主に大手の消費者金融を指す言葉です。例えば、アコムやプロミスなどの大手の貸金業者がサラ金にあたります。
過去にサラ金という言葉に悪いイメージが付いた時期があり、それ以降サラ金は消費者金融と呼び方を変えています。そのため、サラ金という言葉は現在ほとんど使用されていません。
以下は過去にサラ金と呼ばれていた消費者金融の代表例です。参考にしてください。
- アコム
- プロミス
- アイフル
- レイク
街金と闇金を見分ける方法
街金の多くは貸金業法および出資法を守り、適法の範囲内で営業を行っています。そのため、お金を借りること自体に問題はありません。ただし、中には街金を名乗る「闇金」が紛れ込んでいる場合があります。
「街金だと思って安心して借り入れたら闇金だった!」という事態を避けるためにも、街金と闇金を見分ける方法を確認しましょう。
上限金利を確認する
街金と闇金の基本的な見分け方として、上限金利の確認を行いましょう。上限金利とは、利息制限法および出資法で制限された貸付金利の上限です。
上限金利を超えた融資を行っている業者は、登録の有無を問わず全て違法な闇金業者ですから絶対に借り入れてはいけません。
以下が法律によって定められている上限金利です。参考にしてください。
- 元金が10万円未満 → 年20%
- 元金が10万円以上から100万円未満 → 年18%
- 元金が100万円以上 → 年15%
【参考】『貸金業法のキホン』(金融庁)
登録番号の有無を調べる
借り入れを検討している街金の「登録番号」を調べることで闇金と見分けることが可能です。登録番号とは、正規の貸金業者に必ず振り分けられる番号のことです。
貸金業法により、貸金業者はチラシやインターネット上の画面に登録番号の表示を義務付けられています。そのため、広告に登録番号が記載されているか確認しましょう。もし、登録番号が記載されていなかったらその貸金業者は闇金です。絶対に借り入れてはいけません。
登録番号が記載されていた場合には、その番号が正規の登録番号であるか確認してください。以下の金融庁ホームページの検索ツールから正規の貸金業者を検索することが可能です。
連絡先が携帯電話の場合は闇金
最近の闇金業者は正規の登録番号を無断使用し、あたかも正規の貸金業者であるかのように見せかけることがあります。そのため、上記のツールの検索結果に正規業者の情報が表示されたからといって完全に安心することはできません。
そのような場合には、広告の連絡先を確認してください。貸金業法では、必ず「固定電話の番号」を登録する必要があると義務付けられています。さらに、宣伝広告への携帯電話番号の掲載は一切認められていません。
したがって、広告やホームページに掲載されている連絡先が電話番号であった場合には闇金です。絶対に連絡はしないでください。
日本貸金業協会で違法業者を調べる
日本貸金業協会のホームページでは、実在する貸金業者や関連会社を装った闇金業者、無登録でありながら登録番号の詐称で悪質な勧誘等が判明した闇金業者を調べることが可能です。
業者名や電話番号、住所などから調べることが可能ですから、参考にしてみると良いでしょう。ただし、全ての闇金業者が網羅されているわけではありませんから注意してください。
街金を利用する際の注意点
利用を検討している街金が闇金業者ではない正規の貸金業者である場合は、お金を借りること自体に問題はありません。
ただし、街金でお金を借りるデメリットも存在します。街金を利用する際の注意点を解説します。
大手と比較して金利が高い
街金は、大手の消費者金融と比較して金利が高い傾向にあります。ほとんどの街金業者は、上限金利18.0%〜20%で貸付を行っています。
銀行系カードローンの場合は、おおよそ15%を上限金利に設定しており、アコムやレイクなどの消費者金融の場合、上限金利は18%です。そのため、街金でお金を借りると利息で損をすることになります。
取り立てが厳しい場合がある
ひと昔前にドラマなどで目にしたような過激な取り立ては、現在は貸金業法によって禁止されています。そのため銀行や大手の消費者金融から借り入れた場合、執拗な取り立てが行われることはほぼありません。
ただし、中小規模の悪徳街金から借り入れを行うと、貸金業法に接触しないギリギリの厳しい取り立てがなされる場合があります。例えば、貸付を行った相手の自宅近辺を意味もなく徘徊したり、出勤時の電車内で無言で側に居座りプレッシャーをかけるなどの事例が存在します。
街金からの借り入れには、このようなデメリットが存在するということを理解しておいてください。
街金のトラブルで困った場合の対処法
「街金だと思って借りたら闇金だった…」「街金からお金を借りたものの、自転車操業状態で次がない…」といったトラブルは以下の方法で解決することが可能です。
弁護士・司法書士に依頼する
意図せず闇金問題に巻き込まれてしまった場合、闇金問題に詳しい弁護士や司法書士などの専門家に相談することがおすすめです。
闇金問題の専門家であれば、依頼をすることですぐに執拗な取り立てや、嫌がらせをストップすることが可能です。以下は弁護士・司法書士に依頼するメリットです。参考にしてください。
- 闇金からの取り立て・嫌がらせをストップできる
- 闇金業者との交渉を一任できる
- 借金の返済から解放される
- 生活の立て直しを図れる
債務整理を検討する
街金で借り入れたお金を、他の借金の返済に充てているような「自転車操業状態」に陥っている場合は債務整理を検討してください。
債務整理を行うことで借金を整理し、生活を立て直す事が可能です。この場合も、債務整理に詳しい弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。
以下は債務整理を行うメリットですので参考にしてください。
- 借金の整理をすることができる
- 借金苦から開放される
- 生活を立て直せる
【参考】債務整理とは?種類別に特徴からメリット・デメリットまで総まとめ
まとめ
正規の街金からお金を借りることに問題はありません。ただし、金利が高いことや取り立てのトラブルに巻き込まれる可能性など、デメリットも存在します。
また、街金と闇金業者との見極めも重要です。街金の利用を検討している場合には広告やホームページに記載されている「住所」「電話番号」「登録番号」を必ず確認するようにしましょう。
もし、闇金などのトラブルに巻き込まれた場合には早めに専門家に解決を依頼しましょう。