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闇金の債務者の末路とは?闇金地獄を回避する方法と手を出してしまったときの対処法

闇金の債務者の末路とは?闇金地獄を回避する方法と手を出してしまったときの対処法
今井 亨

監修今井 亨
/グリフィン法務事務所 代表

グリフィン法務事務所は闇金や違法金融に注力する司法書士事務所です。闇金の解決実績は国内ではトップクラスです。

この記事でわかること
  • 闇金に手を出すと家庭崩壊や退職に追い込まれる可能性が高い
  • 取り立てから逃れるために夜逃げや自殺に追い込まれる債務者もいる
  • 闇金に手を出す前に債務整理をすれば借金問題は解決できる
  • 闇金に手を出してしまった場合は弁護士・司法書士が頼りになる

闇金は、法外な金利でお金を貸付け、債務者が支払えなければ非常に厳しい取り立てや嫌がらせ行為を行う違法業者です。そんな闇金業者のことを怪しいと思いつつも、「すぐに返せば大丈夫だろう」と考え、闇金からお金を借りてしまう人が跡を絶ちません。

しかし、闇金は債務者を追い込んで多額のお金を支払わせることを初めから目的としているので、「すぐに返して終了」というわけにはいきません。

取り立てや嫌がらせ行為によって闇金地獄に追い込まれ、取り返しのつかない末路を迎えてしまう人が少なくないので、闇金には絶対に手を出さないようにしましょう。

この記事では、闇金に手を出した債務者がどのような末路を迎えるのか、そんな末路を回避するためにはどうすればよいのかについてわかりやすく解説します。

闇金から借りた債務者の末路

闇金地獄に陥ると精神的にも追い込まれてしまい、以下のような末路を迎える人が実際にいます。

人間関係が破壊される

ほとんどの人は、闇金からお金を借りたことを誰にも言わず秘密にしています。しかし、返済できなければ闇金から家族や親戚、友人などに連絡が入り、借金のことをばらされてしまいます。その電話も1回だけでなく頻繁にかかってくるため、関係者にも多大な迷惑がかかります。

その影響で離婚問題に発展したり、親戚や友人から見放されるなどして人間関係が全般的に破壊されてしまいます。

退職に追い込まれる

債務者の職場に連日のように電話をかけるというのも闇金の常套手段です。仕事中に闇金から頻繁に電話がかかってきたのでは、会社の業務に支障をきたしてしまいます。

そのため、会社から「このままでは仕事にならないから辞めてほしい」と言われ、退職を余儀なくされることがよくあります。

夜逃げをしてしまう

取り立てや嫌がらせ行為から逃れるために、夜逃げをする人も実際にいます。しかし、夜逃げをすると以下のような状況に追い込まれるため、非常に厳しい生活を強いられることになります。

  • 住民票を異動できない(異動すると居場所を突き止められる)
  • 健康保険が使えなくなり医者にかかれない
  • 免許などの更新もできない
  • 賃貸住宅の契約ができない
  • 年金など公的手当の受給も難しくなる
  • 郵便物を受け取れない
  • 子どもの転校手続きができない
  • 仕事に就くことも難しくなる

通常の生活を営むことが難しくなりますので、ホームレスになる人もいます。

自殺に追い込まれる

多額の借金を抱えると精神的に追い込まれるものですが、闇金地獄に陥ると「いっそ死んだ方が楽かもしれない……」という考えが頭をよぎり、自殺に追い込まれてしまう人もいます。

厚生労働省の調査によると、例年、自殺の原因で最も多いのは健康問題ですが、2番目に多いのが経済・生活問題です。資料に記載はありませんが、借金問題で自殺をする人の中には闇金地獄に陥った人も少なくないと考えられます。

犯罪に手を染めてしまう

闇金地獄で身動きが取れない状況の中で、自殺をするのではなく何とかしてお金を返そうと考え、窃盗や強盗、横領などの犯行に走ってしまう人もいます。

それよりも多いのは、闇金業者からの提案に応じて犯罪の片棒を担いでしまう人です。闇金業者は、返済できなくなった債務者に対して以下のような行為を要求し、応じれば返済を免除するという提案をしてくることがあります。

  • 銀行口座を譲渡する
  • 携帯電話やスマホを譲渡する
  • オレオレ詐欺の受け子などを実行する

これらの行為はいずれも犯罪に該当します。知らなかったとしても罪に問われますし、近年はこれらの犯行で逮捕される人が増えています。

闇金地獄に陥る人に多いパターン

お金に困った人のすべてが闇金地獄に陥るわけではありません。闇金地獄に陥ってしまう人に多いパターンは以下のとおりです。

多重債務を抱えている

闇金に手を出す人のほとんどは、すでに多額の借金を抱えています。生活費・買い物・ギャンブル・その他、借入の理由はさまざまですが、正規の貸金業者からの借入でも一定の金利はかかります。

返済が厳しくなると他社から借りたお金を返済に充てるようになり、借入先の件数が増えていきます。こうなると利息が利息を呼んで借金総額も膨れ上がり、多重債務の状態に陥ってしまいます。

正規の貸金業者から借りられなくなる

借金が増えてくると、やがて「総量規制」により正規の貸金業者からは借入ができなくなります。総量規制とは、年収の3分の1を超える借入はできないという貸金業法上のルールのことです。消費者金融からの借入の他、クレジットカードでのキャッシングにも総量規制が適用されます。

銀行のカードローンには総量規制が適用されませんが、収入に比して借金総額が大きくなるとやがて利用できなくなります。返済を滞納してブラックリストに登録されると、正規の貸金業者からはどこからも借りられなくなります。

闇金から数万円を借りる

闇金は、総量規制に引っかかった人やブラックリストに登録された人にもお金を貸してくれます。多重債務の返済に追われている人の中には、「ブラックOK」「すぐに貸します」といった広告を目にして、わらにもすがる思いで融資を申し込んでしまう人がいます。

闇金が貸してくれる金額は、最初は数万円であることが一般的です。数十万円の融資を申し込んだ人に対しても、「まずは少額から実績を作ってください」と言って数万円を貸し付けるのです。

債務者の方も、金利が高いとは思っても数万円なら「すぐに返せば大丈夫」と甘く考えて借りてしまいます。

法外な利息を要求される

闇金の金利はトサン、トゴといった法外な水準であることが一般的です。

  • トサン:10日で3割、年1,095%
  • トゴ:10日で5割、年1,825%

3万円をトサンで借りたとすると、10日後に39,000円を支払わなければなりません。支払えない場合は、10日ごとに利息の9,000円のみを支払うこともできますが、元金は一切減らないという仕組みになっています。

嫌がらせを恐れて身動きが取れなくなる

債務者が利息の支払いもできない状態になると、闇金は脅迫的な言動で取り立てたり、さまざまな嫌がらせ行為をしてきます。主な嫌がらせ行為として、以下のようなものが挙げられます。

  • 昼夜を問わず、取り立ての電話が頻繁にかかってくる
  • 家族や友人、職場に取り立ての連絡をされる
  • 自宅の玄関や壁に「金を返せ」「ドロボー」などの貼り紙をされる
  • 大量の出前やデリバリーを届けられる
  • 救急車や消防車を呼ばれる

嫌がらせを止めてもらうためには利息だけでも支払う必要がありますが、お金を用意できなければ身動きが取れなくなってしまいます。

闇金の追加融資に応じてしまい「借りては返す」を繰り返す

闇金と縁を切ることを決意する女性の漫画

闇金は真面目にコツコツと返済をする利用者には追加融資を提案してきます。カモだと思ったら、徹底的にお金を搾り取ろうとするわけです。

闇金の貸し付けはご存知のように超高金利です。

「お金を追加融資しようか…」と持ちかけられて、せっかくの提案だからとそれを受け入れてしまっては、元金は膨れ上がり、借りては返すを繰り返すことになります。

いつまで経っても闇金地獄から抜け出せずに状況は悪くなるばかりです。融資の案内を受けても、きっぱりと断り、できるだけ早く闇金とは縁を切ることが大切です。

闇金地獄に陥らないためにできること① まだ闇金に手を出していないケース

いったん闇金に手を出すと、以上のように取り返しのつかない末路を迎えてしまう危険性があります。多額の借金返済で困っている場合、債務整理をすることで解決できます。

債務整理は国が認めた借金減額、返済免除ができる手続きです。弁護士・司法書士に依頼すれば、その人に合った最適な手続きをおこなってくれます。

闇金に手を出す前に、以下の方法で借金問題を解決することが非常に重要です。

任意整理で毎月の返済額を減らす

毎月の返済額を減らせば返済の継続が可能な場合は、任意整理がおすすめです。

任意整理は、債権者と直接交渉することによって将来利息をカットしてもらい、返済期限も可能な範囲で延長してもらうことによって毎月の返済額を減らすことが可能な手続きです。

裁判所の手続きを利用しないため、比較的簡便な手続きで行うことができ、家族など周りの人に知られにくいというメリットもあります。

個人再生で借金総額を減らす

多額の借金を抱えてしまったものの、安定収入はあるという場合には個人再生がおすすめです。

個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金総額を大幅に減らすことができる手続きです。借金総額が原則的に5分の1まで減額されるので、毎月の返済額も任意整理の場合より大幅に減らせます。

また、一定の要件を満たす場合には「住宅ローン特則」を適用してマイホームを手元に残すこともできます。

自己破産で借金をゼロにする

個人再生をしても返済が見込めない場合や、収入が乏しい場合は自己破産を検討しましょう。

自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務をすべて免除してもらうことができる手続きです。

一定の評価額を超える財産を処分する必要がありますが、生活に必要な財産の他にも意外に多くの財産を手元に残すことが可能です。多くの場合は自己破産をしても特に生活に支障をきたすことはありません。

「自己破産だけは回避したい」と多くの人が考えるのも無理はありませんが、悲惨な末路を避けるためには闇金に手を出す前に自己破産、または他の債務整理を検討すべきであるといえます。

闇金地獄に陥らないためにできること② すでに闇金に手を出してしまったケース

すでに闇金に手を出してしまった場合でも、適切に対処すれば悲惨な末路を回避することは可能です。できる限り早期に、以下の対処法をとることを強くおすすめします。

返済はしない

まず、闇金に対しては元金も含めて1円も返済する必要はないということを覚えておきましょう。法外な金利を伴う貸付はそれ自体が不法行為となり、闇金業者の金銭返還請求権は法律上認められないことが最高裁判所の判例でも認められています。

「元金だけは返した方がよいのでは」と考える人も多いですが、元金を返済しても闇金地獄から抜け出すことはできません。闇金業者は真面目にお金を支払う人を「カモ」であると捉え、さまざまな名目で支払いを要求してくるからです。

闇金地獄から抜け出すためには、「1円も支払わない」という方針を固めることが大切です。

警察に相談する

闇金に返済しなければ、当然ながら厳しい取り立てや嫌がらせ行為を受けてしまいます。そんなときには、警察に相談することで解決できる場合もあります。

ただし、警察は刑事事件による実害が生じているような場合でなければ動いてくれないことも知っておきましょう。警察が動いてくれるのは、以下のような場合です。

  • 脅迫罪や恐喝罪、暴行罪、器物損壊罪等に該当するような取り立て、嫌がらせを受けている
  • すでに多額の利息を支払ってしまった

弁護士・司法書士に対応を依頼する

闇金に手を出してしまったときは、弁護士または司法書士という法律の専門家に対応を依頼することが最も有効な解決方法となります。

弁護士・司法書士は警察とは異なり、依頼者が闇金からの取り立てや嫌がらせ行為から解放されるように即座に対応してくれるからです。

身の危険が差し迫っているような場合にはすぐ警察に通報すべきですが、基本的にはまず弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。

闇金業者に対して弁護士・司法書士ができること

依頼を受けた弁護士・司法書士は、闇金業者に対して以下のように対応してくれます。

  • 取り立てや嫌がらせ行為を止めるように警告してくれる
  • 闇金に1円も支払わずに済むよう交渉してくれる
  • すでに支払ったお金を取り戻してくれることもある
  • 刑事告訴も代行してくれる

闇金業者は、専門家に依頼した債務者にお金を支払わせるのは非常に難しいことを熟知しています。また、取り立てや嫌がらせ行為を続ければ刑事告訴されてしまうことも知っています。

そのため、専門家が闇金業者に警告すれば、すぐに取り立てや嫌がらせ行為が止まる可能性が非常に高いのです。

依頼するために費用はかかりますが、闇金に払い続けることを考えればメリット以外ありません。多くの専門家は支払い方法について柔軟に対応してくれますので、躊躇せず弁護士・司法書士のような専門家に相談した方がよいでしょう。

まとめ

闇金地獄に陥り、悲惨な末路を迎えた人のほとんどは、「ほんの数万円を借りるだけ。すぐに返せば大きな問題にはならない」と考えて手を出してしまいます。

しかし、いったん借りた顧客に対して法外な金利を要求し、完済できないようにして次々に利息を支払わせるのが闇金の手口です。闇金の要求に応じてお金を支払っていると、たちまち闇金地獄に陥り、悲惨な末路を迎えることにもなりかねません。

闇金からお金を借りようと考えている人も、すでに借りてしまった人も、弁護士・司法書士の力を借りて借金問題を解決し、平和な生活を取り戻しましょう。

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