債務整理とは?種類別に特徴からメリット・デメリットまで総まとめ

この記事でわかること
    債務整理とは

  • 債務整理は法律で認められた借金整理の手続きである
  • 借金返済が苦しい場合、債務整理をするのは適切な選択である
  • 任意整理、個人再生、自己破産から自身にあう手続きを選んでおこなう
  • クレジットカードは使えなくなるが、その他の日常生活のデメリットは少ない
  • 債務整理は、弁護士・司法書士に依頼するのが確実な方法である

現在、日本では1,000万人以上が消費者金融などの貸金業者を利用し、その内の200万人は借金返済が困難な多重債務に陥っていると言われています。

債務整理は多重債務に苦しむ人の救済措置であり、法律に基づいて借金を整理する方法です。各個人の借入状況や返済能力から最適な債務整理を行うことで、借金の負担を大幅に減らすことができます。

この記事では、債務整理の特徴やメリット・デメリットを種類別に解説します。

債務整理とは

債務整理とは、借金の返済が困難な人を救うための法的手段です。債務整理にはいくつかの種類がありますが、それらの中から、ご自身の借金の借入状況や返済能力などを考慮し、最適な手段を選択します。

債務整理の主な種類は下記の通りです。

※特定調停について
上記の他にも、裁判所が選定した調停委員を介しておこなう「特定調停」という手続きがあります。この特定調停は、借金の減額幅が少ない割には書類の用意や手続きに手間が必要です。調停委員が債務整理に詳しくないケースが多く、申立人に不利な調停結果になることがよくあります。債務整理の手段として特定調停を選択するメリットはほとんどないと言えるでしょう。

任意整理 個人再生 自己破産
借金の減額幅 △ 月々の返済額が減る ○ 借金が1/5まで減額 ◎ 借金返済免除
手続きの期間 ◎ 1~3ヶ月 △ 約6ヶ月 ☓ 6~12ヶ月
官報への掲載 ☓ 載らない ○ 住所・氏名が掲載 ○ 住所・氏名が掲載
会社・家族にバレる? ◎ バレない ○ バレずに手続き可 ○ バレずに手続き可
仕事 ○ 影響なし ○ 影響なし ○ 一部の仕事につけない
自家用車 ○ 影響なし △ ローンがあれば手放す ☓ 手放すことになる
マイホーム ○ 影響なし ○ 影響なし ☓ 手放すことになる

債務整理をするメリット・デメリットとは

債務整理のメリットは、法的な手段に基づいた手続きにより、「借金の返済額を減額できる」「返済を免除してもらえる」ことです。さらに、弁護士や司法書士に債務整理の依頼をすれば、その時点で貸金業者からの催促や取り立てをストップできます。また、過払い金があれば返還請求をすることで、貸金業者に払い過ぎた利息が返ってくることもあります。

反対に、債務整理のデメリットとしては、新たな借入ができません。クレジットカードの作成も5〜10年程度できなくなります。また、弁護士や司法書士に依頼すれば費用がかかることがあげられます。

しかし、将来的に返済の見通しが立たないのであれば、債務整理は借金問題を解決するための最も有効な手段です。専門家に依頼して、どの債務整理の方法がご自身にとって適切であるか相談することを強くお勧めします。

債務整理の種類①. 任意整理

任意整理とは、裁判所を介さずに債権者と債務者の当事者同士で債務整理する方法です。

債務者は弁護士や司法書士に依頼し、貸金業者と今後の返済計画について協議してもらいます。当事者同士のやりとりとなるため、柔軟な返済計画が立てられます。また、金利の引き直し計算によって過払金が見つかった場合は、元金から差し引くことが可能です。

ここでは、任意整理に適した人やメリット・デメリットをご紹介します。

任意整理に適した人とは

任意整理に適した人は下記の通りです。

  • 借金の総額が比較的少額の人
  • 任意整理は、当事者同士の話し合いにより無理のない返済計画を策定し、3〜5年で完済することを目的とした手続きです。ご自身の経済状況や返済能力に応じて返済を続けていく方法ですので、借金の総額が比較的少ない人に適しています。

  • 過払い金の可能性がある人
  • 借金返済を長期間続けている人は、過払い金が発生している可能性があります。任意整理する際に、元金から過払い金を差し引くことができるため、返済額を減らすことが可能になります。また、過払い金の金額が大きい場合は、借金総額を超えることもあり、相殺した残金が返還されるケースもあります。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは下記の通りです。

  • 借金が減額できて計画的な返済ができる
  • 裁判所に申し立てず当事者同士で話し合うため、手続きから解決までのスピードが早い
  • 引き直し計算(過払い金)によって元金が減る可能性がある
  • 任意整理の対象とする債務を選べる(家、車のローンなどは除外することが可能)

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットは下記の通りです。

  • ブラックリストに載る
  • 貸金業者が話し合いに応じない可能性がある(任意の協議となるため強制力はない)
  • 返済ができない場合、貸金業者に給料などを差し押さえられる可能性がある

債務整理の種類②. 個人再生

個人再生(個人版民事再生)とは、裁判所を介して債務整理を行う方法です。債務者が裁判所に提出する再生計画案が認可されれば、マイホームや車などの財産を残しながら借金額を大幅に減額できます。

裁判所を通す債務整理には特定調停という方法もありますが、特定調停は当事者同士が合意しなければ成立しません。しかし、個人再生の場合、債務者が一定の条件をクリアしていれば貸金業者は債務整理に必ず合意しなければならないという強制力を持っています。

ここでは、個人再生に適した人やメリット・デメリットをご紹介します。

個個人再生に適した人とは

個人再生に適している人は下記の通りです。

  • 借金額が大きい人
  • 複数の貸金業者に借金をしている人
  • 給与所得を得ている人
  • マイホームを手放したくない人

個人再生のメリット

個人再生のメリットは下記の通りです。

  • 再生計画案が通れば大幅な借金減額が可能
  • マイホームを失わずに債務整理できる
  • 給与の差し押さえを止められる

個人再生のデメリット

個人再生のデメリットは下記の通りです。

  • 手続きが複雑なため、他の債務整理と比べ費用や時間がかかる
  • 利用できるのは裁判所の認可を得た場合のみ
  • (将来に渡って給与等の収入があり、裁判所に再生計画案を認可してもらわなければ利用できない)

債務整理の種類③. 自己破産

自己破産とは、支払い能力がないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の返済義務が免除される制度です。

マイホームや車などの資産は手放さなければなりませんが、何もかもが没収されるという訳ではなく、生活するために最低限必要なものは残されます。自己破産をしたからといって、仕事に支障が出たり、生活ができなくなったりということはありません。

ここでは、自己破産に適した人やメリット・デメリットをご紹介します。

自己破産に適した人とは

下記のような場合、自己破産の手続きを選択するのが適切ということになります。

  • 収入よりも月々の返済額が大きく上回る
  • 将来的に完済の見込みがない
  • 資産を手放しても借金が残る

自己破産は裁判所の免責許可が必要ですが、借金の原因によっては免責が認められない可能性があるため注意が必要です。

自己破産のメリット

自己破産のメリットは下記の通りです。

  • 裁判所に免責が許可されれば借金返済免除となる
  • 貸金業者による給与の差し押さえをストップできる

自己破産のデメリット

自己破産のデメリットは下記の通りです。

  • マイホームや車などの資産は手放さなくてはならない
  • 官報に氏名や住所が掲載される
  • ブラックリスト(信用情報機関)に掲載され、一定期間新規の借入やクレジットカードの作成ができない

債務整理の種類④. 過払い金請求

過払い金請求とは、支払い過ぎた利息を貸金業者に返還請求する手続きのことです。
2010年に施行された改正貸金業法により、利息制限法の制限金利(15〜20%)を超える利息は過払い金として扱われるようになりました。

かつて、出資法上限金利(29.2%)と利息制限法(15~20%)の間のグレーゾーン金利と呼ばれる利率でお金を貸していた貸金業者はたくさんいました。そのため、払い過ぎた利息、つまり「過払い金」があれば返還請求することができます。

ここでは、過払金請求に適した人やメリット・デメリットをご紹介します。

過払い金請求に適した人とは

下記のようなケースに当てはまる場合、過払い金が発生している可能性があります。複数の貸金業者に長期に渡って返済を続けていたケースでは、100万円以上もの過払い金があることもあります。

まずは、弁護士や司法書士に確認してもらうのがおすすめです。

  • 2010年以前に貸金業者やクレジットカードで借入をしていた人
  • 2010年以前に貸金業者から借入をしていた場合、利息を払い過ぎている可能性があります。かつてはグレーゾーン金利での貸し金は当たり前のようにおこなわれていましたので、それ以前に対面での借り入れ、クレジットカードでのキャッシングをおこなっていた場合、過払い金が発生している可能性は高いでしょう。

  • 過去10年以内に借金を完済した人
  • すでに借金は完済したからといって過払い金請求を諦める必要はありません。過去10年以内に貸金業者に借金を完済した後でも過払い金請求をすることは可能です。しかし、過払金請求できるのは完済日から10年以内という期限があるためご注意ください。

  • 複数の貸金業者から借入をしていた人
  • 複数の貸金業者から借り入れ、返済をおこなっていた場合、その貸金業者名を弁護士・司法書士に伝えれば過払い金が発生しているかどうかを調べてくれます。さらには、利息の引き直し計算までおこなってくれて具体的な過払い金の金額を知ることができます。また、社名・名称が変わった貸金業者もありますが、専門家なら追跡して調べてくれますので相談してみる価値はあります。

過払い金請求のメリット

過払い金請求のメリットは下記の通りです。

  • 払い過ぎた利息がすべて戻ってくる
  • 借金完済済みの場合はブラックリスト(信用情報機関)に登録されない
  • 任意整理をしている場合は差し引き計算によって元金を減額できる

過払い金請求のデメリット

過払い金請求のデメリットは下記の通りです。

  • 借金返済中に過払い金請求をするとブラックリスト(信用情報機関)に登録される
  • 完済日から10年経つと過払金請求ができない
  • すでに貸金業者が倒産している場合は過払金請求が困難になる

債務整理を成功させるために弁護士や司法書士ができること

債務整理を成功させるには、借金関連に詳しい弁護士や司法書士に依頼するのがおすすめです。

個人でも債務整理の申し立ては可能ですが、法律知識のない個人が自分に有利なように交渉・手続きをおこなうのは容易ではありません。弁護士や司法書士は裁判所や貸金業者とのやり取りに慣れているため、債務整理をスムーズに進めていくことができます。

法律の専門家として、弁護士や司法書士は下記のようなサポートが可能です。

  • 借金の取り立てをすぐにストップできる
  • 借金額を大幅に減らせる、もしくは免除できる
  • どの方法を取るべきか専門的な立場からアドバイスできる
  • 煩雑で手間がかかる手続きをすべて代行できる

1人で解決しようとせず、まずは弁護士や司法書士に相談してみましょう。

まとめ

債務整理は、借金返済に苦しむ人を救うための法的手段です。債務整理の種類によって、適している人やメリット・デメリットはそれぞれ異なります。

借入状況や返済見込みなど様々な状況を考慮して債務整理の方法を決める必要があるため、法律の専門家である弁護士や司法書士に相談し指示を仰ぐのがおすすめです。

専門家の力を借りながら、自分に合った方法で債務整理を進めていきましょう。

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