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お金を返したのに返せと言われた!証拠がないと言われたときの対処法

お金を返したのに返せと言われた!証拠がないと言われたときの対処法
この記事でわかること
  • お金を返したのに不当請求されるケースが個人間で増えている
  • 不当請求されたときは基本的に放置しても構わない
  • お金を返した証拠を残しておくことは重要である
  • 証拠がなくても債務整理をすれば解決できる

個人間の借金では、借りたお金を返したのに返せと言われたり、返したことを説明しても「証拠がない」と言われるようなトラブルが少なくありません。

中には、借りてもないお金まで返せと言われる悪質なケースもあります。このようなとき、「すでに返した」「返す必要はない」といったことを相手に主張しても、それを受け入れてもらえる可能性は低いでしょう。

返したことを認めさせるためには、法律上の返済義務の有無を確認した上で、必要に応じて証拠も用意して反論する必要があります。

この記事では、お金を返したのに返せと言われた場合をはじめとして、個人間で不当な金銭要求を受けた場合の解決方法を解説します。証拠がないときの対処法もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

個人間でお金を不当に請求される5つのパターン

個人間で不当な金銭要求が行われ、トラブルになるケースは意外に多いです。ここでは、よくある典型的な5つのパターンをみておきましょう。

お金を返したのに証拠がないと言われた

最もよくあるパターンは、お金を借りた側が全額返済したのに、貸した側の記憶があいまいとなり返済の証拠がないことを理由として、さらに返済を請求してくるというものです。

個人間の借金では、貸金業者との取引とは異なり借用書や契約書を作成せず、取引履歴を記録することもなく、領収書や完済証明書なども発行しないことが多いものです。

そして、自分は返済したことをはっきり覚えていても、相手が明確に覚えていないことはよくあります。そのとき、返済した証拠がなければ「まだ返してもらってないはずだ」と考えてしまい、返済を請求してきます。

お金を返したのに返してないと言われた

お金を返したのに返してないといわれる場合、貸主が返してもらったことを忘れているケースの他にも、以下のようにいくつかのケースがあります。

  • 当事者間に金額の認識に相違があるケース
  • 借主を脅して不当にお金を巻き上げようとしているケース
  • 元金を返すだけでは完済したことにならないと主張するケース

借用書や契約書を作成していなければ、当事者間で借入金額の認識に相違が生じることもあるでしょう。例えば、借主は10万円しか借りたつもりがないのに、貸主は15万円貸したと認識しているようなケースです。

お金の貸し借りを何度も繰り返しているうちに借入残高がわかりにくくなり、認識に相違が生じることはよくあります。

また、貸主が悪意を持って「返してない」と言い張り、借主からお金を巻き上げようとするケースも見受けられます。特に、借主が家族等に内緒で借金をしている場合には、「バラされたくなければ金を払え」と脅されると無視するわけにもいかないでしょう。

元金を返すだけでは完済したことにならないと主張するケースとしては、この後にご説明する「返したお金とは別に支払えと言われた」ケースと、「もらったはずのお金を返せと言われた」ケースがあります。

返したお金とは別に支払えと言われた

借主が元金を全額返しても、それとは別に貸主が支払いを要求するケースも見受けられます。貸主が主張する口実として多いのは、以下のようなものです。

  • 利息が残っている
  • 手数料がかかる
  • 迷惑料(遅延損害金)を払ってもらわなければならない

利息や手数料、遅延損害金などについて、当事者間で合意していなかったとしても、返済が遅れると貸主が腹立ちまぎれに要求することになりがちです。

その他にも、やはり貸主が悪意を持って借主からお金を巻き上げようとするケースもあります。

もらったはずのお金を返せと言われた

もらったはずのお金について、後から「返せ」と要求されるトラブルも数多く発生しています。このパターンでは、次の2つのケースが考えられます。

  • 受け取った側は「もらった」つもりでも、渡した側は「貸した」つもりだった
  • もらった後に、あげた側の気が変わって返還を要求してきた

「もらった・あげてない」というトラブルでは、法律上の返済義務の有無を慎重に判断する必要があります。

借りてもないお金を返せと言われた

借りてもないお金を返せと言われるパターンでは、以下のようケースが考えられます。

  • 家族の借金について返済を迫られるケース
  • 他人に名義を無断使用されたケース
  • 勝手に保証人にされたケース

これらの場合、ご自身は借主ではないので基本的に返済義務はありません。ただし、借主との関係性によっては返済義務が生じることもあるので注意が必要です。

お金を返したのに支払義務が残るケース

お金を返したのに支払義務が残るケース

借りたお金を全額返したつもりでも、以下の場合には支払義務が残ることがあります。

金額の認識が当事者間で異なる

借主には10万円を借りたという認識しかなくても、実際に借りた金額が15万円であれば、10万円を返済しただけでは完済したことにはなりません。残り5万円の返済義務が残ります。

ただし、15万円を貸したことを証明する責任は貸主側にあります。貸主が裁判を起こしたとしても、証明できなれば残り5万円の返済義務は認められないことになるのです。

この場合には、借主側からの「証拠がない」という反論が認められることになります。

利息や遅延損害金が残っている

利息や遅延損害金の支払いを当事者間で合意していた場合は、元金を全額返済しても利息・遅延損害金の支払い義務が残ります。

なお、利息と遅延損害金の上限利率は、利息制限法で以下のとおりに定められています。

借入額利息の上限利率遅延損害金の上限利率
10万円未満年20%年29.2%
10万円以上~100万円未満年18%年26.28%
100万円以上年15%年21.9%

利息については、借入時に合意がなければ支払い義務はありません。

それに対して、遅延損害金は借入時に合意がなくても法定利率に基づき支払い義務が生じます。個人間の借金における遅延損害金の法定利率は、民法で以下のとおりに定められています。

借入の時期遅延損害金の法定利率
2020年3月31日以前年5%
2020年4月1日以降年3%

お金を返した証拠がない

元金だけでなく利息や遅延損害金も含めてすべての債務を返済すれば、理論上は返済義務が消滅します。

しかし、お金を返した証拠がなければ、裁判では返済した事実が認められず、事実上は返済義務が残ることもあります。

とはいえ、貸主が裁判を起こすためには、貸主の側でお金を貸したことを証明しなければなりません。貸主がこの証明に成功し、借主が返済した事実を証明できない場合は、返済義務が残ることになります。

お金を返した証拠としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 領収書
  • 振込明細書
  • 通帳
  • 完済証明書

振込みで返した場合には、振込明細書や通帳の履歴などで比較的容易に証明できるはずです。振込明細書や古い通帳を廃棄している場合は、銀行から取引履歴を取り寄せましょう。

店舗がある銀行では過去10年分の取引履歴を発行してもらえることが多いですが、ネットバンクでは古い履歴を発行してもらえないこともあるので注意が必要です。

その場合、弁護士に依頼すれば「弁護士会照会」や、裁判上の「文書送付嘱託」「調査嘱託」などで古い履歴を入手できる可能性もあります。

手渡しで返した場合も、返済資金を引き出したときの通帳の履歴などで証明できることが多いので、まずは上記の資料が手元にないかを確認しましょう。

有力な証拠が手元にないときは、弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。

もらったお金を返す義務はある?

次に、もらったお金を返す義務があるかどうかについて、詳しく解説します。

贈与の場合は返す義務がない

本当にお金をもらった場合は、当事者間に贈与契約が成立してします。

贈与されたものを返す必要はありませんので、後に相手の気が変わったとしても返済する義務はありません。

贈与に当たらなければ返す義務が生じることも

実際には、「もらう」のか「借りる」のかが不明確なまま、お金の受け渡しが行われることも多いものです。

この場合には、お金の受け渡しが贈与契約に当たるのか、金銭消費貸借契約に当たるのかを慎重に判断しなければなりません。

贈与契約と金銭消費貸借契約との決定的な違いは、後日返済するという合意があったかどうかです。借用書や契約書がなくても、合意があれば金銭消費貸借契約に当たり、返済義務が生じます。

ただし、合意があったことを証明する責任は貸主側にあります。貸主側が合意を証明できない場合は、事実上、返済義務は残らないことになります。

返す約束をした場合は返す義務がある

たとえ贈与としてお金をもらった場合でも、相手とのやりとりの中で返す約束をした場合には、約束どおりに返す義務が生じる可能性があります。

いったんお金をもらったとしても、その後にどのような契約を結ぶかは当事者の自由です。返す約束をした時点で、準消費貸借契約あるいは贈与契約が成立することもあるので注意が必要です。

ただし、この場合も返す約束がなされたことを証明する責任は相手にあります。相手が証明できない場合は、事実上、返す義務はないことになります。

他人の借金を返す義務はある?

次に、自分で借りたわけではない、他人の借金を返せと言われた場合の返済義務の有無について、わかりやすく解説します。

配偶者の借金は返す義務が生じることも

家族の借金であっても、自分が保証人になっていない限り、原則として返す義務はありません。

ただし、配偶者が生活費や子どもの教育費などのために借金をした場合は注意が必要です。

夫婦の一方が共同生活に必要不可欠な費用の支払いのために負った借金は「日常家事債務」というものに該当し、配偶者も連帯して返済する義務を負います。

他人に名義を無断使用された場合は原則として返す義務はない

他人に自分の名義を無断で使用されて勝手に借金された場合は、原則として返す義務はありません。名義を使用された本人には契約する意思がないからです。

ただし、借金をした人に対して何らかの代理権を与えたことがある場合には、金銭消費貸借の代理契約が有効に成立する可能性もあります。その場合には名義人に返済義務が生じることに注意が必要です。このことを「表見代理」といいます。

例えば、金融機関から融資を受けるために委任状や実印を知人に渡したところ、知人が委任状や実印を転用して個人からお金を借りた場合などが考えられます。

勝手に保証人にされた場合は原則として返す義務はない

自分が知らないうちに他人の借金の保証人にされた場合も、原則として返す義務はありません。名義を使用された本人には保証契約をする意思がないからです。

ただし、名義を無断で使用されて勝手に借金された場合と同様に、表見代理が成立することがあり得ます。その場合には、保証人として返済義務を負うことになります。

借りてもないお金を返せと言う相手を罪に問える?

借りてもないお金や、既に返したお金を返せと言われた場合には、相手を以下の罪に問えることがあります。

刑罰罪に問えるケース
暴行罪2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金
または拘留もしくは科料
取り立ての際に暴力を振るわれた場合など
傷害罪15年以下の懲役
または50万円以下の罰金
暴力を振るわれて怪我をした場合
脅迫罪2年以下の懲役
または30万円以下
取り立ての際に脅された場合
恐喝罪10年以下の懲役反抗を抑圧しない程度の脅迫により支払いを要求された場合
強盗罪5年以上の有期懲役反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫により支払いを要求された場合
詐欺罪10年以下の懲役支払い義務があると騙されて支払いを要求された場合

以上のうち、詐欺罪以外の犯罪は、支払い義務がある場合でも成立する可能性があります。

また、支払い義務がある場合に、年109.5%を超える利率で利息を要求された場合は、出資法違反の罪に問うことも可能です。刑罰は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方です。

その他にも、状況次第でさまざまな犯罪が成立する場合もあります。

悪質なケースでは、刑事事件の手続きで取り立てを止めることが可能な場合もありますので、警察や弁護士に相談してみましょう。

個人間で不当請求を受けて証拠がないときの対処法

不当請求を受けた時の対処法

個人間で不当請求を受けた場合、お金を返した証拠があれば、証拠を突きつけて支払いを拒否することになります。

証拠がなく、相手が請求をやめない場合には、以下のように対処していきましょう。

無視して放置する

基本的には、支払い要求を無視して放置すれば足ります。民事上の支払い請求権は、請求する側が裁判を起こして勝訴しなければ、強制できるものではないからです。

返済を求める裁判を起こすためには、お金を貸したという証拠が必要です。相手に証拠がない場合は裁判ができません。そのため、返済義務がないのなら放置するだけで構いません。

もし、裁判を起こされた場合は、相手が偽造した証拠を提出する可能性が高いです。その場合には、証拠が真正なものでないことを立証できれば相手が敗訴します。

例えば、偽造した借用書を提出された場合、借主のサインの筆跡が異なっているはずなので、その点を主張・立証することになります。

債務不存在確認訴訟を起こす

放置するだけでは相手からの支払い要求が止まらない場合には、債務不存在確認訴訟という裁判を起こすことも考えられます。

債務不存在確認訴訟とは、支払いを請求されている側が提起し、債務がないことを裁判所に確認してもらう裁判のことです。

お金を返した証拠がなくても、債務不存在確認訴訟は起こせます。債務不存在確認訴訟でも、相手が債権の存在を主張するのなら相手の責任でそのことを主張・立証しなければならないからです。

弁護士を通じて交渉する

相手からの支払い要求を止めるための最も現実的な方法は、弁護士に依頼して警告してもらうことです。弁護士は、代理人として相手とのやりとりを全面的に代行します。

弁護士から相手に内容証明郵便を送付して警告すれば、それだけで支払い要求が止まるケースも多いです。

それでも支払い要求が止まらない場合は、弁護士が代理人として相手に対応します。法的な支払い義務がないことを説明し、不当な請求をやめるように交渉します。

場合によっては、相手方が弁護士を無視して直接支払いを要求してくることもあります。

その場合には、債務不存在確認訴訟の他、警察への被害届や告訴状の提出など刑事事件としての対応を含めて、弁護士が最善の解決策を進めていきます。

支払義務が残っているときの解決方法

支払い要求を受けた側が不当請求だと思っても、法律上は支払い義務が残っていることもあります。

その場合には、以下の解決方法が有効です。

支払額や支払方法を交渉する

まずは、相手と交渉しましょう。当事者間で合意すれば、支払額や支払方法は自由に変更できますので、誠意をもって話し合うことです。

分割払いや支払いの延期に応じてもらえる可能性は十分にありますし、交渉次第では減額や免除に応じてもらえることもあります。

弁護士に依頼して専門的な観点から交渉してもらえば、有利な条件で合意できる可能性が高まります。

他にも借金があるときは債務整理を検討する

支払額が大きい場合や、他にも借金があって支払えない場合には、債務整理が有効です。個人の債権者も債務整理の対象となります。

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産という3種類の手続きがあります。総支払額や収入・財産の状況などによって選択すべき手続きは異なりますが、適切な手続きを選べば借金問題の解決は可能です。

ただし、債務整理をするためには専門的な知識が要求される上に、個人の債権者が感情的に反対してくることも考えられます。

自分で手続きをしようとするとスムーズに進まないことも多いので、弁護士または司法書士に依頼して的確に手続きを進めてもらうことをおすすめします。

まとめ

個人間でお金を返したのに返せと言われた場合、まずは冷静になって返済義務の有無を確認しましょう。返済義務があるかどうかで対処法が異なってきます。

返済義務があり支払うお金が用意できない場合でも、最終的には債務整理で解決できますので、慌てずに対処していくことが大切です。

最善の対処法を見つけるためには、弁護士または司法書士という法律の専門家へのご相談がおすすめです。弁護士・司法書士の力を借りて、適切に解決していきましょう。

執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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