任意整理をすると家族にも影響がある?日常生活や子供へのデメリットについて解説

監修 山下 信章
/シン・イストワール法律事務所 代表

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

任意整理は、債権者との交渉で将来の利息がカット可能できる債務整理方法です。任意整理をすることで借金の負担を軽減させることはできますが、気になるのは、 家族に影響があるのではないか?ということでしょう。

そこで今回は、任意整理をすることで、配偶者や子供にどのような影響や問題が起こるのか、解説していきます。

任意整理をしても家族への影響は少ない

任意整理は、個人再生や自己破産といった他の債務整理方法と比較すると、もっとも家族への影響が少ない手続き方法です。

なぜ任意整理が家族に影響が少ないのか、その理由について順番に確認していきましょう。

財産の強制処分がない

債務整理の中で、自己破産は裁判所からの指示により、生活に必要な財産として法律で認められているもの(自由財産)以外はすべて強制処分となります。

財産の強制処分について、まとめましたので見ていきましょう。

債務整理の種類財産の処分
任意整理

・財産の強制処分はない

・自分で任意整理の対象を選べる

個人再生

・財産の強制処分はない

・ただし最低弁済額以上の価値のある財産があると、その財産と同額まで最低弁済額を引き上げる必要がある

自己破産・生活に必要な財産(自由財産)以外はすべて強制処分となる

上記の表の通り、自己破産と異なり、任意整理は財産の強制処分を言い渡されることはありません。

また、任意整理は自分で債権者を選ぶことができるため、持ち家や車を残したいという場合は、その対象から外すことも可能です。

自分が世帯主の場合、債務整理によって自宅が処分されてしまうと同居家族にも大きな影響が出てしまいますが、 任意整理であれば金銭面以外は、今までのような生活を続けることができるわけです。

官報に掲載されることがない

官報とは、休日以外毎日発行されている国の機関紙です。

個人再生や自己破産をすると、この官報に名前と住所が記載されることになっています。

一般人が官報を目にする機会はほとんどないのですが、しかし誰かに見られてしまう可能性はゼロではありません。そのため、知人や近所の人などに、債務整理をしたことがバレてしまい、知人などから家族に知られてしまう可能性は否定できません。

しかし、 任意整理の場合は官報に記載されないので、手続きを行っても周囲にバレるというリスクは格段に低いと言えます。

手続き中の資格制限がない

任意整理は、手続き中に「資格制限」を受けることもありません。

資格制限とは、自己破産の手続きをする場合に発生し、破産手続きの開始決定が出されてから免責許可が出るまで、一定の職種の仕事ができなくなってしまうことです。

資格制限に該当する職種の一例は下記の通りです。

・弁護士、司法書士、税理士などの士業
・旅行業務取扱の登録者、管理者
・生命保険募集人
・警備員
など

資格制限に該当する職種に就いている人が自己破産をすると、職場に迷惑をかけるだけでなく、世帯主の場合は家族の生活にも影響が出てしまいます。

しかし、任意整理であれば職場にも影響がありませんので、任意整理前と変わりなく仕事を続けることが可能です。

任意整理で家族に影響がない4つのこと

自分が任意整理をすることで、家族自身の生活に問題が生じるのではないかと心配な人も多いかと思います。

実際には、任意整理をしても、基本的に家族へは影響がないので、理由について確認していきましょう。

家族自身の個人信用情報の内容

任意整理をすると自分自身の個人信用情報には、「異動」という情報で記録されます。「異動」とはいわゆる「事故情報」として記録されたことになり、この記録は5年間消えません。

なお、個人信用情報の登録期間は下記の通りです。

信用情報機関任意整理の登録機関
JICC(株式会社日本信用情報機構)5年
CIC(株式会社シー・アイ・シー)記載されない ※1
KSC(全国銀行個人信用情報センター)登録する区分がない ※1

※1 任意整理としては記録されないものの、保証会社による代位弁済が発生していると事故情報として記録される

任意整理はJICCでのみ記録が5年間残りますが、その情報は残り2つの信用情報機関にも共有されますので、審査の過程で任意整理をしていることは必ず分かってしまいます。

この事故情報が残っている限り、あらゆるローン審査やクレジットカードの審査等に通らない、いわゆる「ブラック状態」が続きます。しかし、この「事故情報」が家族の個人信用情報に記録されることはありません。

家族の個人信用情報はあくまで家族自身のことが登録されるもので、自分がブラックだからといって、家族の個人信用情報もブラックになるということはありません。

子供の進学や就職

親が任意整理をしてブラック状態になっていたとしても、子供の進学や就職にもまったく影響はありません。

子供の入学や就職はあくまで子供本人の実力が確認されるものですので、親の借金問題や親の個人信用情報まで確認されることはありません。

子供の結婚

親が任意整理をしていても、子供の結婚にも基本的に影響はありません。結婚は本人たちの意思で決まるものですので、親が任意整理をしているからといって、結婚ができなくなるということは少ないはずです。

ただし、子供が結婚相手に親の任意整理のことを話した場合には、相手や相手の親の心情に影響が出る可能性はありますので、注意が必要です。

家族名義のクレジットカードやカードローンの利用

任意整理をすると、個人信用情報がブラック状態になるため、自分自身のクレジットカードはすべて使えなくなります。

しかし、家族の個人信用情報には、家族が任意整理をした情報は記録されないため、家族自身の名義で作っているクレジットカードやカードローンの使用にはまったく影響がありません。

そのため、自分がブラック状態でクレジットカードを持てない時に、逆に家族に家族カードを発行してもらうことも可能です。

任意整理で家族に影響する5つのこと

任意整理は他の債務整理方法よりは家族への影響が少ないものの、それでもやはり、いくつか家族に影響してしまうことがあります。

任意整理をすることで家族にも影響してしまう5つのことについて、順番に確認していきましょう。

家族が借金の保証人になっているケース

任意整理をすると本人の借金の負担は減りますが、保証人がついている借金を任意整理すると、保証人に借金の返済義務が生じてしまいます。

つまり、家族が保証人になっている借金を任意整理してしまえば、家族に請求がいってしまいます。

突然家族に返済義務が発生してもお金を用意できないケースが多いため、家族も債務整理をしなければならないという事態になりかねません。

しかし、任意整理は、自己破産や個人再生と違い、任意整理をする借入を自分で選択することができます。そのため、家族が保証人になっている借入を任意整理の対象から外すことで、家族に返済義務が生じることを防ぐことができます。

家族カードが使えなくなる

任意整理をすれば個人信用情報機関に登録されるため、「ブラック状態」となり、所有しているすべてのクレジットカードは使えなくなってしまいます。

もし自分名義のクレジットカードで、家族のために「家族カード」を発行している場合は、当然ですが家族カードも利用停止になります。

日常生活で家族カードを頻繁に使っているのであれば、いつものようにカードで支払いをしようとして、突然使えなくなってしまい、最悪の場合は任意整理したことが家族にバレてしまう可能性があります。

正直に話すことができれば一番良いですが、隠したいのであれば、なんらかの理由をつけて、家族カードを引き上げておきましょう。

家族自身のクレジットカードやローン審査に影響する

自分の任意整理は家族の個人信用情報に影響はないですが、家族のクレジットカードやローン審査に影響する場合があります。

家族の審査に影響するのは下記のようなケースです。

・専業主婦(主夫)がクレジットカードやローン審査に申し込んだ場合
・未成年の学生がクレジットカード審査に申し込んだ場合

収入がある家族であれば自身の情報で審査が可能ですが、収入がない専業主婦(主夫)の場合は、審査で配偶者の返済能力が確認されます。そのため、配偶者がブラックの場合は審査落ちしてしまいます。

また、未成年の学生は親の同意が必要であり、親の返済能力を確認しますので、親がブラックの場合は審査に落ちてしまいます。

子供のための教育ローン審査に通らない

ここまで解説してきたように、任意整理後はブラック状態となりますので、5年間はあらゆるローン審査に通りません。

そのため、子供が高校や大学進学などでかなりの費用が必要になる時に、教育ローンで一時的に支払いをカバーしようと考えていても、教育ローンを使うことができません。

子供の大切な時期にローンを使えないと困った状況になりますので、子供の進学時に任意整理を考えている人は、家族とよく話し合い、費用の工面などを事前に検討しておくようにしましょう。

子供の奨学金の連帯保証人になれない

自身がブラック状態の場合は、子供の教育ローンだけでなく、子供の奨学金の連帯保証人にもなれません。

子供が奨学金を借りる時には、必ず連帯保証人を立てる必要があり、独立行政法人 日本学生支援機構によると、連帯保証人の条件には「父母またはこれに代わる人」となっているため、親が連帯保証人になる必要があります。

さらに、連帯保証人の条件には「債務整理中ではないこと」ともあるため、任意整理をしていると連帯保証人にはなれないということになります。

子供が奨学金を利用する可能性がある場合は、任意整理手続きの前によく家族と話し合いをしておく必要があるでしょう。

任意整理は弁護士や司法書士に依頼しよう

任意整理の手続きは、自分一人でできますが、できるだけ弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。

任意整理の手続きを弁護士・司法書士に依頼するメリットは下記のようなものです。

・面倒な手続きをすべてお任せできる
・債権者との交渉を有利に進めて解決してもらえる
・受任通知送付後、債権者からの電話等での督促が止まる
・状況によっては任意整理以外の債務整理方法も対応可能

任意整理は貸金業者等の債権者との交渉が重要となりますので、自分一人で交渉を進めると、債務者に不利な条件で和解をさせられるなどのリスクがあります。

その点、交渉に長けた専門家に一任することができれば、できるだけ債務者に有利な条件で交渉を進めてもらえます。

また、専門家に相談することで、他の債務整理方法についても対応が可能となりますので、無料相談などを利用しながら、早めに弁護士または司法書士事務所に連絡してみることをおすすめします。

まとめ

任意整理は、自己破産や個人再生と比較すると、家族への影響はかなり少ない債務整理方法です。しかし、家族への影響がまったくないわけではありません。

任意整理をする場合は事前に家族とよく話し合い、家族も納得した上で手続きを進めるようにしましょう。また、どうしても家族にバレずに任意整理をしたい場合には、まずは専門家に相談してみることです。必ず良い解決方法を提案してくれるでしょう。

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