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地元の先輩はめんどくさい?借りた金額以上を返せと脅された時の対処法

地元の先輩はめんどくさい?借りた金額以上を返せと脅された時の対処法
この記事でわかること
  • 先輩から借金をすると口約束だけでも返済義務がある
  • 先輩から違法な金利を要求されている場合は返済義務がないこともある
  • 先輩からの借金が時効で消滅することもある
  • 借りた金額以上を返せと脅された時は弁護士に依頼して対処した方がよい

地元や会社の先輩から借金をすると、返しても返してもさらに返済を要求されて、めんどくさい状況に追い込まれることがあります。

貸金業者に借金しても、違法な請求を受けることはありませんが、個人間の金銭トラブルでは、違法で悪質な請求がまかり通るようなケースがあります。

特に先輩から借金した場合、昔からの力関係を背景として、不当な請求が行われ、後輩としては断ることができずに長期間にわたって返済をさせられることがよくあります。

この記事では、「地元の先輩はめんどくさい」と感じている方に向けて、先輩から借りた金額以上を返せと脅された時の対処法をご紹介します。

その前提として、返済義務があるケースとないケースについても解説しますので、ぜひ参考になさってください。

先輩からの借金でよくあるトラブル事例

先輩からお金を借りたことで金銭トラブルに発展するケースは少なくありません。まずは、よくあるトラブル事例をご紹介します。

地元の先輩から借りたケース

地元の先輩からお金を借りると、さまざまな口実で、借りた金額以上の返済を要求されることがあります。

  • 10万円を借りる条件として20万円の返済を要求される
  • 「借金には利息が付きものだ」と言われ、追加で返済を要求される
  • 「お前に金を貸したせいで車を買えなかった」などの口実で迷惑料を要求される

他にも多種多様な事例があります。先輩から「この後輩は脅せばお金を出す」と思われてしまうと、理不尽な要求をされてしまうのです。

不当な請求を断ろうとすると、背後に暴力団関係者がいるようなことを匂わされて、返済を強要されることもあります。まさに、「地元の先輩はめんどくさい」という状況に追い込まれてしまうでしょう。

少年時代の不良グループの先輩や、成人してからも半グレのようになっている先輩などから借金をした場合によくあるケースです。

ガテン系の職場の先輩から借りたケース

土木作業員や建築作業員、運送業者、引っ越し業者など、いわゆる「ガテン系」の職場の先輩・後輩の間でも、借金トラブルが発生することは少なくありません。

仕事帰りに先輩から飲み代を借りたところ、後日になって高額の返済を要求されるようなケースが典型例です。ガテン系の職場で働く人は肉体的に屈強なことが多く、腕力にものをいわせて不当な請求が行われることがよくあります。

中小・零細の事業所では、雇い主が解雇をちらつかせて不当な請求を行うケースも見受けられます。

ホストクラブの先輩から借りたケース

ホストクラブでは、客のツケを回収できない場合に先輩から借金をするケースがよくあります。

客のツケは担当のホストが自分で回収した上で、店に支払う必要があります。しかし、なかなかツケを回収できないことも少なくありません。そんなとき、先輩に助けを求めてお金を借りてしまうことがあります。

ホストクラブの先輩・後輩の間では、縦の力関係が強いという実情があります。そのため、先輩から高額の返済を要求されると後輩は断りづらく、ずるずると返済を続けることになりかねません。

水商売の女性が先輩から借りたケース

キャバクラやスナック、クラブ、ラウンジなど水商売の先輩・後輩の間でも、ホストクラブの場合と同様の借金トラブルが発生するケースがよくあります。

水商売の職場では、先輩女性が後輩女性に対して売春をしてでも返済することを強要し、後輩を金づるにしようとするケースも少なくありません。

風俗嬢が先輩から借りたケース

風俗嬢同士でお金の貸し借りをするケースは非常に多いようです。高収入の風俗嬢でも、借金を抱えている人や浪費癖がある人が少なからずいて、お金が足りないときに先輩から借金することがあります。

一般的に風俗嬢の先輩・後輩の間では、縦の力関係はそれほど強いものではありません。しかし、ネット上のSNSや掲示板などに悪評を流すなどと先輩から脅されて、不当な請求を受けることもよくあります。

後輩としては、ネットで悪評が拡散されると客が付きにくくなり収入が下がってしまうため、先輩に逆らえず金づるにされてしまうことにもなりかねません。

一般的な会社で先輩から借りたケース

一般的な会社の職場でも、先輩から借金してトラブルに発展するケースがあります。

力関係を利用して不当な請求を受けるケースもあれば、請求額は不当ではなくても急に返済を求められて困るケースもあるものです。

「返済はいつでもいい」と言われていたにもかかわらず急に返済を求められた場合、法律上は「相当の期間」が経過するまでに返済しなければなりません。

相当の期間とは、個別の事情にもよりますが、一般的には1週間程度を指すと考えられています。そのため、急に返済を求められた場合でも、速やかに返済に応じなければトラブルに発展する可能性が高まります。

借用書がなくても返済義務はある?

先輩・後輩の間の借金では、借用書などは作成しないことも多いものです。しかし、実際にお金を借りたのであれば、借用書がなくても返済義務があることに注意しなければなりません。

口約束だけでも返済義務はある

借金をすると、法律上は「金銭消費貸借契約」が成立します。金銭消費貸借契約の成立要件は、後日返済することを約束して相手から金銭を受け取ることです。

ここにいう「約束」には、口約束も含まれます。借用書や契約書を作成することは、契約の証拠にはなりますが成立要件ではありません。したがって、返済の約束が口約束だけであっても、金銭消費貸借契約に基づく返済義務が発生するのです。

借用書があると裁判で証拠となる

借用書の法的な効果としては、裁判で証拠となるという点が重要です。借りたお金を返済できない場合、借用書があると裁判で支払いを命じられる可能性が高くなります。

ただし、金銭消費貸借契約の証拠としては他にも通帳、メールやLINEでのやりとり、会話を録音したデータなどもあります。そのため、借用書がないからといって借金を踏み倒すことは許されません。

お金を借りたときではなく、返済を請求されたときに借用書を作成することもあるでしょう。

このときに借りた以上の金額を借用書に記載すると、記載した金額の返済義務が生じる可能性もあるので注意が必要です。

先輩からの借金で利息・遅延損害金の支払い義務はある?

先輩から、事前に話がなかった利息や遅延損害金の支払いを要求されることもあるでしょう。ここでは、利息・遅延損害金の法的な支払い義務についてご説明します。

利息の取り決めがなければ利息の支払い義務はない

利息については、当事者間の取り決めによってはじめて支払い義務が生じます。取り決めがなければ支払い義務は生じません。

なお、個人間融資にも利息制限法が適用されるため、利息の取り決めがある場合の上限利率は次の表のとおりとなります。

借入額 利息の利率の上限
10万円未満 年20%
10万円以上100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

上限を超える利率の取り決めがあっても、超える部分については支払う必要がありません。

遅延損害金の取り決めがない場合は年3%の支払い義務がある

返済が遅れた場合の遅延損害金は、取り決めがなくても発生します。

取り決めがない場合の遅延損害金の利率は、法定利率によります。法定利率は民法で定められており、以下のように借入の時期によって異なることにご注意ください。

借入の時期 遅延損害金の法定利率
2020年3月31日以前 年5%
2020年4月1日以降 年3%

高額の遅延損害金を要求されたとしても、取り決めがなければ、法定利率を超える部分は支払う必要がありません。

利息・遅延損害金は取り決めがあっても年109.5%が上限

個人間融資では、出資法で年109.5%を超える利息・遅延損害金を請求することが禁止されています。

違反すると、請求した者に対して5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方という刑罰が科せられます。

例えば、先輩から10万円を借りたところ、1ヵ月後に20万円の返済を請求された場合は、利率が年1,200%にも及ぶため、出資法に違反します。

このような場合は、警察に相談した方がよいでしょう。

先輩からの借金で返済義務がないケース

先輩から借金をしたとしても、以下のケースでは返済義務がありません。したがって、先輩から請求されても返済を拒めます。

違法な金利の取り決めがある

お金を借りる時に年109.5%を超える金利の取り決めをすると、貸した側の先輩に出資法違反という犯罪が成立します。

犯罪に該当する契約は、公序良俗違反として民事上も無効です。契約がなかったことになるため、返済義務はありません。

脅されて借用書を書かされた

先輩から脅されて借用書を書かされた場合には、民法上の強迫を理由として契約を取り消せる可能性があります。取り消すと契約がなかったことになるため、返済義務もなくなります。

例えば、10万円しか借りていないのに脅されて20万円の借用書を書かされた場合、20万円の契約は取り消せます。

この場合、「20万円」の返済請求は拒めますが、実際に借りた10万円は返済しなければならないことにご注意ください。

消滅時効が成立した

借金には消滅時効があります。

個人間融資における借金の消滅時効期間は、次の表に記載したとおり、借り入れた時期によって異なります。

借り入れた時期 消滅時効期間
2020年3月31日以前 10年
2020年4月1日以降 5年

例えば、2013年5月1日に先輩から借金をした場合には、10年後の2023年5月2日が過ぎると消滅時効が成立します。

ただし、時効期間中に1度でも返済していたり、返済の約束をしたりした場合には、その時点で時効期間がリセットされてゼロに戻ることにご注意ください。このことを「時効の更新」といいます。

なお、消滅時効が成立した場合には、「時効の援用」を行う必要があります。時効の援用を行わないと返済義務は消滅しないことに注意が必要です。

時効の援用をするには、「消滅時効援用通知書」を作成し、内容証明郵便で貸主宛てに送付するのが一般的です。

先輩から借りた金額以上を返せと脅された時の対処法

借りた金額以上を返せと脅された時の対処法

返済義務がある場合でも、先輩から借りた金額以上を返せと脅された時には、次の対処法が有効です。

可能であれば先輩と話し合う

先輩との話し合いで解決できれば、それに越したことはありません。話せばわかる先輩もいるでしょうし、毅然と対応した方がよい先輩もいるはずです。

後輩の側で先輩を恐れてばかりいて、言いなりになっていると「カモ」にされ、欲しいがままに高額の請求を受けることにもなりかねません。

法律上の返済義務がないことを説明し、返す必要がないお金は返さないことです。カモ扱いをしてくる先輩への対処法は、「断固として支払わない」「関係性を断つ」ということが重要になります。

身の危険を感じるときは警察に相談

先輩との関係性によっては、話が通じないこともあるでしょう。次のような行為を受けたか、受けるおそれがある場合は一人で対処しようとせず、警察に相談しましょう。

  • 身の危険を感じるような脅迫
  • 暴行
  • ネットでの誹謗中傷 など

警察には「民事不介入の原則」があるため、犯罪による実害が生じていなければ動いてくれないことが多いことには注意が必要です。

ただ、利息や遅延損害金、その他の名目でも年109.5%を超える利率で金銭を要求されただけでも、出資法違反という犯罪が成立している可能性があります。

どのような被害を受けているのかを警察で具体的に説明した上で、被害届や告訴状の提出も検討しましょう。

請求が止まらないときは弁護士に相談

先輩との話し合いや警察への相談をしても請求が止まらない場合には、弁護士への相談が有効です。弁護士は民事・刑事の両面から、法的に最適な解決方法を提案します。

弁護士に依頼すれば、代理人として全面的に解決手段をサポートしてくれます。

一人で対応していると「先輩との力関係から逆らえない」という状況でも、弁護士を間に入れることで正当な主張が可能となるのです。

先輩との借金トラブルを弁護士に依頼して解決する方法

先輩との借金トラブルで弁護士に依頼した場合、具体的には以下の方法で解決を図ります。

弁護士が先輩と交渉する

弁護士は、依頼者に代わって相手方と交渉することが可能です。そのため、依頼者は先輩と直接やりとりする必要がなくなります。

先輩との交渉においては、弁護士が法的観点から返済義務の有無や範囲を説明し、不当な請求をやめなければ刑事告訴をすることなどの警告もします。

弁護士が先輩からの脅しに屈することはありませんので、話が通じない先輩からの不当請求が止まる可能性が高まるのです。必要に応じて、刑事告訴の手続きを弁護士に任せることもできます。

債務不存在確認請求訴訟を起こす

先輩が不当な請求を止めない場合には、債務不存在確認訴訟で解決できる可能性もあります。

債務不存在確認訴訟とは、債権があると主張する相手方に対して、請求されている側が、債務のないことを裁判所に確認してもらうために起こす民事裁判のことです。

この裁判で勝訴すれば、返済義務のないことが公的に確定します。そのため、先輩が返済を請求する根拠が何もないということになります。

債務整理をする

他にも借金がある場合には、債務整理による解決も考えられます。個人からの借金も債務整理の対象となるので、先輩から借りた金額を完済していない場合には債務整理を検討するとよいでしょう。

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産という3種類の手続きがあります。

任意整理では元金の分割払いを交渉することになりますが、弁護士が先輩や他の債権者と交渉することで、和解できる可能性が高まります。

個人再生と自己破産では、一定の条件を満たせば強制的に借金が減免されるため、先輩や他の債権者との交渉は不要です。

債務整理の手続きも、弁護士が全面的に代行します。

まとめ

地元の先輩などから借金をして、面倒な状況に陥ったときに、問題を一人で抱え込んでいると、いいように金づるにされてしまいがちです。

返しても返しても不当な請求をされて先輩の支配下にされてしまう方もいます。悪どい金銭請求をしてくる先輩に対しては、きっぱりと関係を解消することが重要です。

借りた金額以上を返せと脅された時には、弁護士のサポート受けることを強くおすすめします。個人間融資や金銭トラブルに強い弁護士に相談すれば、あなたのケースに合った最適な解決方法を提案してくれます。

相談するだけでも有益なアドバイスが得られますので、まずは弁護士の無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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