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任意整理を途中でやめるとどうなる?途中解約すべきケースと解約方法について

任意整理を途中でやめるとどうなる?途中解約すべきケースと解約方法について
監修田島 聡泰 (たじま あきひろ) / シン・イストワール法律事務所

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

この記事でわかること
  • 任意整理は和解前なら途中解約が可能である
  • 任意整理を途中でやめるとデメリットもある
  • 任意整理を途中解約するために複雑な手続きは不要である
  • 改めて債務整理をする場合は実績が豊富な弁護士・司法書士を選ぶべきである

借金の返済が苦しくなって任意整理を始めたものの、何らかの事情により途中でやめたくなることもあるかもしれません。

任意整理を始めると、弁護士・司法書士と債権者との間で手続きが進められます。その手続きを途中でやめるとなると、いくつかのデメリットが生じることに注意が必要です。

ただ、納得できない状況のまま任意整理を進めるよりも、いったん途中解約して、必要に応じて債務整理をやり直した方がよいケースもあります。

そこでこの記事では、そもそも任意整理を途中解約できるのか、できるとしてどのようなデメリットが生じるのか、途中でやめる方法などについてわかりやすく解説します。

任意整理は途中解約できる?

任意整理を弁護士や司法書士に依頼した後でも、途中解約は自由にできます。

弁護士・司法書士への依頼は法律上の「委任契約」であり、委任契約は当事者がいつでも解除できることとされているからです。

ただし、債権者との和解が成立した後は、合意した内容に従って返済する義務が発生するため、解約することはできません。和解成立前であれば、いつでも理由を問わず途中解約が可能です。

任意整理を途中でやめるとどうなる?

任意整理を途中でやめると以下のデメリットが生じますので、事前に注意する必要があります。

債権者からの督促が再開する

任意整理中は債権者からの督促や取り立てが止まりますが、途中解約した途端に再開されます。

督促や取り立てがいったん止まる理由は、依頼を受けた弁護士・司法書士が債権者宛に「受任通知」を送付するからです。受任通知を受け取った債権者が債務者に対して返済を直接請求することは、法律で禁止されているのです。

しかし、途中解約をすると弁護士・司法書士は債権者宛に「辞任通知」を送付します。これが届くと受任通知の効力がなくなるため、債権者は借金を回収するために請求を再開するのです。

債権者からの督促の電話や郵便物によって、家族に借金のことがバレる可能性があることにも注意する必要があるでしょう。

利息や遅延損害金を請求される

任意整理では、利息や遅延損害金をカットしてもらうよう債権者と交渉します。しかし、途中解約すると一切カットされず、全額を請求されることになります。

弁護士・司法書士へ依頼する前に滞納していない場合は、次回の返済期限までは経過利息がかかり、その後は遅延損害金がかかります。

いったん任意整理で返済をストップした後に途中解約すると、通常は残債務の一括返済を請求されます。その場合、遅延損害金は残債務全体に対してかかるので、高額になるケースがあるため注意しなければなりません。

事故情報を取り消せないこともある

弁護士・司法書士に任意整理を依頼すると、受任通知が債権者に届いた時点で信用情報機関に事故情報が登録されます。

滞納がなかった場合は、返済期限までに途中解約をすれば、債権者が事故情報の登録を取り消してくれることもあります。

しかし、滞納期間が2~3ヶ月に及ぶ場合には「延滞」という事故情報が登録され、これは途中解約しても取り消してもらえません。

この場合、残債務を完済し、その後5年が経過するまでは事故情報が残るため、新たな借入やクレジットカードの利用が難しくなります。

着手金は原則として返ってこない

任意整理を弁護士・司法書士に依頼した段階で「着手金」を支払っているはずです。着手金は弁護士・司法書士が業務に着手するために必要な料金なので、着手した以上は途中解約しても原則として返金されません。

着手金を分割で支払っている場合には、未払い分も引き続き請求されるのが原則です。

ただし、弁護士・司法書士の事件処理の程度に応じて、協議の上で着手金の一部を返還してもらえることはあります。それでも、全額を返還してもらうことは難しいということを覚えておきましょう。

任意整理の途中解約を検討すべきケース

弁護士・司法書士との委任契約は、理由を問わず解除できます。そのため、「気が変わった」というような理由でも任意整理を途中解約することは可能です。

一般的に途中解約されることが多いのは、以下のようなケースです。該当する方は、途中解約を検討してみた方がよいでしょう。

任意整理しなくても返済できるようになった場合

任意整理を依頼した後に、以下のような事情の変更により返済が可能となることもあるでしょう。

  • 収入が増えた
  • 支出が減った
  • 親族等の援助が得られることになった
  • 財産を処分して返済に充てることにした

このような場合は、前述した任意整理のデメリットを考慮しつつ、途中解約を検討しましょう。

任意整理をやめても、事故情報を取り消せない場合には、あえて任意整理を継続して返済額を減らした方が得策となるかもしれません。

弁護士・司法書士に事情を伝えて、途中解約することが得策となるかどうかを確認することをおすすめします。

依頼した弁護士・司法書士との相性が合わない場合

任意整理を依頼した弁護士・司法書士に対して、以下のような不満を感じることもあるかと思います。

  • なかなか手続きを進めてくれない
  • 話を聞いてくれない
  • 話し方が横柄でストレスがたまる
  • いつ電話しても連絡がとれない
  • 任意整理の進め方が適切でないような気がする

借金問題をスムーズに解決するためには、弁護士・司法書士との信頼関係も重要です。相性が合わず、信頼関係を築けない場合には、早めに途中解約して弁護士・司法書士を換えた方がよいかもしれません。

そんなときは、債務整理に強い別の弁護士・司法書士に相談し、セカンドオピニオンを求めることもひとつの方法です。

他の債務整理に切り替えたい場合

以下のケースでは、任意整理から他の手続きに切り替える必要があります。

  • 任意整理を始めたところ、過払い金が発生していることが判明した
  • 任意整理では思うように借金が減らないことがわかった
  • 家計の収支が悪化し、任意整理したとしても返済が難しくなった

状況に応じて過払い金返還請求、個人再生、自己破産のどれかに切り替えることになりますが、その際には途中解約が必要となります。

ただ、任意整理を依頼した弁護士・司法書士に対して不満がないのであれば、引き続き対応してもらう方が賢明です。早めにその弁護士・司法書士に連絡し、委任契約を切り替えてもらうようにしましょう。

任意整理を途中解約する方法

任意整理を途中解約する方法は難しくありませんが、少しだけ注意点もあります。

まだ弁護士・司法書士に正式に依頼していない場合

弁護士・司法書士に相談して任意整理することに決めたものの、まだ正式に依頼していない場合は、そのまま依頼しなければ問題ありません。

ただし、できる限り放置するのではなく、相談した事務所に連絡して「依頼はしません」と伝えた方がよいです。放置していると、事務所から「どうしますか」という問い合わせの連絡がくることもあり、家族から不審に思われるおそれもあるからです。

すでに弁護士・司法書士に依頼した場合

正式に依頼した後は、事務所に連絡して「任意整理をやめます」「委任契約を解除します」と伝えれば途中解約できます。理由を伝える必要はありません。

わざわざ事務所に出向いて手続きをしなくても、電話やメール、FAXなどで伝えても構いません。

法律上は一方的に意思を伝えるだけで途中解約できますが、確実に解約するために事務所側が了承したことを確認しましょう。

任意整理を途中解約した後、改めて債務整理はできる?

任意整理を途中解約した後は、借金を自力で返済しなければなりません。

しかし、途中解約の時期などにもよりますが、債権者から残債務を一括で、しかも利息や遅延損害金を加算して請求されることが多いので、返済は難しいのが実情ではないでしょうか。

分割払いの交渉も可能ですが、債権者と対等に交渉することは困難なので、一方的に不利な返済条件を押しつけられる可能性が高いです。

そんなときは、改めて債務整理をする必要があります。任意整理を途中解約した後でも、改めて債務整理をすることに支障はありません。

ただし、どの債務整理を選ぶのかを慎重に検討する必要があります。最初に任意整理を依頼した時点よりも借金問題が悪化していることが通常ですので、この検討はとりわけ重要です。

適切な債務整理を選ぶためには専門的な知識や経験が要求されるので、債務整理に強い弁護士・司法書士に相談して検討することが重要となってきます。

改めて債務整理を依頼する際の注意点

改めて債務整理をする際には、以下のポイントに注意して弁護士・司法書士を選ぶことをおすすめします。

弁護士・司法書士の費用は改めて必要となる

以前に依頼した弁護士・司法書士から着手金を返してもらえなくても、新たに弁護士・司法書士に依頼する場合には改めて着手金などの費用が必要となります。

事務所によっては多少なら割り引いてくれることもあるかもしれませんが、基本的には正規の料金を改めて支払う必要があるとお考えください。

料金体系が明確な弁護士・司法書士を選ぶこと

新たに依頼する際には、弁護士費用・司法書士費用としてどのような名目で、いつ、いくらかかるのかについて、しっかりと説明を受けて確認しましょう。

明確な説明がない事務所では、後で追加料金を請求される可能性もありますので、依頼するのは控えた方がよいかもしれません。

費用の問題については納得いくまで質問をして、それから依頼をすることが大切です。

着手金の分割払いを希望する場合も、必ず事前に相談して無理のない支払い方法で契約しましょう。

債務整理の実績が豊富な弁護士・司法書士を選ぶこと

最も重要なことは、債務整理の実績が豊富な弁護士・司法書士を選ぶことです。

経験が豊富な弁護士・司法書士であれば、同じ任意整理をする場合でも高度な専門知識と交渉力で対応してくれますので、有利な条件での和解が期待できます。

万が一、任意整理での解決が難しい場合でも、状況に応じて個人再生や自己破産への切り替えも視野に入れて、最適な解決方法を提案してくれます。

親身な弁護士・司法書士を選ぶこと

以上のことを前提として、親身に対応してくれる弁護士・司法書士を選ぶことも大切です。

話を聞いてくれない、説明が分かりにくいといった弁護士・司法書士に依頼するとストレスもたまるでしょう。

意思疎通が十分でないために、希望とは異なる方向に手続きを進められてしまうおそれもあります。これでは、その弁護士・司法書士と信頼関係を築くことができず、納得のいく結果を得ることも難しくなってしまいます。

債務整理を依頼する前に必ず実際に弁護士・司法書士と面談して相談し、「この人なら信頼できる」と思える専門家に依頼するようにしましょう。

まずは無料相談を利用して弁護士・司法書士に面談してみることをおすすめします。

まとめ

任意整理はいつでも理由を問わず途中解約が可能です。いったん弁護士・司法書士に依頼した後でも、納得できないことがあれば途中解約するのも悪いことではありません。

ただし、任意整理を途中でやめるとデメリットも生じますので、途中解約するかどうかは慎重に検討する必要があります。

迷う場合や、どうすればよいのかがわからない場合には、債務整理に強い弁護士・司法書士に相談してセカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか。

実績が豊富な弁護士・司法書士のアドバイスを受けて、借金問題を適切に解決していきましょう。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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