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自己破産にかかる期間はどれくらい?手続きを早く終わらせる方法を併せて解説

自己破産にかかる期間はどれくらい?
監修田島 聡泰 (たじま あきひろ) / シン・イストワール法律事務所

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

この記事でわかること
  • 自己破産の「同時廃止」は6ヶ月
  • 「少額管財」は8ヶ月
  • 「通常管財」は1年
  • 自己破産をスムーズに進めるためには弁護士の言うことをしっかりと聞くこと

自己破産は、裁判所に債務返済の義務を免責してもらうことで、借金をゼロにできる債務整理のひとつです。

多大な債務を抱え、返済に行き詰まりを感じている債務者の方は、自己破産をきっかけに生活を立て直すことができます。そのため、債務者としては自己破産後の人生設計をするためにも、自己破産にかかる期間をあらかじめ把握しておきたいところです。

この記事では、以下3点をわかりやすく解説します。

  • 自己破産にかかる期間
  • 「同時廃止」と「管財事件」の手続きにかかる期間の違い
  • 自己破産の期間を短くする方法

自己破産にかかる期間を詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。

自己破産にかかる期間は手続きの種類によって異なる

個人の自己破産手続きには次の3種類があり、どの種類の事件となるかによって手続きにかかる期間が異なってきます。

  • 同時廃止事件:6ヶ月
  • 通常管財事件:12ヶ月
  • 少額管財事件:8ヶ月

同時廃止事件」では破産管財人は選任されず、手続きは比較的スムーズに進みます。

債務者に換価可能な財産(20万円以上が目安)がなく、借金で浪費やギャンブルをしたなどの「免責不許可事由」もないことが明らかな場合に付される手続きです。自己破産手続きをする債務者の約60%が、同時廃止事件に付されています(司法統計より)。
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/592/012592.pdf

それに対して「通常管財事件」では破産管財人が選任され、財産の換価処分や免責に関する調査、債権者への配当、債権者集会などが行われます。これらの手続きのことを「管財手続き」といいます。そのため、手続きにある程度の時間を要することが避けられません。

ただし、管財事件でも多くの場合は「少額管財事件」に付されます。少額管財事件では管財手続きが簡略化されるため、通常管財事件よりはスムーズに手続きが進められます。

債務者に20万円を超える財産がある場合や、財産がなくても免責不許可事由があるのではないかと疑われる場合は、原則的に少額管財事件に付されます。債務者の所有財産が概ね50万円以上になると、通常管財事件に付されることもあります。

同時廃止は6ヶ月

同時廃止とは、破産手続開始決定と同時に破産手続の廃止も決定されることをいいます。

ここにいう「破産手続」とは、管財手続きのことです。同時廃止事件では破産者(債務者)に換価可能な財産がなく、免責不許可事由もないことが明らかなので、破産手続き(管財手続き)を行う必要がありません。そのため、破産手続きが開始すると同時に終了し、ただちに免責手続きに移るのです。

同時廃止事件の手続きの流れは、以下のとおりです。

STEP1. 自己破産申立ての準備(2~3ヶ月程度)
弁護士・司法書士への相談
受任通知の送付
申立て書類をそろえる
STEP2. 自己破産の申立て(1ヶ月程度)
申立て書類の提出
債務者審尋
破産手続開始決定(同時廃止決定)
STEP3. 免責の許可(2~3ヶ月程度)
免責審尋
免責許可決定
免責許可決定の確定

事案の内容や裁判所の混雑状況によって多少は前後しますが、弁護士・司法書士への相談から免責の確定まで、おおよそ6ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。

STEP1. 自己破産申立ての準備(2~3ヶ月程度)

弁護士・司法書士への相談
弁護士や司法書士に相談します。自己破産にかかる期間や費用をしっかりと確認しましょう。納得できたら委任契約を結びます。

受任通知の送付
弁護士・司法書士が債権者宛に「受任通知」を送付し、以降の督促がストップします。

申立て書類をそろえる
弁護士・司法書士の打ち合わせの上、申立て書類をそろえていきます。申立書は弁護士・司法書士が作成しますが、添付書類は依頼者が準備して弁護士・司法書士に提出します。

STEP2. 自己破産の申立て(1ヶ月程度)

申立て書類の提出
弁護士が裁判所に申立て書類を提出し、自己破産を申立てます。

債務者審尋
弁護士とともに裁判官との面接が行われ、財産や負債額、借金の原因などが聞かれます。

破産手続開始決定(同時廃止決定)
問題がなければ破産手続開始決定・同時廃止決定が行われます。

STEP3. 免責の許可(2~3ヶ月程度)

免責審尋
弁護士同席で裁判所に出頭し、申立て内容の再確認や債権者からの意見書の確認を行います。
債権者から特段の意見が提出されていない場合、原則的に免責審尋は省略されます。

免責許可決定
免責不許可事由がないことが再確認されると、裁判所が免責を許可する決定を下します。

免責許可決定の確定
免責許可決定から約1か月後に確定し、自己破産手続きが全て終了します。

通常管財事件は1年

通常管財事件とは、管財事件のうち、破産法の規定に従って正式な破産手続き(管財手続き)が行われる事件のことです。

以下のように、破産管財人が選任され、破産者(債務者)の財産調査や免責に関する調査、財産の換価処分、債権者集会などが行われるため、同時廃止事件よりも手続きに時間を要します。

赤字部分が同時廃止と異なる部分です。

STEP1. 自己破産申立ての準備(2~3ヶ月程度)
弁護士・司法書士への相談
受任通知の送付
申立て書類をそろえる
STEP2. 自己破産の申立て(1ヶ月程度)
申立て書類の提出
債務者審尋
破産手続開始決定
管財事件に付する決定
破産管財人の選任
STEP3. 管財手続き(3~4ヶ月程度)
破産管財人との面談
財産調査
財産の換価処分
債権者への配当
免責に関する調査
債権者集会
破産手続きの終結
STEP4. 免責の許可(2~3ヶ月程度)
免責審尋
免責許可決定
免責許可決定の確定

通常管財事件の手続きにかかる期間は事案の内容によってバラつきがありますが、弁護士・司法書士への相談から免責が確定するまで、平均すると概ね1年前後となっています。

STEP1. 自己破産申立ての準備

自己破産申立ての準備は同時廃止の場合と同じで2~3ヶ月程度を要しますが、債権者数が多い場合や、所有財産が多い場合などでは、準備に時間を要することもあります。

STEP2. 以降では、以下のように同時廃止事件とは違いが出てきます。

STEP2. 自己破産の申立て(1ヶ月程度)

申立て書類の提出
弁護士が管轄裁判所に申立て書類を提出し、自己破産の申立てを行います。

債務者審尋
弁護士とともに裁判官との面接が行われ、資産や負債額、借金の原因などが聞かれます。

破産手続開始決定
裁判所が「支払不能」と判断すれば、破産手続開始決定が下されます。

※ 支払不能とは収入・財産が少なく借金を返済できない状態が続いている状態。

管財事件に付する決定
裁判所が管財手続きを要すると判断すれば、破産手続開始決定と同時に管財事件に付する決定も同時に下されます。

破産管財人の選任
以上の決定の同時に、破産管財人も選任されます。

STEP3. 管財手続き(3~4ヶ月程度)

管財手続きに要する期間は平均して3~4ヶ月程度ですが、債権者の数や破産者の財産状況によっては長期化することもあります。特に、換価困難な財産がある場合や、破産管財人の調査によって未申告の財産や負債が見つかった場合などで長期化することが少なくありません。

破産管財人との面談
弁護士同席で破産管財人(弁護士)の事務所に出向き、面談を行います。財産や負債額、借金の原因などについて、さらに詳しく聞かれます。

財産調査
破産管財人が破産者の財産状況を調査します。その一環として、破産者宛の郵便物は破産管財人に転送されます。

財産の換価処分
破産管財人が破産者の財産を預かり管理し、売却するなどして換金します。

債権者への配当
負債額が確定し、財産調査と換価処分も完了すれば、破産管財人が債権者への配当を行います。

免責に関する調査
以上の手続きと並行して、破産管財人は破産者の免責に関する調査も行います。
免責不許可事由がないと判断されると、破産管財人が裁判所に対して「免責相当」の意見を提出します。

債権者集会
月に1回程度のペースで債権者集会が開催され、破産管財人が管財手続きの進捗状況を報告します。

破産手続きの終結
債権者への配当が完了すると、破産(管財)手続きは終結します。

STEP4. 免責の許可(2~3ヶ月程度)

免責審尋
通常、最終の債権者集会と兼ねて行われます。

免責許可決定
免責不許可事由がないことが再確認されると、裁判所が免責を許可する決定を下します。

免責許可決定の確定
免責許可決定から約1か月後に確定し、自己破産手続きが全て終了します。

少額管財は8ヶ月

少額管財とは、管財手続きが必要であるものの、裁判所の運用によって簡略化した管財手続きが行われることをいいます。

破産者(債務者)の所有財産が概ね20万円~50万円程度で債権者数も比較的少ない場合や、財産がなくても財産調査が必要な場合、免責不許可事由があるのではないかと疑われるような場合に少額管財事件が適用されます。

手続きの流れは、通常管財事件と同じですが、債権者集会が1回で終結することが多いため管財手続きの期間が短縮されて1~2ヶ月ほどになります。

少額管財事件では、弁護士・司法書士への相談から免責確定まで、8ヶ月前後を見ておくとよいでしょう。

なお、少額管財事件では財産の換価処分・債権者への配当が行われないこともよくあります。その場合には、債権者集会で破産管財人が破産者に換価可能な財産がないこととを報告した時点で、破産手続き(管財手続き)が廃止され、終結します。

破産手続開始決定と廃止決定が異なる時期に行われるため、このケースは「異時廃止」と呼ばれます。

自己破産の期間を短くする方法

自己破産にかかる期間を極端に短くすることは難しいですが、スムーズに進めるためのポイントはあります。

必要書類を正確に揃える

自己破産の申立には正確な書類集めが非常に重要です。書類が揃っていなければ自己破産の申立ては通りませんし、書類が欠けていれば提出後に追加書類の提出を裁判所から求められる場合があります。

さらに書類が揃っていたとしても書類に不備がある場合は申請がやり直しになることもあり、それだけ余計な時間がかかってしまいます。

したがって、自己破産の期間を短くするには、申立て時の必要書類を正確に集めることが重要です。

弁護士や司法書士に依頼することで、書類抜けや不備を減らすこともできますので、自己破産をスムーズに行いたい方は専門家を積極的に活用するようにしましょう。

自己破産の申立てに必要な書類は以下の通りです。参考にしてください。

必要書類 入手先
申立書 裁判所
陳述書 裁判所
債権者一覧 裁判所
住民票 市役所等
家計簿等 自分で作成
給与明細 会社
源泉徴収票 会社
財産目録 裁判所
預金通帳の写し 自分で入手

(注)その他必要に応じて車検証・土地家屋の権利書・保険証書などが必要な場合があるため、必ず裁判所および担当の弁護士へ確認すること。

即日面接(早期面接)を利用する

即日面接(早期面接)とは、自己破産の申立を行ったその日に、依頼をした弁護士と裁判所が面接を行い、破産手続きの開始を決定する制度です。

即日面接を行うと、通常では2〜3週間かかる手続きを即日で終わらせることができるため、自己破産の期間短縮を望めます。

ただし、即日面接は東京地裁と横浜地裁でのみ運用されている制度ですので、東京と神奈川にお住まいの方のみ利用可能となります。

法テラス・弁護士会への相談・依頼は避ける

法テラスや弁護士会で紹介してもらった弁護士に自己破産を依頼することもできますが、その場合は自己破産を申立てるまでに余計な時間がかかりがちなことに注意が必要です。

法テラスや弁護士会を経由した法律相談は予約制で、通常は少し先の日にちを指定されます。

法テラスを利用する場合は、弁護士費用の立て替え制度を申し込むことになります。依頼する予定の弁護士と打ち合わせをした上で必要書類をそろえて申込み、その後に審査が行われ建て替え決定が出て初めて弁護士に依頼できるのが原則です。

申込みから弁護士費用立替の決定までの期間は地域によっても異なりますが、早くても1週間程度、長ければ1ヶ月程度かかることもあります。

さらにいえば、自己破産をあまり取り扱っていない弁護士に依頼した場合には、申立ての準備に手間取ってしまう可能性が高く、申立て後の手続きでも不備が生じるなどして、手続きが長期化する可能性があります。

自己破産手続きをスムーズに進めたいなら、自己破産に詳しい法律事務所に直接、相談・依頼した方がよいでしょう。

弁護士に依頼する

自己破産の手続きは自分でもできますが、手慣れた弁護士に任せた方がスムーズに進めてくれるので、期間の短縮につながります。

また、自己破産を依頼するなら司法書士よりも弁護士を選ぶことが期間を短縮するためには重要です。なぜなら、裁判所で自己破産手続きを代理できるのは弁護士だけだからです。

司法書士に自己破産を依頼した場合も、申立て書類の作成は行ってもらえます。しかし、司法書士は自己破産手続きの代理人にはなれないので、裁判所での手続きはすべて依頼者が自分で行わなければなりません。

依頼した司法書士から裁判手続きのアドバイスは受けられますが、複雑な手続きで逐一手間取ってしまい、時間を要してしまう可能性が高くなります。

また、司法書士に依頼しても即日面接制度を利用できないため、裁判所での手続き期間の短縮にはあまりつながりません。

同時廃止を目指す

同時廃止事件となるか管財事件となるかは、自己破産手続きの期間に最も大きな影響を及ぼします。

債務者の財産状況や借金の原因などによって同時廃止事件か管財事件かが決まりますので、同時廃止を希望したからといって同時廃止事件にしてもらえるわけではありません。

ただ、漫然と申立てを行うと管財事件となるような事案でも、工夫すれば同時廃止事件にできるケースはあります。

例えば、時価20万円を超える自動車を所有している場合、そのまま自己破産を申立てると管財事件となります。

しかし、申立て前に自動車を売却し、そのお金を弁護士費用の支払いに充てることは認められます。その結果、めぼしい財産がなくなれば同時廃止となる可能性が高まります。

ただし、代金の使い途によっては財産隠しを疑われ、破産管財人による調査が行われるなどして、かえって自己破産手続きが長期化するおそれがあります。

そのため、同時廃止を目指す方策は自己破産に詳しい弁護士の指示に従って行うことが重要です。経験豊富な弁護士は、同時廃止を目指すためのノウハウを豊富に知っているので、ぜひ弁護士を活用するようにしましょう。

通常管財よりも少額管財を目指す

管財事件に付されることが避けられない場合でも、通常管財に付されるよりは少額管財に付された方が、自己破産手続きにかかる期間は短縮されます。

ただし、申立て直前に素人判断で財産を処分したりすると、自己破産手続きに支障をきたし、長期化する恐れが強いです。必ず弁護士に依頼し、指示に従って正しく対処することが重要です。

弁護士や裁判所には事実を正確に話す

依頼した弁護士との打ち合わせや、申立て後の債務者審尋などでは、不利なことも含めて必ず事実を正確に話すようにしましょう。

自己破産手続きを有利に進めたいからといって虚偽の説明をしても、裁判所での手続きの中でほぼ確実にバレてしまいます。

虚偽が発覚すると、申立て書類の訂正や再提出、追加書類の提出や破産管財人による調査などで余計に時間がかかってしまいます。最悪の場合は、免責が不許可となり、自己破産手続きが失敗に終わる恐れもあります。

まずは、依頼した弁護士に事実をすべて正直に話してください。債務者審尋には弁護士も同席しますし、裁判官からの質問に対する受け答えのポイントについては、弁護士が事前にアドバイスします。

早めに自己破産を決意する

自己破産は最終手段ではありますが、支払不能となった場合には早めに決意し、弁護士に自己破産申立てを依頼することが得策です。

借金問題を放置していると、借入先が増えたり、偏頗弁済や財産処分などによって免責不許可事由が発生する可能性も高まります。そうなってから自己破産を申立てても、手続きは複雑化・長期化しがちです。

※ 偏波弁済とは一部の借金のみ優先的に返済すること。

「これ以上は返済しきれない」そう感じた時点で弁護士に相談し、アドバイスを受けて速やかに決断しましょう。

早期に申立てを行い、できる限り同時廃止でスムーズに手続きを進める。これが、自己破産手続きにかかる期間を短縮するための最大のポイントになるといっても過言ではありません。

自己破産による影響はいつまで続く?

自己破産をすると、仕事や生活の面でいくつかの影響が生じることがあります。しかし、その影響は一生続くわけではありません。以下のように、やがて影響は消失し、元どおりの生活を送ることが可能となります。

自己破産のブラックリストは7年間経てば消去される

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」に登録された状態となり、以下のような影響が生じます。

  • 新たな借り入れができない
  • クレジットカードを作成できない
  • 各種ローンが組めない
  • 他人の借金の保証人になれない
  • 携帯電話やスマホの端末の分割購入ができない
  • 賃貸住宅の契約や更新ができないことがある

しかし、信用情報機関から事故情報が削除されると、基本的にこれらの影響はなくなります。

自己破産の事故情報が消えるまでの期間は、以下のように信用情報機関によって異なります。

機関名 主な加盟業者 事故情報が消えるまでの期間
JICC
(株式会社日本信用情報機構)
消費者金融
クレジットカード会社
免責許可決定から5年
CIC
(株式会社シー・アイ・シー)
信販会社
クレジットカード会社
免責許可決定から5年
KSC
(全国銀行信用情報センター)
銀行
信用金庫、農協
破産手続開始決定から7年

銀行カードローンや住宅ローンを利用できるようになるまでには7年ほどかかりますが、消費者金融からの借入、クレジットカードの作成、信販系のローンなどは5年で利用できるようになる可能性もあります。

口座の凍結は1~3ヶ月で解除される

銀行が債権者となっている場合は、自己破産すると、その銀行に開設している口座が一時的に凍結されます。銀行が債務者の預金残高と債権とを相殺するためです。

口座が凍結されると、預金の引き出しも各種料金の引き落としもできなくなります。そのため、事前に必要な現金を引き出しておくとともに、料金の引き落としについては支払い方法を変更しておくことが必要です。

相殺処理が完了し、さらに保証会社が銀行へ代位弁済をすれば、口座の凍結は解除されます。解除されるまでの期間は銀行によって異なりますが、1~3ヶ月程度です。凍結解除後の通帳は、元どおりに利用できます。

職業制限は自己破産が完了すると無くなる

自己破産すると、一部の資格や職業に制限がかかります。主に、以下のような職業には就けなくなるのです。

  • 税理士、行政書士、宅地建物取引士などの「士業」
  • 生命保険の外交員
  • 警備員
  • 旅行業務取扱管理者
  • 一部の公務員 など

ただし、免責許可決定が確定すると、これらの制限はすべて解除されます。つまり、自己破産手続きがすべて完了した後は、自由にどのような職業にでも就くことが可能です。

引越しや旅行の制限も自己破産が完了すると無くなる

自己破産の手続き中は、裁判所の許可がなければ引越しや旅行をすることができません。正当な理由があれば許可されますが、自由に引越しや旅行をするわけにはいかなくなるのです。

ただし、この制限も免責許可決定が確定すると解除されます。自己破産手続きがすべて完了した後は、自由に引越しや旅行をすることが可能です。

官報に載った情報は消えない

自己破産をすると、以下のタイミングで官報に氏名や住所が掲載されます。

  • 破産手続開始決定が出たとき
  • 異時廃止となった場合は、その決定が出たとき
  • 免責許可決定が出たとき

官報とは、政府が発行する日刊紙のようなものです。紙媒体で発行された官報に掲載された情報は、残念ながら消去されることはありません。とはいえ、官報は一般の人が見るものではありません。

インターネットでも過去30日分の官報情報が見られますが、ネット上の検索で官報情報はヒットしない仕組みとなっています。そのため、周囲の人に官報を見られて自己破産がバレるのではないかという心配は不要です。

官報への掲載による仕事や生活への影響は、限られた一部の職種の人を除いて、ほとんどありません。返済不能なほどの借金を抱えた場合には、躊躇せず自己破産の申立てを検討した方がよいといえます。

まとめ

自己破産は、借金をゼロにして新たに人生を仕切り直すことができる債務整理の手段です。ただし、自己破産の手続きには煩雑なものが多く、自分ひとりで手続きを進めると必要以上に時間がかかってしまいます。

できるだけ自己破産の期間を短縮するためにも弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで、以下のようなサポートを受けることができます。

  • 自己破産のアドバイスを受けられる
  • 必要書類を早急に集めてもらえる
  • 即日面接により期間を短縮する

専門家の力を借りて、自己破産の期間を短くしましょう。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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