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任意整理をすると口座凍結される!事前・事後の対処法をわかりやすく解説

任意整理をすると口座凍結される!事前・事後の対処法をわかりやすく解説
監修田島 聡泰 (たじま あきひろ) / シン・イストワール法律事務所

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

この記事でわかること
  • 銀行からの借金を任意整理すると、その口座が凍結される
  • 口座凍結されると預金は借金と相殺される
  • 任意整理前に預金を引き出すことは可能
  • 口座凍結を回避して任意整理をする方法もある

任意整理をすると、銀行の預金口座が凍結されることがあります。

口座凍結されてしまうと預金の引き出しや引き落としができなくなるだけでなく、預金の全部又は一部は銀行に回収されてしまいます。事前に適切な対処をしておかなければ、生活ができなくなってしまうおそれもあることでしょう。

しかし、すべての口座が凍結されるわけではありませんし、任意整理をしても口座凍結がされないようにする方法もあります。

この記事では、口座凍結の事前・事後の対処法を中心として、任意整理による口座凍結の問題について分かりやすく解説していきます。

任意整理で口座凍結になる理由

任意整理をすると口座凍結されるのは、銀行が少しでも多く借金を回収しようとするからです。

銀行は、債務者の預金債権と借金とを相殺する権利を有しています。相殺とは同種の債権・債務(この場合は金銭債権・金銭債務)を対等額において消滅させること言います。

例えば、銀行に対して50万円の借金があり、その銀行の口座に100万円を預金しているとします。この場合に銀行は、預金の中から借金50万円分だけ回収することができます。

ただ、口座をそのままにしておくと債務者に預金を引き出されてしまい、借金を回収できなくなってしまいます。そのため、口座を凍結して預金を引き出せないようにするのです。

任意整理で凍結されるのはどの口座?

任意整理で凍結される可能性のある口座は以下の3つです。

  • 任意整理の対象とする銀行の口座
  • その銀行の他支店の口座
  • 任意整理の対象とする貸金業者と同系列の銀行口座

任意整理の対象とする銀行の口座は必ず凍結されます。

その銀行の他支店の口座については銀行によって取り扱いが異なります。凍結されないところもありますが凍結されるところが多いので、事前の対策をとっておくべきです。

任意整理の対象とする貸金業者と同系列の銀行口座が凍結されるのは、例えば貸金業者Aが同系列のB銀行のカードローンの保証会社となっていて、B銀行からもお金を借りているという場合です。

この場合は、B銀行のカードローンの保証に影響が及ぶため、口座が凍結されます。B銀行からお金を借りていない場合は、貸金業者Aと任意整理をしても口座が凍結されることはありません。

任意整理による口座凍結はいつからいつまで?

任意整理で口座凍結が行われるタイミングと凍結が解除されるタイミングは、以下のとおりです。

  • 凍結されるタイミング…任意整理の受任通知が銀行に届いたとき
  • 解除されるタイミング…保証会社が代位弁済を行ったとき

任意整理手続きを弁護士・司法書士といった専門家に依頼した場合は、専門家が発送した受任通知が銀行に届いたときに、自分で任意整理手続きを行う場合は銀行にその旨を申し出たタイミングで、口座が凍結されます。

口座凍結が行われた後、銀行は預金を借金と相殺し、それでも借金が残っている場合は保証会社から代位弁済を受けます。代位弁済が終了した時点で凍結は解除されます。

凍結から解除までの期間は、平均して1~3ヶ月程度です。

凍結が解除された後は、通常どおりに口座を利用できるようになります。

口座凍結されるとどうなる?

銀行の口座が凍結されると、生活に支障をきたすおそれがあります。具体的には、以下の点に注意が必要です。

  • 預金が借金と相殺される
  • 引き出し・引き落としができなくなる

預金が借金と相殺される

口座に入っている預金は借金と相殺され、銀行に回収されてしまいます。相殺される金額は、当然ですが借金額が上限となります。

以下のように、預金が借金額よりも少ない場合は預金全額が相殺され、借金額を超える預金がある場合は相殺後に預金が残ります。

  • 預金10万円、借金50万円の場合…10万円が相殺されるため預金は0円になる
  • 預金100万円、借金50万円の場合…50万円は相殺されるが残り50万円は口座に残る

引き出し・引き落としができなくなる

口座凍結が行われると、その時点で預金の引き出しはできなくなります。相殺後に預金が残っていたとしても、凍結が解除されるまでの1~3ヶ月間は引き出せません。

凍結後は、口座引き落としも停止されます。公共料金や携帯電話代、その他口座引き落としで支払っているものはすべて、凍結後は滞納してしまうことになります。

振込先や引き落とし口座は、任意整理をしない銀行の口座に変えておきましょう。

凍結後に入金されたお金は相殺されない

口座凍結後も入金は可能なので、給料や年金などは今までどおりに入金されます。そして、口座凍結後に入金されたお金はほとんどの場合、相殺されません。

なぜなら、自己破産や個人再生の債務者の口座が凍結された後に入金されたお金を相殺することは法律に抵触するからです。

任意整理の場合は法律上の問題はありませんが、任意整理の債務者が自己破産や個人再生に切り替えることも少なくないため、ほとんどの銀行は凍結後に入金されたお金の相殺は行いません。

ただし、凍結後に入金された給料や年金なども、原則として凍結が解除されるまで引き出せないことに注意が必要です。

口座凍結に備えて任意整理前にしておきたい対策

銀行からの借金を任意整理する以上は、口座凍結を避けることはできません。その口座を生活費の決済等に利用している場合は、任意整理前に以下の対策をとっておきましょう。

  • 預金を引き出しておく
  • 給料や年金の振込口座を変更しておく
  • 公共料金等の支払い方法を変更しておく

預金を引き出しておく

凍結後の生活費に不安がある場合は、事前に必要な金額を引き出しておくことです。基本的には全額引き出す必要のある方が多いでしょう。借入先の支店だけでなく、その銀行の他の支店の口座からも引き出しておいた方が無難です。

なお、凍結後の生活費に不安がないのなら、そのままにしておいても構いません。預金から相殺された金額は借金の返済に充てられ、その分だけ任意整理後の返済額減りますので、損をすることはありません。

給料や年金の振込口座を変更しておく

口座凍結中は給料や年金も引き出せなくなるので、事前に振込口座を変更しておきましょう。

公共料金等の支払い方法を変更しておく

公共料金や携帯電話代、その他口座引き落としを利用している支払いの中には、滞納すると延滞金や督促料、遅延損害金などがかかるものもあります。

そのため、滞納が発生しないよう事前に支払い方法を他の口座からの引き落としやコンビニ払い等に変更しておきましょう。

口座凍結中に預金を引き出す方法

相殺後に残った預金や口座凍結後に入金されたお金については、多くの銀行が交渉次第で口座凍結中でも引き出しに応じてくれます。ただ、任意整理をしている以上、依頼した弁護士や司法書士を通じて手続きを行うように求められることが一般的となっています。

引き出すまでに時間がかかることが多いので、早めに依頼した弁護士・司法書士へ相談しましょう。

任意整理で口座凍結を回避する方法

任意整理では、手続きの対象とする債権者を自由に選ぶことができます。銀行を対象外とし、他の借金のみを対象として任意整理をすれば、口座凍結されることはありません。

ただし、任意整理をする銀行の口座は必ず凍結されますので回避方法はありません。

なお、借入先の消費者金融やクレジットカード会社が銀行カードローンの保証会社となっている場合、その銀行からも借り入れているときは口座凍結されてしまいます。この場合は、保証会社となっている貸金業者も任意整理の対象外とする必要があります。

口座凍結のリスクを回避するには債務整理に強い専門家への相談が重要

弁護士・司法書士に依頼しても突然、口座凍結をされて生活に困ってしまう人が少なくありません。

なぜこのような現象が起こるのかというと、一般的な弁護士・司法書士は任意整理の相談や依頼を受ける際に口座凍結のリスクの説明を忘れることも多いからです。

また、口座凍結されても任意整理手続きそのものには支障がないので、口座凍結の問題に特段の関心を持たない弁護士・司法書士も少なくないのです。

その点、借金問題に強い専門家であれば、銀行と任意整理をすれば口座凍結されることは知っています。

債務整理に強い専門家は相談者・依頼者の立場になってアドバイスをしてくれますので、相談時に口座凍結のリスクと事前にやるべき対策も教えてくれます。

任意整理を成功させるためにも、相談するなら債務整理に強い専門家を選ぶことを強くおすすめします。
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まとめ

銀行と任意整理をする場合には、口座凍結を避けることはできません。何も知らずに任意整理を始めると口座が突然凍結さてしまい、生活に困ってしまうこともあります。

しかし、事前の対策をしっかりと行えば、口座凍結を恐れる必要は何もありません。

債務整理に強い専門家の力を借りて、口座凍結のリスクを回避しつつ任意整理を成功させましょう。

メインの執筆者かつ9312

元弁護士。関西大学法学部卒。15年にわたり、債務整理、交通事故、相続をはじめとして、オールジャンルの法律問題を取り扱う。
債務整理では、任意整理、個人再生、自己破産の代行から過払い金返還請求、闇金への対応、個人再生委員、破産管財人、法人の破産まで数多くの事案を担当経験する。

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