ソーシャルゲーム課金の借金で自己破産できる?免責が許可されないときの対処法も解説

監修 蒲谷 博昭
/弁護士法人ユナイテッドローヤーズ/シン・イストワール法律事務所 代表

弁護士法人ユナイテッドローヤーズ/シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

弁護士法人ユナイテッドローヤーズ/シン・イストワール法律事務所は借金問題に注力する法律事務所です。事務所を開設してから、これまで任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求など様々なケースの借金事案に対応してきました。

この記事でわかること
  • ソシャゲ課金の借金で自己破産しても失敗(免責不許可)となる可能性がある
  • 免責不許可事由があっても裁量免責で自己破産できる可能性はある
  • 裁量免責を得るためにはソシャゲをやめた方がよい
  • 自己破産が難しい場合も弁護士・司法書士への相談で解決方法が見つかる

近年、スマホの普及に伴いソーシャルゲーム(ソシャゲ)に熱中する人が増えています。

ソシャゲは無料で楽しむこともできますが、課金して遊ぶ仕組みが数多く仕掛けられています。ゲームに熱中するあまり次々に課金してしまい、借金してまでゲームを続ける人も珍しくありません。

返済できないほどの借金を抱えたときの救済措置として自己破産をはじめとする債務整理があります。ただ、ソシャゲ課金で借金を作った場合にはいくつかのポイントに注意しなければなりません。

この記事では、そもそもソシャゲ課金による借金で自己破産ができるのか、できない場合にはどうすればよいのかについて、わかりやすく解説します。

ソシャゲ課金で借金を作る理由

自己破産を検討するには、まず、なぜ借金を作ってしまったのかを把握する必要があります。

ソシャゲは無料でも遊べるものの、無料のままでは長時間連続で遊ぶことができなかったり、アイテムの入手が難しかったりして、なかなかゲームを進めることができない仕組みとなっています。

そんなとき、課金すると以下のメリットが得られます。

  • 長時間、連続でゲームができる
  • 強くなるためのアイテムを購入できる
  • ガチャを回してレアアイテムを入手できるチャンスが得られる

このようにしてゲームを有利に進めていくと、コミュニティ内の地位が上がります。そうすると今度は、その地位を守りたい、もっと強くなって仲間からの賞賛を得たいといった気持ちが働くようになります。

お金を使いすぎているという自覚があったとしても、途中でやめると、それまで課金してきたものが無駄になるため、なかなかやめることができません。

課金そのものはスマホのキャリア決済やクレジットカードで簡単にできるので、やがて感覚が麻痺し、借金をしてまで高額の課金を重ねていくようになってしまいます。

このような状態のことを「廃課金」や「重課金」と呼ぶこともあります。

ソシャゲ課金による借金で自己破産はできる?

では、ソシャゲ課金で借金を作った場合、その借金を自己破産で帳消しにすることはできるのでしょうか。

免責不許可となる可能性がある

自己破産は、裁判所で所定の手続きを行うことにより、抱えている借金の返済義務をすべて免除してもらえるという債務整理の方法です。

借金の原因が何であれ、自己破産を申し立てて「破産手続開始決定」を得ることは可能です。破産手続開始決定とは、借金を返済できない状態であることを裁判所に認めてもらうことであり、以前は「破産宣告」と呼ばれていました。

しかし、破産法には「免責不許可事由」というものが定められており、それに該当する場合には借金の返済義務が免除されません。

代表的な免責不許可事由として、浪費やギャンブルというものがあります。ソシャゲで収入に見合わないほどの金額を課金した場合は、浪費に該当します。

そのため、ソシャゲ課金で借金を作ったケースでは免責が許可されない(自己破産できない)可能性があり、その場合には自己破産を申し立てる実益がありません。

裁量免責が期待できることもある

もっとも、破産法には「裁量免責」という制度も定められています。

裁量免責とは、免責不許可事由がある場合でも、さまざまな事情を考慮して相当と認められる場合には、裁判所の裁量で免責が許可されるというものです。

ソシャゲ課金で借金を作ったケースでも、具体的な事情によっては裁量免責で借金の返済義務を免除してもらえる可能性があります。

ソシャゲ課金による借金で裁量免責を得るためのポイント

免責不許可事由がある場合は、あくまでも免責が許可されないのが原則です。裁量免責が得られるのは例外的なケースということになります。

ただ、以下のポイントを踏まえて対策をとることで、裁量免責の可能性を高めることは可能です。

裁量免責の条件

裁量免責の条件として最も重視されるのは、免責不許可事由の程度です。

浪費のケースなら、借金総額の中で浪費によって作った借金が占める割合が低ければ低いほど、裁量免責が得られやすくなります。

例えば、総額300万円の借金を抱えているケースで、ソシャゲ課金による借金が数十万円程度であれば裁量免責を得られる可能性が十分にあります。

一方で、借金総額300万円のうち200万円以上がソシャゲ課金による借金であれば、裁量免責を得ることは難しくなってきます。

浪費による借金が何割までであれば免責が許可されるといった基準は、明確に決まっているわけではありません。破産法では、「一切の事情」を考慮して相当と認められる場合に裁量免責が許可されることになっています。

そこで、裁量免責の可能性を高めるために以下の対処法が重要となります。

破産管財人の調査に協力すること

自己破産の申立人に免責不許可事由がある場合には、基本的に破産管財人が選任される「管財事件」となります。

破産管財人が免責に関する調査を行って裁判所に意見を提出し、裁判所は原則的にその意見に従って免責の許否を判断します。

したがって、まずは破産管財人の調査に積極的に協力しなければなりません。

面談を求められたら速やかに応じて、正直に事情を話しましょう。資料の提出を求められたときも、指示に従うべきです。

破産管財人に虚偽の事実を述べたり、資料を隠したりすると印象が悪くなり、裁量免責は見込めなくなる可能性が高くなることに注意が必要です。

反省してソシャゲ課金をやめること

破産管財人との面談では、浪費で借金した事実を深く反省していることも伝えましょう。

そして、ソシャゲ課金はやめるべきです。自己破産を申し立てたにもかかわらずソシャゲ課金を続けていると、破産管財人に「改善の見込みが薄い」「今後も借金を繰り返す可能性が高い」と判断され、免責不許可の意見を裁判所に提出されてしまいます。

十分に反省してソシャゲ課金をやめ、生活を改善する努力をしている姿勢が認められれば、免責許可の意見を裁判所に提出してもらえる可能性が高まります。

自己破産以外でソシャゲ課金による借金を整理する方法

いかに反省や努力をしたとしても、裁量免責が必ずしも許可されるとは限りません。特に、ソシャゲ課金だけで数百万円もの借金を作った場合には、初めから自己破産以外の解決方法を検討した方がよいかもしれません。

自己破産以外でソシャゲ課金による借金問題を解決するためには、任意整理と個人再生を検討してみましょう。

借金総額が少ないときは任意整理

任意整理とは、債権者との直接交渉によって借金を減らしてもらうという債務整理の方法です。基本的には将来利息をカットしてもらい、残った借金を3年~5年で分割返済していくことになります。

原則として元金は全額返済する必要があるので、借金総額が大きい場合には向いていません。その一方で、以下のメリットがあります。

  • 手続きが比較的簡便
  • 費用の負担も軽いことが多い
  • 財産を処分する必要がない
  • 整理する借金を選べるので保証人に迷惑がかからない
  • 官報に掲載されないので他の人に知られることなく解決しやすい

収入や資産にもよりますが、借金総額がおおよそ200~300万円までであれば、任意整理を選択するメリットが大きいといえるでしょう。

多額の借金を抱えたときは個人再生

おおよそ200~300万円を超える借金を抱えた場合には、個人再生を検討する必要があります。個人再生とは、裁判所で所定の手続きを行うことにより、借金総額を大幅に減額できる債務整理の方法です。

多くの場合、借金総額が5分の1の金額に圧縮され、それを3年~5年で分割返済することになります。

自己破産とは異なり免責不許可事由はありませんので、ソシャゲ課金で多額の借金を作った場合でも、安定収入があれば個人再生で解決できる可能性が高いです。

一定の条件を満たせばマイホームを残すことも可能なので、非常にメリットが大きい解決方法であるといえます。

債務整理後にソシャゲ課金で借金を繰り返さないために

ソシャゲ課金による借金を債務整理で解決した後は、二度と同じ失敗を繰り返さないことが重要です。

ここでは、そのためのポイントをご紹介します。

借金を繰り返したときに起こること

債務整理後の数年間は一般的な貸金業者やクレジットカード会社は利用できなくなりますが、スマホのキャリア決済は使えます。

そのため、ソシャゲ課金の誘惑にかられるかもしれませんが、債務整理後に借金を繰り返すと解決が難しくなるということを覚えておきましょう。

自己破産で免責が許可された場合、再び借金を抱えてもその後の7年間は自己破産と個人再生のうち「小規模個人再生」は利用できません。

任意整理は可能ですが、2度目になると和解条件が厳しくなりがちで、思うように借金を減らせないこともあります。

ソシャゲはやめた方がよい

借金を繰り返しても解決方法がなくなるわけではありませんが、解決が難しくなりますので、借金につながる可能性があるソシャゲ課金は絶対にやめるべきです。そのためには、ソシャゲそのものをやめることをおすすめします。

ソシャゲには、無料で始めることができて、ちょっとした空き時間にもスマホで利用しやすいという特徴があります。無料の範囲内で楽しむつもりでも、ゲームが進んでくると課金の誘惑にかられることでしょう。

最初は少額の課金でもゲームに熱中して課金を重ね、つい借金を作ってしまったという経験をすでになさっているのではないでしょうか。

同じ失敗を繰り返さないためには、ソシャゲをやめた方がよいでしょう。

アプリを削除する

ソシャゲをやめるためには、アカウントを削除するだけでなく、アプリそのものを削除してしまうことをおすすめします。アプリが残っていると空き時間に再登録して、ソシャゲを再開してしまう可能性が十分にあります。

ゲームの誘惑をなくすためにも、アプリを削除してソシャゲに手を出しにくい状態にしておきましょう。ガラホなど、スマホ用のゲームアプリをインストールできない端末に機種変更することも有効な対策といえます。

他の趣味を見つける

ソシャゲも趣味として楽しむ分には決して悪いものではないのですが、廃課金で借金を作ってしまった方は他の趣味を見つけた方がよいでしょう。

ゲームが好きなら家庭用ゲーム機もありますし、他の人と交流したいならSNSもあります。同じゲームでもボードゲーム、カードゲーム、アーケードゲームなど、他のゲームで代替えする方法もあります。

また、他にもインドアだけでなくアウトドアまで趣味を広げてみるのも、ソシャゲ中毒からの回避方法でもあります。いろいろ試してみて、ご自身に合った趣味を見つけるようにしましょう。

自力でやめられないときは医療機関を受診する

ソシャゲ課金の危険性がわかっていても、自力ではやめられないこともあるでしょう。無理にやめようとすると禁断症状のようなものが出現する方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方は依存症に陥っている可能性があるので、しかるべき医療機関で受診することをおすすめします。現在の精神医学において、依存症はれっきとした精神疾患に認定されており、治療の対象とされています。

依存症外来を受け付けている病院やクリニックはたくさんありますので、気軽に受診することができます。専門的なプログラムに根気よく取り組むことで、必ずや依存症を克服することが可能です。

ソシャゲ課金で作った借金を返せないときは弁護士・司法書士に相談

ソシャゲ課金で借金を作ってしまい返せないと感じたときは、まず弁護士または司法書士という法律の専門家に相談することを強くおすすめします。

専門家に相談・依頼することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 自己破産による免責許可の見通しがわかる
  • 自己破産が難しい場合も他の解決方法をアドバイスしてもらえる
  • 受任通知の送付により取り立てが止まるのでストレスが軽減される
  • 債務整理の手続きはすべて任せられる
  • 専門家によっては医療機関を紹介してくれることもある

一人で抱え込まず、弁護士・司法書士の力を借りて事態を改善していきましょう。

まとめ

ソシャゲ課金による借金でも自己破産で免責を得られる可能性はありますし、それが無理でも他の債務整理で解決することが可能です。

借金問題を解決した後はソシャゲをやめる努力も要求されますが、自力で難しい場合には家族や医療機関の力を借りることもできます。

まずは弁護士・司法書士にご相談の上、借金問題を解決していきましょう。

24時間365日・全国対応・無料相談債務整理に強い
弁護士・司法書士はこちら
タイトルとURLをコピーしました