任意整理とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

任意整理とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
この記事でわかること

任意整理とは

  • 最も多くの人に利用されている債務整理の手続きである
  • 将来利息の返済がカットされて計画的に返済ができる
  • 債権者(貸金業者)との交渉により素早く借金整理ができる
  • 弁護士・司法書士に依頼すれば借金取り立てがストップになる

返済が困難な借金を整理する法的手段を債務整理と言います。債務整理を最適におこなえば、債務者の借入状況や返済能力を考慮したうえで、借金返済の負担を大幅に減らすことができます。

「任意整理」は、その債務整理の中の一種で、裁判所を通さずに弁護士や司法書士が貸金業者と直接交渉し、今後の返済計画を決定します。任意整理は比較的手続きが容易なため、債務整理の中で最も利用されている方法です。

この記事では、

・任意整理で借金が減る仕組み
・任意整理のメリット・デメリット

などの任意整理の基本をわかりやすく解説します。

任意整理とは

任意整理とは、債務者や弁護士・司法書士が債権者(貸金業者)との間で借金の将来利息を減らす交渉をおこない、債務を少なくして返済の負担を軽減するという手続きです。

任意整理は、個人再生や自己破産のように裁判所を介しておこなう債務整理ではなく、当事者同士で協議をおこなうことができるため、手続きが簡単なのが特徴です。

また、複数の債務がある場合、整理したい債権者だけを選んで減額交渉することも可能です。返済方法について債権者との間で和解が成立すれば、ご自身の返済能力に応じた返済計画を立てることができます。

任意整理は、このように柔軟に借金整理がおこなえる手続きのため、債務整理の中では最も多く利用されています。

質問任意整理とは
特徴将来の利息分返済をカットできる。債権者を選んで交渉できる
返済は残債を3~5年の間に分割返済します
どこで債権者(貸金業者)と直接交渉します
誰に相談すれば弁護士・司法書士に依頼するのが一般的です
費用は専門家に依頼する場合、1社あたり3万円ほど
期間は1~3ヶ月とスピード解決できます
仕事は影響なく仕事を続けることができます
バレない家族・職場にバレる心配はほぼありません

任意整理で借金総額が減る仕組み

任意整理で借金総額が減るのは、借金の「利息」が関係しています。任意整理をおこなえば原則として将来的に支払う利息の免除が可能になります。利息が全額カットされることで、返済の対象となるのは「借金の元金のみ」となるため、返済の負担を軽減することができるのです。

また、任意整理の中には「引き直し計算」という手続きがあります。引き直し計算とは、利息制限法に基づいて利息の計算をし直すことです。引き直し計算の結果、これまでの返済に「過払い金」があったと判明した場合は、過払い金請求によって過去に払い過ぎた利息を取り戻せます。

過払い金請求で戻ってきた利息は、元金の返済に充てられます。金額によっては元金を上回る可能性もあります。過払い金の有無の確認は、借金問題に強い弁護士・司法書士に依頼することをおすすめします。

【グレーゾーン金利と過払い金】
出資法の上限金利(29.2%)と利息制限法の上限金利(15〜20%)の間をグレーゾーン金利と言います。2010年に廃止されるまで、多くの貸金業者がこの金利で貸し金をおこなっていました。このグレーゾーン金利で借りた利息は「過払い金」として返還請求することができます。

任意整理に適しているのはどんな人?

債務整理にはいくつかの種類がありますが、その中でも任意整理に適しているのはどのような人なのでしょうか。

ここでは、任意整理に適している人について具体例を挙げてご説明します。

任意整理後の残債を3〜5年で完済できる人

任意整理後の返済は、通常は3年程度、長くても5年以内には完済することを目指します。
貸金会社との交渉にもよりますが、多くの場合5年以上の長期に渡る返済は認められていません。そのため、債務者には最長の5年以内には完済できる返済能力が必要です。

継続的に安定した収入見込みがある人

任意整理をするには、継続的に安定した収入見込みが必要です。任意整理は、借金を減額して返済の負担を少なくする債務整理の手続きです。任意整理後も継続的に返済を続けていくため、安定した収入が見込めなければ、この手続きを選択するのは難しいでしょう。

また、その際に借金返済に充てるお金は、収入から生活費などの必要諸経費を差し引いた可処分所得になります。可処分所得からどの程度返済に充てられるのか、綿密な計画を立てておく必要があるでしょう。

任意整理のメリットとは

任意整理 イラスト カテゴリーページ

任意整理は、債務整理の中で最も選ばれている方法です。債務者にとって、任意整理にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、任意整理のメリットについて具体例を挙げてご説明します。

1. 利息の免除により完済時期が早まる

任意整理をすると、原則として将来的な返済にかかる利息がすべて免除されます。その分借金総額が減るため、完済時期を早めることが可能になります。

また、過去の返済時に過払い金が発生していた場合は、返還請求することで払い過ぎた利息が戻ってきます。戻ってきた利息は元金の返済に充てることができますので、さらに借金の総額を減らすことができます。結果的に借金の返済時期を早めることができます。

2. 弁護士・司法書士が間に入ることで借金の取り立てが止まる

任意整理は弁護士・司法書士が間に入って手続きを進めることで、貸金業者による借金の取り立てはストップできます。まず、債務者から依頼を受けた弁護士・司法書士は、任意整理を引き受けたことを貸金業者へ知らせる受任通知を送付します。

貸金業者は受任通知を受け取ると、その時点から債務者に対する借金の取り立てをしてはいけないと貸金業法によって定められています。そのため、貸金業者は債務者への取り立てが一切できなくなるのです。

これまで貸金業者からの返済の催促に苦しんでいた方にとっては、借金の取り立てがなくなることで精神的な負担から開放されます。

3. 第三者に知られることなく借金を整理できる

任意整理は、個人再生や自己破産のように官報に掲載されることはありません。そのため、第三者に知られずに借金を整理することが可能です。また、任意整理は裁判所を一切介さないので、裁判所からの通知が自宅に届くことはありません。

そのため、勤務する会社や同居する家族など、近しい人にも知られることなく借金整理をすることが可能です。

4. 裁判所を介さないため手続きが早く簡単にできる

任意整理は裁判所を介さずに債権者(貸金業者)との交渉による手続きです。そのため、裁判所への申立てや提出する書類の準備など、面倒な手続きが不要です。

また、和解までの手続きに要する期間は平均3~6ヶ月と言われており、自己破産・個人再生(平均6~9ヶ月)などと比べても短い期間で完了します。

5. 債務を選んで整理できる(家や車のローンは除外できる)

任意整理は、複数の債務がある場合、その中から選んで整理をすることができます。例えば、住宅や車のローンが残っていて、それらを任意整理の対象から外したい場合には、除外して手続きを進めることができます。

任意整理のデメリットとは

任意整理は、比較的手続きが容易で債務者の負担が少ない債務整理です。しかし、メリットばかりではなく、任意整理によって生じるデメリットも存在します。

ここでは、任意整理のデメリットについて具体例を挙げてご説明します。

1. ブラックリスト(信用情報機関)に情報登録される

任意整理をするとブラックリスト(信用情報機関)に情報が登録されます。そのため、登録後5年間は新しい借入やクレジットカードの作成ができなくなります。

しかし、過払金請求によって借金がゼロになった場合は完済とみなされるため、債務者の情報がブラックリストに登録されることはありません。

2. 借金が全額免除されるわけではない

任意整理は、借金を減額させる手続き方法ですので、自己破産のように借金全額が免除されるものではありません。また、自己破産・個人再生に比べて債務の減額は大きくありません。

そのため、任意整理は返済能力と完済する意志が無ければ適さない手続きといえます。

3. 債権者と和解が成立しないケースもある

任意整理は裁判所を介さないため債権者に対して強制力を持たない手続きです。そのため、債権者との間で必ずしも和解が成立するとは限りません。貸金業者によっては和解の条件が厳し目のところもあります。

そのため、任意整理をおこなう場合には知識や経験が豊富な弁護士・司法書士を選ぶことをおすすめします。

任意整理後はどうやって返済していくのか

任意整理は、司法書士や弁護士に依頼すれば比較的簡単に手続きはできますが、大切なのは任意整理後に借金が完済できるかどうかです。返済期間は3〜5年程度を目安としているため、この期間内に完済を目指さなければなりません。

ここでは、任意整理後の返済方法をご紹介します。

一括弁済

一括弁済とは、残った元金を一括で返済する方法です。任意整理では原則として利息をカットできるため、借金額が少なくなります。また、過払金が発生している場合は、元金に充てることで借金を大幅に減らせる可能性もあります。

将来的な利息がカットされることで思っていたよりも借金額が減り、一括弁済が可能になるケースも考えられるでしょう。

分割弁済

任意整理後の返済方法としては、一定額を継続的に払い続ける分割弁済が一般的です。通常の借金返済には利息が伴い、返済期間が長くなるほど利息の負担や借金総額が増えていきます。

しかし、任意整理をすれば将来利息がカットできるため、分割弁済しても借金総額が増えることはありません。

返済期間が5年を超える長期分割弁済が認められるケースとは

任意整理の返済期間は原則的に最長でも5年とされているため、債務者は5年以内に完済することが求められます。しかし、場合によっては5年以上の長期分割弁済が認められるケースがあります。

貸金会社に長期分割返済を承諾してもらうことで、それが可能になります。認めてもらえる可能性があるのは、これまで期限に遅れることなく長期間返済を継続し続けた債務者です。

反対に、「返済期間が短い」「返済回数が短い」などの実績不足の人や「返済期限に遅れることがあった」という信用不足の人は、長期分割返済を認めてもらうのは難しいでしょう。

任意整理を成功させるために弁護士・司法書士ができること

任意整理は自分でも手続きや交渉はできないことはありませんが、一般の人が貸金会社と自力で交渉をおこなうのは容易ではありません。弁護士・司法書士に依頼して以下のようなサポートを受けるのが良いでしょう。

【任意整理で弁護士・司法書士ができること】

  • 将来利息のカットや引き直し計算によって借金額を減らせる
  • 法律の専門家として債務者に最適なアドバイスができる
  • 任意整理に関する手続きを代行できる
  • 貸金会社に受任通知を送り、借金の取り立てや督促を止められる

任意整理は、弁護士・司法書士と貸金業者との協議によって今後の返済計画が決定します。そのため、任意整理を成功させるには、借金返済に関して豊富な知識や経験を持つ弁護士・司法書士に依頼することが重要です。

まとめ

任意整理は、膨らんだ借金を減額できて、しかも無理のない返済計画を立てることができる債務者にとってはメリットが多い借金整理の手続きです。

ご自身の返済能力に応じて借金問題を解決できる方法ですので、「月々の返済が厳しい」「膨らんだ債務を減らしたい」という方は、早めに弁護士・司法書士に相談して現実的な借金整理に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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